IPEF閣僚がオンライン協議 23年2月に交渉官会合

米商務省は12月20日、米国が主導し日本、オーストラリア、インドなど14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚が、19日にオンラインで協議したと発表した。その結果、2023年2月8〜11日の日程で2回目の交渉官会合をインドで開催することを確認した。IPEFの初の交渉官会合はすでに12月中旬、オーストラリアで開かれ貿易分野を中心に協議が行われている。

自動運転レベル4 23年4/1施行 地域の巡回バス想定

政府は12月20日、特定の条件下で運転を完全に自動化する自動運転の「レべル4」の運行許可制度を盛り込んだ改正道路交通法を2023年4月1日に施行することを正式決定した。また、自動配送ロボットを運行する事業者の届け出制度も2023年4月1日に解禁することを決めた。
レベル4の運行許可制度は、人口減少が進む地域で遠隔監視のもと、特定のルートで走行する巡回バスなどを想定している。事業者らが地域で移動サービスを始める場合、都道府県公安委員会に運行計画を提出し、事前に許可を受けることを義務付ける。

SkyDrive 豊田市,足助病院と災害時医療で物流ドローン実証 

空飛ぶクルマおよび物流ドローンを開発するSkyDrive(本社:愛知県豊田市)は12月20日、JA愛知厚生連足助病院、豊田市と共同で、物流ドローン「SkyLift」を活用し、災害時に医療物資と食料品を空路で運搬する実証実験に成功したと発表した。
3者は19日、14時〜14時30分、地震が発生したとの想定のもと、豊田市足助支所から巴川対岸の香嵐渓広場まで約600mの飛行距離を5分10秒で飛行。医療物資(医薬品、医療材料)、食料品等約13kgを輸送、着陸し、これらの物資の荷下ろしを行った。

日産自・神鋼 低CO2高炉鋼材,アルミ板材を順次適用 

日産自動車(本社:横浜市西区)と神戸製鋼所(本社:神戸市中央区)は12月19日、2023年1月以降、神戸製鋼の低CO2高炉鋼材およびグリーンアルミニウム原料を用いたアルミ板材を、日産車へ順次適用していくと発表した。神戸製鋼の低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」の量産車への採用は初めて。

伊藤忠 UAEのEGA社と環境配慮型アルミ原料調達で合意

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は12月19日、世界最大級のアルミニウム製造会社、Emirates Global Aluminium(本社:アラブ首長国連邦、以下、EGA社)と、EGA社が太陽光由来の電力を用いて製造した環境配慮型のアルミニウム原料を、神戸製鋼所(本社:神戸市中央区)へ販売することで合意したと発表した。太陽光由来の電力で製造されたアルミニウムの調達は、日本初となる。
アルミニウムは、製錬過程で大量の電力を消費するため、輸送用機械、建設業界を中心にCO2排出が少ない電力で製造する環境配慮型のアルミニウム原料への関心が高まっている。

23年度予算 最大の114兆円 税収増見込むも国債で穴埋め

政府は2023年度予算案の一般会計総額を114兆円台前半とする調整に入った。2022年度当初予算と比べ6兆円以上(6%程度)増え、11年続けて過去最大を更新する。この主要因は6.8兆円と2割以上増える防衛費の増大。一方、この裏付けとなる歳入は、税収で最大の69.4兆円を見込むが、歳出増に追いつかない。このため、35兆円台半ばの国債を新たに発行して穴埋めする見通し。

日本の労働生産性 OECD38カ国中27位と過去最低

日本生産性本部が12月19日発表した2021年の労働生産性の国際比較によると、日本の1時間あたりの労働生産性は49.9ドルで経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中27位となった。これは比較可能な1970年以降、最も低い順位。
日本は、経済成長率は上昇したものの、新型コロナ禍からの経済正常化に伴い、労働時間が増えたことが生産性の下押しにつながったという。
1位はアイルランドで、139.2ドル、2位はルクセンブルクで119.2ドル。いずれも法人税率が低く、外資企業が数多く立地する。先進7カ国では米国の7位(85.0ドル)が最高だった。
労働生産性は、働く人が一定の時間内にどれだけモノやサービスを生み出したかを指標化したもの。

生物多様性条約COP15 環境保護30年までの世界目標

カナダ・モントリオールで開催中の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は12月19日、全体会議を開き、2030年までの世界目標を採択した。
このポイントは①陸・海の少なくとも30%以上を保全・管理地域とする②遺伝情報による利益を先進国企業と途上国で配分する仕組みを開発する③大企業や金融機関が環境負荷を開示し、情報提供する措置④世界の食料廃棄を半減し、過剰消費削減する⑤生態系を破壊する補助金を特定し、2030年までに年5,000億ドル以上削減する⑥先進国から途上国への資金拠出を2025年までに年200億ドル、2030年までに年300億ドルに増やすーの6点。

損保ジャパン ドローン「レベル4」解禁で保険新商品

SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパンは、改正航空法で有人地帯で目視せずにドローン(無人機)を飛ばせる「レベル4」飛行が解禁されたことに対応し、産業用ドローン保険を拡充した。従来の機体損壊にとどまらず、荷物の捜索・回収費用もカバーし、需要が見込まれる物流会社などへの販売を見込む。