医療・介護を成長産業に 厚労省が国際戦略推進本部発足へ

医療・介護分野を成長産業として発展させようと、厚生労働省は近く、武見厚生労働相を本部長とする国際戦略を推進する本部を発足させ、具体策を検討することになった。同本部では、日本の高い医療技術やサービスを求めて海外から訪れる患者を積極的に受け入れる、いわゆる「医療ツーリズム」や、外国人の医師・介護人材を育成するための具体策を検討するほか、高齢化や、国民皆保険などに関する日本の知見を生かした国際貢献のあり方も議論される見通し。

塩野義「新型コロナワクチン」厚労省承認を取得 起源株対象

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は6月24日、新型コロナウイルス発生初期の起源株を対象に開発したワクチンが、同社として初めて厚生労働省の製造販売承認を取得したと発表した。実用化の予定はないが、変異ウイルスに対応した今後のワクチン展開につながる。
今回承認されたワクチンは「組み換えタンパク型」と呼ばれる仕組みを採用。従来のインフルエンザワクチンなどと同じ製法。新型コロナワクチンの主流の「メッセンジャーRNA型」よりも、発熱などの副作用が少ないという。

電動キックボードのLuup 罰則規定 都内から9都市に順次拡大

電動キックボードのシェアサービスのLuup(ループ、所在地:東京都千代田区)は6月25日、安全対策を強化すると発表した。都内で試験提供する罰則規定と安全経路を表示するナビ機能を全国に広げる。
罰則はループの5割強の車両拠点が集中する都内全域で1月から試験的に導入され、今後は大阪府や京都府、名古屋市など残る9つの主要都市に順次取り入れる。
電動キックボードは「特定小型原動機付き自転車」に分類され、道路交通法を守る必要があるが、2023年7月から一定条件で免許なしで乗れるようになった。このため、ループの利用拠点は2.2倍に拡大、増える利用者に安全走行を促している。

大阪・関西万博 開幕前日の25年4/12に開会式挙行 IPMで公表

2025年大阪・関西万博に参加を予定する約160カ国・地域や国際機関の担当者を集めた「国際参加者会議(IPM)」が6月25日、奈良市で始まった。同博覧会協会の石毛博行事務総長は開会挨拶で、万博の開会式は開幕前日の2025年4月12日の午後に開催することを明らかにした。

EU 米アップルをデジタル市場法違反と認定 初の適用

欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は6月24日、巨大IT(情報技術)企業を規制するデジタル市場法(DMA)に米アップルが違反したと暫定的に認定したと発表した。自社サービスに利用者を囲い込み、他社サービスを利用しにくくしていると判断した。3月に全面適用されたDMAの初の違反ケースとなる。

ハンセン病患者に開発中の薬投与 戦中戦後 被験者472人

国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(所在地:熊本県合志市)の調査委員会は6月24日、同園で戦時中から戦後にかけて行われた、ハンセン病患者に開発中の薬を投与した臨床試験の実態調査の中間報告書を公表した。これは1942年12月から1947年6月まで続けられたハンセン病患者に「虹波」と呼ばれる開発中の薬を投与していたもので、被験者は判明しているだけで472人に上っている。
初期の頃には入所者の3分の1が参加。激しい副作用だあったが、当時の医師らは中止しなかったとしている。臨床試験中に9人が死亡し、うち2人がとくに副作用の影響が疑われるという。虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で戦時中に旧日本陸軍が寒冷地での兵士の凍傷対策など肉体強化に役立つと考え、研究開発していたとされる。

絶滅危惧種ホッキョクオオカミの赤ちゃん誕生 国内初

栃木県那須町の「那須どうぶつ王国」は6月24日、幻の白いオオカミと呼ばれる絶滅危惧種「ホッキョクオオカミ」の赤ちゃん2頭が誕生したと発表した。日本の動物園でホッキョクオオカミの赤ちゃんが誕生したのは初めて。2頭は雄と雌。22日時点で雄の体長約40cm、体重約3,910g、雌が体長約40cm、体重約3,010g。

みずほFG 中国で証券会社設立へ 当局CSRCが申請を受理

みずほフィナンシャルグループ(FG)は6月24日、中国での証券会社の新設に向けた申請が中国証券監督管理委員会(CSRC)に受理されたと発表した。許可されれば傘下のみずほ証券が全額出資の子会社を設立する。みずほがこれまで中国で築いてきた実績・拠点網と、グローバルに持つ顧客/拠点ネットワークを活かし、債権を主軸とした付加価値の高い資金調達や運用などのサービス、ソリューションを、中國内外の発行体・投資家に提供していく計画。

TOYO タイのCirPlasと混合廃プラ油化技術の共同開発で協業

東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)は6月24日、タイのSCGケミカルズの関連会社、CircularPlas Company Comapany Limited(以下、CirPlas)が保有する使用済み廃混合プラスチックの油化技術による石油化学原料化プロセスに関して、スケールアップおよび事業機会拡大のための協業に関する共同開発契約書(JDA)を締結したと発表した。
両社のパートナーシップを強化し、商業化や第三者へのライセンシング供与するための技術・ビジネス両面での開発を促進するため、当該合意書を締結した。この技術はすでにタイ・ラヨーン県の混合廃プラスチック油化実証プラントで活用され、循環型プラスチックの製造を行っている。

万博 咲州庁舎に常設窓口 参加国の相談をワンストップで対応

2025年大阪・関西万博の運営主体、博覧会協会は6月24日、大阪府の咲州庁舎(所在地:大阪市住之江区)に参加国などからパビリオン整備や開幕後の運営についての相談に対応する常設の窓口「ワンストップショップ(OSS)」を開設した。パビリオン内のレストランの営業などの行政許可や、銀行口座の開設手続きを一つの窓口で完結できるようにした。万博に向けた準備を迅速かつ円滑にするのが狙い。