RCEP 2022年1月発効へ TPP上回る経済効果に期待感

東アジアを中心に15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が2022年1月1日から発効することになった。オーストラリアとニュージーランドが11月2日、RCEP協定の批准手続きを終了した。外務省が3日発表した。この結果、世界経済の3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。日本にとっては中国、韓国と初めて結ぶ自由貿易協定(FTA)が動き出す。
日本政府は協定発効に伴う関税撤廃・削減などで部品や素材の輸出が増え、日本の国内総生産(GDP)を約2.7%押し上げる効果があると試算する。環太平洋経済連携協定(TPP)と比べると、国有企業改革、環境、労働問題の協定を盛り込んでおらず、ルールの水準は低めだが、経済効果では米国が抜けたTPPを上回る。
参加国は日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN10カ国)、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国。

岸田首相 脱炭素で「アジアに1.1兆円追加支援」表明 COP26

岸田文雄首相は11月2日、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の首脳級会合で、アジアなどの脱炭素を巡る技術革新に新たに5年間で最大100億ドル(約1兆1,400億円)を追加支援すると表明した。6月に決めた今後5年間で600億ドル規模の支援としていたのを増額する。
先進国は官民で年1,000億ドルの途上国への支援を約束している。ただ、経済協力開発機構(OECD)によると2019年時点の支援額は800億ドルに満たない。日本が率先して不足分を補う姿勢を示す。
岸田氏は政府目標として、温暖化ガス排出量を2030年度までに2013年度比で「46%削減を目指し、50%削減の高みに向け努力する」方針を表明した。岸田氏が国際会議で公表するのは就任後初。2050年までに実質ゼロを目指す「50年カーボンニュートラル」にも言及した。

バイデン米大統領 メタン30%削減へ90カ国・地域連携表明

バイデン米大統領は11月2日、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、温暖化ガスの一種メタンの排出削減に向けて90カ国・地域が加わる国際連携の枠組みを立ち上げると正式に表明した。2030年までに2020年比で30%削減する。米国国内でも新規性を導入し。温暖化ガスの排出削減へつなげる。同メタン削減計画には最終的に100を超える国・地域が参加を表明した。
バイデン氏は、メタンガス削減について「今後10年で最も重要な取り組みの一つになる」と呼びかけた。米国では石油・ガス生産における2030年のメタン排出量2005年比で74%削減する。

G20サミット 石炭火力へ金融支援停止 21年末までに実施

20カ国・地域(G20)首脳会議「(サミット)は10月31日、首脳宣言を採択して閉幕した。気候変動問題では2021年末までに海外の石炭火力発電への公的な金融支援を停止することで合意した。世界の温暖化ガス排出量を、「今世紀半ばごろまで」に実質ゼロにする目標でも一致。新型コロナウイルス対策では、先進国との格差拡大が指摘される途上国へのワクチン供給を促進することを確認した。

G20サミット開幕 バイデン米大統領 産油国に増産促す

20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が10月30日、イタリアの首都ローマで開幕した。米国のバイデン大統領は初日の世界経済の討議で中東産油国を念頭に原油・ガス価格の高騰に対処するよう増産を促した。
新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響をなお懸念する産油国は、需要の伸び悩みを懸念し、増産に慎重な姿勢を崩していない。だが、バイデン氏は経済回復に向けた重要な時期を損なわないよう、バランスの取れたエネルギー市場にする必要性を訴えた。
G20サミットを対面で開くのは2019年の大阪サミット以来2年ぶり。バイデン氏のほかフランスのマクロン大統領、インドのモディ首相らが顔を合わせた。衆院選と重なった岸田文雄首相はオンライン出席した。中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領は現地入りを見送った。

英国 中国に石炭火力発電の廃止要求 両首脳が電話協議

英国のジョンソン首相は10月29日、中国の習近平国家主席との電話協議で、中国側にエネルギー源としての石炭の利用の段階的な廃止に向けた対応を取るよう要請した。英国・グラスゴーで31日から開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に、世界最大のCO2など温室効果ガス排出国の中国に一層の対策強化を求めた。
習氏は9月下旬の国連総会の動画での演説で、海外の新規の石炭火力発電へ投資はしない方針を示した。ただ、中国国内の石炭火力については停止の方新は示しておらず、ジョンソン氏はさらなる対策強化を求めた形。

ジェトロ シンガポールで日本産食品展示&オンライン商談

日本貿易振興機構(ジェトロ)シンガポール事務所は、11月から2022年2月にかけて「日本産農水産物・食品サンプル展示&オンライン商談」と称するイベントを開催する。鎮静化したとはいえ、新型コロナウイルス流行下で日本・シンガポール間の往来が制限され対面商談が難しい中、現地ショールームでのサンプル展示とオンライン商談を組み合わせ、効率的なビジネスマッチングを進める。
ジェトロは、シンガポールの中心部にある旅行大手JTBのラウンジに、日本産食品のサンプルを展示する常設ショールームを設置する。ジェトロがシンガポールでこうした企画を実施するのは初めて。