23年の実質賃金2.5%減 給与増も物価上昇に追いつかず

厚生労働省が2月6日公表した毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所3万余対象)によると、2023年の働く人1人当たりの実質賃金は前年と比べ2.5%減少した。現金給与の総額は増えたものの、物価上昇に追い付かず実質賃金は2年連続でマイナスとなった。
働く人1人当たりの現金給与総額は、基本給、残業代、ボーナスなどを合わせ月平均で32万9,859円となり、前年に比べ1.2%増え、3年連続でプラスとなった。フルタイムが43万6,849円、パートタイムが10万4,570円で、いずれも統計を取り始めた平成5年以降で最も高くなった。
しかし、物価上昇率3.8%と42年ぶりの記録的な高い水準となり、給与増が追い付かなかった。この結果、物価変動を反映した実質賃金で前年に比べ2.5%減少した。

23年消費支出2.6%減 物価高響き3年ぶり下落 総務省

総務省が2月6日発表した2023年の家計調査によると、1世帯(2人以上)当りの消費輸出は月額の平均で29万3,997円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比2.6%減少した。物価高などで食料や教育への支出が落ち込み、3年ぶり前年を下回った。
内訳をみると食料は2.2%減となった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」へ移行したことで外食機会が増加した半面、食料品が幅広く値上がりした影響で、在宅での「内食」費が減少した。教育も物価高やオンライン化で支出が抑制され、9.8%減となった。

ソニーと日立 24年問題見据え4月から家電を共同配送

ソニーグループと日立製作所は2月5日、家電製品の共同配送を始めると発表した。両社のそれぞれ家電製品を手掛けるソニーマーケティングと日立グローバルライフソリューションズが、4月から北海道にある両社が保有する倉庫の管理を統合し、道内にある量販店の物流センターに家電製品を連携して運ぶ。
4月から時間外労働の上限規制で、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」に対応するため、配送業務で連携、協力する。

三菱自 生産拠点インドネシアからSUVの輸出を開始

三菱自動車工業(本社:東京都港区)は2月5日、インドネシアの乗用車生産拠点、ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(所在地:西ジャワ州ブカシ県、以下、MMKI)で生産する新型コンパクトSUV「エクスフォース」の輸出を開始したと発表した。今回の輸出先はベトナムだったが、今後フィリピンなど他のASEAN地域や南アジア、中南米、中東、アフリカにも順次展開していく。
同日、首都ジャカルタ市から北へ約10kmに位置するタンジュンプリオク港で開催した記念式典には、インドネシア、日本両政府をはじめ多くの来賓や関係者らが参列した。

23年全国生コン出荷4.3%減 5年連続マイナス 過去最低

全国生コンクリート工業組合連合会(所在地:東京都中央区)のまとめによると、2023年の全国生コン出荷量は前年比4.3%減の155万2,007㎥だった。全体の7割を占める民需は同2.5%、公共工事など官公需は7.9%、それぞれ減少した。前年を下回るのは5年連続。比較可能な1976年以降で過去最低だった。

藤井八冠23年獲得賞金 過去最高1.8億円 羽生氏の記録抜く

日本将棋連盟は2月5日、2023年の獲得賞金・対局料ランキングを発表した。1位は史上初めての全八冠を制覇した藤井聡太竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖(21)で、1989年に統計を出してから過去最高の1億8,634万円で2年連続の1位となった。これまでの最高は羽生善治九段(53)の1億6,597万円だった。
2位は渡辺明九段(39)の4,562万円、3位は永瀬拓矢九段(31)の3,509万円、日本将棋連盟会長の羽生九段は5位で2,604万円。

テラチャージ・インド 独シーメンスとEV充電事業で提携

EV充電インフラ事業「Terra Charge(テラチャージ)」を展開するTerra Charge(本社:東京都港区)は2月5日、インド子会社、Terra Motors Charging Solution Private Limited(本社:西ベンガル州コルカタ、以下、テラチャージ・インド)が、独SIEMENS(以下、シーメンス)と2月1日に業務提携契約を締結したと発表した。これにより、テラチャージの培った充電機制御ソフトウエア技術、シーメンスの持つ充電器開発能力および幅広いビジネスパートナーとのネットワークを組み合わせ、インドにおける充電事業のさらなる事業価値向上につなげていく。

三谷産業, KDDI 被災地の避難所へのStarlinkの設置で連携

三谷産業(本社:金沢市)とKDDI(本社:東京都千代田区)、KDDIまとめてオフィス(本社:東京都渋谷区)のKDDIグループは2月5日、被災地における避難所での通信支援を目的とした
Starlinkの設置に関するパートナー契約を2月2日に締結したと発表した。
KDDIはスペースXの日本法人Starlink Japan合同会社と協力し、衛星ブロードバンドStarlinkを石川県能登半島の避難所などに無償で提供している。今回の提携を通じて石川県の多くの企業や自治体と関わりのある三谷商事と連携することで自治体との連携を強化し、避難所へのStarlinkの設置や、電源の供給を加速する。

日本支援のインド高速鉄道に初の地震検知システム導入

インド高速鉄道公社はこのほど、日本が支援するムンバイーアーメダバード高速鉄道事業において、同国初となる早期地震検知システムを導入すると発表した。地震発生時に乗客や重要インフラの安全を確保するために28基の地震計が設置される。高速鉄道の沿線で過去100年間にマグニチュード5.5以上の地震が発生したことがある地域を日本の専門家が調査し、設置場所が選定される。
28基の地震計のうち22基が高速鉄道の路線の変電所および送電システム系統の要所で設置される計画。マハラシュトラ州のムンバイ、タネ、ビラール、ホイサールに8基、グジャラート州のパピ、ビリモラ、スーラト、バルーチ、パドダラ、アナンド、マヘムダバード、アーメダバードに14基が設置される。
日本の新幹線技術に基づく同システムは、地震による初期微動(プライマリー波:P波)を検知し、自動的に電源を遮断するもの。システムの稼働により停電が感知されると非常ブレーキが作動し、対象地域を走行する列車が停止する仕組み。

関空リムジンバス3月から200円引き上げ 15年ぶり改定

関西空港発着のリムジンバスを運行するバス会社17社は、3月1日から13路線のうち12路線で運賃を引き上げる。この結果、大阪駅前とを結ぶ路線では片道運賃が現在の1,600円から1,800円へ、京都駅八条口とを結ぶ路線では2,600円から2,800円へ、神戸・三宮とを結ぶ路線では2,000円から2,200円へ、JR和歌山駅とを結ぶ路線では1,200円から1,400円になる。
引き上げの理由は①運転手不足に伴う人件費の上昇②高速道路料金の値上げ③燃料費の高止まりーなどを挙げている。関空に乗り入れるリムジンバス料金の引き上げは、消費税の増税による改定を除けば2009年以来15年ぶり。