少子化対策「こども未来戦略方針」正式決定 3年の加速化プラン

政府は6月13日、異次元の少子化対策の具体的な内容「こども未来戦略方針」を正式決定した。2030年に入るまでの6〜7年間は「少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」との認識で、今後3年間で取り組む政策を加速化プランとしてまとめた。
この主な政策は①児童手当の拡充②出産費用の保険適用の導入③「年収の壁」への対応で企業への支援強化④子育て世帯の住宅支援の強化⑤親の就労を問わず「こども誰でも通園制度(仮称)」を具体化するための保育士の配置基準の改善⑥両親とも育休取得で手取り引き上げ⑦時短勤務による賃金低下を補う給付⑧選択的週休3日制度の普及ーなど。
具体的には「児童手当」の所得制限を完全に撤廃し、現在「中学生まで」となっている給付の対象を「高校生まで」に広げる。また、第三子以降への給付については現在の1万5,000円を3万円に倍増する。2026年度をめどに、これまで一時金で支援してきた出産費用について、保険適用の導入を検討する。

「琵琶湖周航の歌」を時代を超えて歌い継ぐ音楽祭 滋賀・彦根市

滋賀県彦根市のホールで6月11日、100年以上前から伝わる、びわ湖の美しい情景を歌った「琵琶湖周航の歌」を今後も、時代を超えて歌い継いでいこうという音楽祭が開かれた。
同音楽祭にはおよそ1,200人が集まり、初めに地元の児童合唱団やコーラスグループなどが歌声や演奏を披露。このあと、かつて琵琶湖周航の歌をカバーし、ヒットさせた歌手の加藤登紀子さんが登場。ウクライナ支援のために作った曲などを披露した後、参加者と一緒に琵琶湖周航の歌を合唱した。
琵琶湖周航の歌は、100年以上前に、現在の京都大学のボート部の学生が作詞したとされ、びわ湖の穏やかで美しい情景を歌いあげている。

ALSOK インドネシアの人材派遣・警備業SOS社の50%超株式取得

綜合警備保障(ALSOK)は6月12日、人材派遣業や警備業を手掛けるインドネシアのPT.Shild-On Services Tbk(所在地:ジャカルタ、以下、SOS、シールド・オン・サービス社)の株式取得契約を締結したと発表した。ALSOKは東南アジアの人材派遣業や警備業の拡大を目指す。
9日に現地子会社PT.ALSOK BASS indonesia Security Services(以下、ALSOK BASS)を通じてSOSの大株主3社と株式取得契約を結んだ。6〜8月にかけて議決権ベースで51.23%の株式を取得する。SOSはインドネシア証券取引所に上場し、現地財閥シナルマス・グループを顧客に持つ。

TSMC 第2工場も熊本優先 用地取得方針 熊本に半導体集積群

半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、熊本菊陽町で建設中の工場に続き、日本国内で検討している第2工場も熊本を優先する考えを明らかにした。熊本ではTSMCのほか、ソニーグループも新たな大型工場建設に向けて用地取得する方針を示している。同地域では半導体事業の関連サプライヤーの集積も進んでおり、半導体工場集積群として熊本が大きく浮上してきた。

脱炭素へ次世代航空交通システムの試験飛行 米シアトルー成田で

国土交通省によると、飛行中のパイロットが地上の管制官などと相互にやり取りして、最適な経路を決め飛行する次世代の航空交通システムの試験飛行が初めて行われ6月12日、このシステム米国・シアトルを出発した便が成田に到着した。この試験飛行は11日から6日間かけて実施されている。
国交省によると、通常、飛行中の航空機が気象条件の変化などで経路を変更する場合、地上の管制官などの指示通り飛行するが、現場のパイロットが実際に遭遇している風速や風向きなどが加味されず、燃費や二酸化炭素(CO2)の排出量などで最適な経路を選べないという。今回の試験飛行はこうした現状を踏まえたもの。

レジ袋有料義務化でHDPE出荷量3年で3割弱減 エコバッグ定着

レジ袋の有料義務化が始まっておよそ3年。レジ袋の原料などになる高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムの国内出荷が減少してきている。日本ポリオレフィン工業組合(所在地:東京都中央区)のまとめによると、2022年の国内出荷量は12万1,702トンと、レジ袋の有料義務化前の2019年に比べ3割弱減少した。消費者の間でエコバッグが浸透、定着してきているためで、今後もHDPEの出荷量の漸減傾向が続くとみられる。

経産省 脱炭素へCO2地下貯留 国内外の7事業を重点支援

経済産業省と独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は6月13日、火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する技術について、国内外の計7プロジェクトを重点的に支援すると発表した。支援する事業は「CCS」と呼ばれ、国が掲げる2050年のカーボンニュートラル達成に必要とされる。
支援対象プロジェクトは、北海道電力、出光興産、ENEOSなどが進める国内5事業、マレーシア、オセアニア地域での海外輸送の2事業が選定された。政府は2030年までに年600万〜1,200万トンのCO2貯留を目標に掲げており、これら7事業の実現で年1,300万トン分が確保できるとみている。

万博機運醸成へ国内外で誘客取り組み強化 企業, 自治体にPR依頼

2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体、日本国際博覧会協会(万博協会)は6月12日、国内外で万博の機運醸成を図り、全国的に盛り上げていくことを話し合う委員会の初会合を開き、今後の行動計画を策定した。
会合には関西経済連合会(関経連)の松本正義会長はじめ、大阪府の吉村知事、大阪市の横山市長、全国の経済団体の代表らが出席した。今年10〜12月を重点機関と位置づけ、①全国の公共施設などで開幕までのカウントダウンを表示する②路線バスなどで万博のラッピング車両を走らせる③企業や自治体がSNSを通じて、PRイベントの開催など情報発信の協力を依頼するーなどを確認した。
このほか、全国での大阪・関西万博の認知度を2025年3〜5月には概ね100%とする目標値も掲げた。大阪府・市の万博推進局が2022年末に行ったアンケート調査では、府内の万博認知度は90.3%だったが、全国では82.2%にとどまっている。

大企業の4〜6月景況感 2四半期ぶりプラス 製造業マイナス続く

内閣府と財務省が6月13日発表した4〜6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数はプラス2.7と2四半期ぶりのプラスとなった。サービス業などが押し上げて非製造業がプラス4.1となった。一方、製造業はマイナス0.4と3四半期連続のマイナスとなった。