日揮HDと三菱地所 脱炭素へ廃食油から航空燃料精製

プラント大手の日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)と三菱地所(本社:東京都千代田区)は、二酸化炭素(CO2)を大幅に削減できる次世代航空燃料「SAF」の活用に向け、原料となる廃食油回収に相互協力することで基本合意した。
三菱地所は2023年3月から保有物件に入居する飲食店と回収業者を仲介し、日揮が2024年度にも稼働を見込むSAF工場に提供する。
三菱地所はJR東京駅周辺の丸の内エリアに23棟のビルを保有し、入居する350の飲食店やオフィスの食堂などから出る廃食油は年150トン規模に上る。ここから精製できるSAFは約130㌔㍑で、通常のジェット燃料に10%混ぜて使用すると東京ー伊丹(大阪)間を105往復できる計算だ。2023年度以降は対象を全国に拡大し、静岡や新千歳など同社が運営に携わる10空港でも廃食油を回収する。

国際航業G,富士通J さいたまでAIデマンドバスの実証

国際興業グループのKGビジネスサポート(本社:東京都中央区)は11月18日、富士通Japan(本社:東京都港区)と共同で、富士通(本社:東京都港区)の「Fujitsuオンデマンド交通サービス」をベースに、「AIオンデマンド交通システム」を開発したと発表した。路線バス事業の懸念事項とされている過疎問題、交通脆弱地域における高齢者等の移動手段確保および交通事業者のドライバー不足対策などが目的。
このシステムを活用し、さいたま市桜区でAIオンデマンドバス「さいたま さくら号」の実証運行を実施する。運行期間は11月23日〜12月3日。運行時間は毎日概ね8時30分〜18時。車両は定員10人(客席8席)のワゴン車2台。利用には事前予約が必要。

政府 第8波に備え自治体主導コロナ新対策の運用開始

日本政府は11月18日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、「第8波」に備えた自治体主導の2段階の対策強化策を決定し、運用を開始した。都道府県が必要に応じて「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出し、さらに逼迫状況が進みそうな場合は「医療非常事態宣言」を発令して出勤の大幅抑制、帰省や旅行の自粛を求める。
新たな対策は、政府発令による従来の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のような飲食店などへの休業や時短営業は求めない。

日本 インドネシアに1,300億円の円借款 インフラ整備

日本政府は11月14日、インドネシアで行われた首脳会談で、岸田文雄首相がジョコ・ウィドド大統領に対し高速鉄道、港湾アクセス有料道路のインフラ整備に合わせて供与限度額1,300億3,800万円の円借款供与の事前通報を行った。これを踏まえ今後、両国政府の間で、この借款に関する交換公文が締結される予定。
対象案件は①ジャカルタ都市高速鉄道計画(フェーズ2)(第二期)に供与限度額879億1,800万円②パティんバン港アクセス有料道路建設計画に同421億2,000万円。

インド・ベンガルールで3年ぶり日本食イベント

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、インド・ベンガルール市内のホテルでこのほど、「ジャパン・フード・フェスト・イズ・バック!(japan Food Fest is Back!)2022 」と題した日本食イベントが3年ぶりに行われた。
同イベントは在ベンガルール日本領事館の主催により、キッコーマン、日清食品、カレーハウスCoCo壱番屋や、同地で展開する和食レストランなど計20社が参加し、多くの日本人とインド人で賑わった。インド人シェフによるサーモンの解体ショーも行われ、新鮮な刺し身を求めて、多くのインド人が行列をつくった。
インドは食品に対する規制が厳しく、日本食を輸入するにあたって様々な規制があり、日本食を入手し、食する機会は限られているという。ただ、食に対して保守的なインド人の間でも日本食の認知度は徐々に上がっている。

竹中工務店 耐火集成木材「燃エンウッド」開発

竹中工務店(本社:大阪市中央区)は11月17日、耐火集成木材「燃エンウッド」の柱および梁の開発により「国土交通大臣認定 耐火構造部材(3時間)」を取得したと発表した。
建物の建築にあたっては、建築基準法で階数ごとの耐火性能が定められている。しかし今回同社が開発した3時間耐火の「燃エンウッド」により、階数に制限なく、建物に木構造を採用することが可能となり、15階以上の建物の木造化を実現する。同社はこれまでに中高層ハイブリッド建築20件に同部材を適用してきているという。

日立 フィリピン南北通勤鉄道新区間のシステム受注

日立製作所は11月17日、グループ会社の日立レールがフィリピン政府運輸省から、ソリスーマロロス間の新しい通勤鉄道向けに、デジタル信号を含む鉄道システムの提供および軌道工事に関する契約パッケージを受注したと発表した。契約金額は約1,140億円。
これは国際協力機構(JICA)の円借款の資金が充てられるプロジェクトで、マニラ首都圏と近接する地域を南北通勤鉄道(カランバークラーク間)147kmのうち、約35.4km・9駅の区間を新設する。
日立レールは、英国、イタリア、スペイン、スウェーデン、フランスなどの欧州を主要市場としてデジタル信号を手掛けており、フィリピンに導入するのは初めて。

アルムと帝人 次世代医療サプライチェーンで実証

ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、以下、DeNA)の子会社、アルム(本社:東京都渋谷区)と帝人(本社:大阪市北区)は11月17日、脳血管内治療計画プログラムと電子タグシステム(RFID)を活用した次世代医療サプライチェーンの実証試験を共同で開始すると発表した。
今回の実証試験は脳血管内治療計画に携わる医療現場における治療の質向上と医療資源のロス削減を実現するための取り組み。アルムはAIを用いたICT技術により、各人にとって最適な治療計画と治療デバイスを提案するプログラムを構築し、帝人は独自のRFID技術を用いて治療デバイスの過剰や欠品を防止する在庫管理体制を整備し、このシステムの実効性を確認する。2024年12月までに実証試験を完了し、2025年ごろまでに社会実装することを目指していく。

豊田通商 福島で国内初の水酸化リチウム工場竣工

豊田通商は11月16日、グループ会社の豊通リチウムが福島県楢葉町で建設を進めていた国内初の水酸化リチウムの製造工場が同日、竣工したと発表した。
水酸化リチウムは、車載向けリチウムイオンバッテリーの正極材の原料で、自動車の電動化が加速する中、バッテリー性能の工場に伴い、これまで以上に需要が見込まれ、安定供給が求められている。
同工場では炭酸リチウムを水酸化リチウムに加工する。生産能力は年間1万トンで、グループ会社の豊通マテリアルを通じ電池用途、工業用途を含め国内外のメーカーに販売する。

「大阪パビリオン」建設費 上振れ幅抑え99億円に

大阪府の吉村洋文知事は11月18日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で府と大阪市などが出展する「大阪パビリオン」の建設費が約99億円になる見通しと明らかにした。諸資材の値上がりなどにより、大阪パビリオンの建設費は当初の約73億円から膨らみ115億円へ上振れすると見込まれていた。だが、ガラス製の屋根をはじめ、建物のデザインや素材の見直しにより、上振れ幅を圧縮した。府・市などは11月下旬に工事事業者の竹中工務店と契約を結ぶ見通し。