天皇賞・秋 イクイノックス 日本レコードで貫禄の2連覇  

第168回天皇賞・秋(2000m芝、11頭出走、G1)が10月29日、天皇・皇后両陛下が観戦される中、東京・府中市の東京競馬場で行われ、1番人気のイクイノックス(クリストフ・ルメール騎乗)が、1分55秒2の日本レコードで優勝した。昨年に続き史上3頭目の連覇を達成し、1着賞金2億2,000万円を獲得した。同馬はG15連勝で5勝目。ルメール騎手はこのレース2連覇で5勝目、林哲也調教師は昨年に続き2勝目。
イクイノックスは好スタートから3番手の好位につけ、最後の直線、残り400mを過ぎたあたりで先頭に立ち、全く危なげのない貫禄のレース運びで、しかも日本レコードで制した。6番人気で2着のジャスティンパレスに2馬身半差をつけた。さらに1馬身1/4差の3着に3番人気のプログノーシスが入った。負傷した武豊騎手から乗り替わった2番人気のドゥデュースは、期待された差し脚不発で7着に終わった。

奈良で「第10回世界遺産サミット」地域間連携などを協議

世界遺産をを保有する自治体の首長らが集まり、保全や活用策について話し合う「第10回世界遺産サミット」が10月29日、奈良県斑鳩町で開かれた。日本で最初に世界遺産登録され、30周年を迎えた法隆寺を会場に、全国30市町村の関係者が参加。世界遺産を核とした持続可能な町づくりの実現など、3項目の「斑鳩宣言」を採択した。

脳死判定 累計1,000例に 臓器移植法施行26年 提供数の底上げ急務

日本臓器移植ネットワークによると、臓器移植法に基づく脳死判定が累計1,000例に到達した。1997年の同法施行から26年。家族承認による臓器提供が可能となった2010年以降、脳死臓器提供数は増加し、2023年は10月27日時点で100件に上り過去最多となった。ただ、これでも国内の提供者数は海外と比べて極めて少なく、移植を希望する患者の待機期間は長期化している。臓器提供数の底上げが急務だ。
脳死提供臓器の移植を受けた人は10月25日までに4,347人。9月末時点で移植を待つ人は1万5,909人で、待機期間は心臓で約3年5カ月、腎臓では約14年8カ月に及ぶ。圧倒的に国内の臓器提供社数が少ないためだ。人口100万人当りの脳死提供者数は米国44.50人、韓国7.88人に対し、日本はわずか0.88人にとどまっている。

東海道新幹線 10/31でワゴン販売終了 駅ホーム上の自販機拡充

JR東海は10月31日、東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」の車内ワゴン販売を終了した。飲食物の持ち込み増加で車内販売は減少傾向にあったことや、販売員の人手不足にも対応したもの。代わりに駅のホーム上での自動販売機を増やしているほか、11月1日からはグリーン車で乗客のスマートフォンなどから食事や飲み物を注文できるサービスを導入する。

トヨタ 23年度上半期 世界生産・販売ともに 500万台超えの過去最高

トヨタ自動車は10月30日、2023年度上半期の世界生産と販売台数がいずれも500万台を突破し過去最高になったとを発表した。2023年4〜9月の世界生産は前年同期比12.8%増の505万8,248万台、世界販売は同9.1%増の517万2,387台となった。世界生産は2019年度上半期の455万1,807台を上回り、4年ぶりに過去最高を更新した。世界販売は半期の最高を記録した。北米や欧州を中心に需要が旺盛で、国内実績も大きく伸びた。

供給網づくり「G7の枠超え」連携を 貿易相会合で声明採択

大阪市・堺市で2日間の日程で開かれた主要7カ国(G7)貿易相会合は10月29日、閣僚声明を採択し閉幕した。議長国の日本は西村康稔経済産業相、上川陽子外相が参加した。
今回の声明の要点は①重要鉱物などの強固なサプライチェーン(供給網)の構築に向けて、G7の枠を超えて連携する②中国などによる日本の水産物の輸入停止に対し、「科学に基づき、直ちに撤廃を求める」ことを盛り込んだ。このため、資源の豊富なグローバルサウスの新興・途上国、インド、インドネシア、チリ、ケニアをG7貿易相会合として初めて招いた。国際会議の文書に日本産品への禁輸措置の撤廃要求が盛り込まれるのは初めて。

クマ被害 18道府県で過去最悪の173人に 秋田59人, 岩手41人など

クマに襲われてけがをするなどの被害に遭う人が増え続けている。環境省が集計した4〜9月分109人と、NHKがその後の被害分としてまとめた分を合わせると、今年度のクマ被害は18道府県で173人に上っている。すでに3年前の2020年度の158人を大きく上回り、国が統計を取り始めて以降、過去最悪となっている。農村、山間部だけでなく、街中の住宅街、商業施設や学校、文化施設などでも被害に遭うケースも少なくなく、国や自治体が対策の徹底を呼び掛けている。
地域別にみると、被害件数の多いのは秋田県の59人、岩手県の41人、福島県の13人、青森県の11人、長野県の10人、新潟県7人、岐阜県6人、富山県5人、北海道4人などと続いている。

松屋フーズ ベトナム国立外国語大とインターンシップ協定締結

松屋フーズホールディングス(本社:東京都武蔵野市)は10月27日、ベトナムの国立ダナン外国語大学とインターンシップ協定の締結・調印式を25日、同大学で執り行ったと発表した。日本国内の幅広い産業の労働力不足に対応するだけでなく、ベトナムの学生の日本企業への就業機会の拡大等、産学連携による日本・ベトナム双方にメリットのある仕組みの構築を志向している。同社も将来計画しているベトナム進出時における幹部候補生育成としても活用する予定。
今回の協定では同大学の単位取得プログラムとして、同社の日本国内の運営管理施設において、同大学の学生が接客サービス等のプログラムを提供する。このプログラムは単なる日本語能力の修得だけでなく、日本企業におけるビジネスマナーや日本文化の理解向上を図り、日本企業へ就業するために必要な要件を学ぶ機会とする。対象者はN3レベルの日本語能力を習得している方とし、2024年3月から第1期生の受け入れを開始する。

ブリヂストン タイの生産拠点を再編 ランシット工場の生産終了

ブリヂストン(本社:東京都中央区)は10月27日、タイにおけるタイヤ生産拠点を再編、THAI BRIDGESTON CO.LTD.(タイ ブリヂストン カンパニーリミテッド、以下、TBSC)のランシット工場(所在地:タイ・パトゥムターニー県)でのタイヤ生産を終了したと発表した。同社が中期事業計画(2021〜2023年)で掲げてきた”稼ぐ力の再構築”の一環。
ランシット工場は、乗用車用ラジアルタイヤの生産をノンケ−工場に集約し2022年6月末に完了しているほか、今回トラック・バス用ラジアルタイヤの生産を、ブリヂストンタイヤ マニュファクチャリング(タイランド)カンパニーリミテッドのチョンブリ工場に生産を集約し、2023年10月27日に終了した。

哺乳類は宇宙でも繁殖できる可能性 山梨大, 理研がマウスで確認

山梨大学や理化学研修所などの研究チームは、宇宙のほぼ重力のない環境でも、マウスの受精卵が着床前の「胚盤胞」と呼ばれる状態まで成長できることを突き止めた。哺乳類が宇宙でも繁殖できる可能性を示した最初の研究成果という。
この研究はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力で、凍結したごく初期の受精卵720個を2021年、国際宇宙ステーション(ISS)に運び、星出彰彦宇宙飛行士が解凍し、実験した。受精卵半分ずつをそれぞれ、微小重力の環境下と、ISS内にある地上と同じ重力を発生する装置の中で培養した。この実験後、地球に戻った受精卵を確認した結果、分かったもの。