24年春卒大学生の「就活」解禁 企業の採用意欲高い

政府が決めたルールに基づく2024年春卒業予定の大学生の就職活動が、3月1日から企業による学生への説明会が始まり本格化した。
就職情報サイトの「マイナビ」が2月に全国の企業を対象に行った調査では、2024年春に卒業する大学生の採用人数を「増やす」と答えた企業の割合は、文系が前年より8ポイント余り高い27.7%、理系が7ポイント高い29.8%といずれも上昇している。増加は2年連続。コロナ禍からの経済回復に伴い、企業の採用意欲は一段と高まっている。
また、採用環境が「厳しくなる」と回答した企業の割合は、文系、理系ともに前年より大幅に増えほぼ半数に上っている。人材の獲得に向け実施したり検討している企業の取り組みとして「初任給の引き上げ」が59.2%、仕事の内容の明確化につながる「職種別採用の導入」が51.5%などとなっている。

ラピダス 北海道千歳市に最先端半導体新工場建設へ

トヨタ自動車、ソニーグループ、NTTなど8社が共同出資し、最先端半導体の国内生産を目指しているラピダス(本社:東京都千代田区)の小池淳義社長は2月28日、北海道庁を訪問、鈴木直道知事と面会し、千歳市の工業団地に量産拠点となる世界最高水準の新工場を建設することを決めたと伝えた。
同団地は新千歳空港に近く、近隣にはデンソーをはじめ自動車関連の産業集積、部品製造会社などが数多く進出しているほか、水資源にも恵まれている半導体産業にとって極めて良好な立地環境と判断した。
ラピダスはベルギーの国際的な研究機関、imec(アイメック)や米IBMとも提携。工場や研究拠点の整備を進める方針を示しているほか、国からも当初の設備整備として700億円の補助を受け、最終的に同プロジェクトに国は3,000億円筒度を投資する。今後量産に向けて5兆円規模の投資が必要になるとみられる。ラピダスは「2ナノ」と呼ばれる最先端の演算用半導体の量産を掲げている。

障害児事故死 大阪地裁 逸失利益 平均賃金の85%判決

大阪地裁が2月27日、障害児事故死の案件で、逸失利益を全労働者の平均賃金の「85%」とする、通常の60%より踏み込んだ判決を下した。これは大阪市生野区で2018年、重機にはねられて亡くなった聴覚支援商学部5年の女児(当時11)、井手安優香さんの遺族が、事故を起こした運転手らに約6,100万円の損害賠償を求めた訴訟。
武田瑞佳裁判長は、就労で得られたはずの「逸失利益」の算定に「全労働者の平均賃金の85%」を用いるべきだとして、約3,700万円の支払いを命じた。武田裁判長は事故で亡くなった安優香さんの学習状況などを個別に検討。他人と積極的に交流していたことを踏まえ、通常より一歩踏み込んだ判決を下した。
争点は逸失利益の算定方法で、運転手側は全労働者平均の6割にとどまる聴覚障害者の平均賃金が妥当だと主張していた。

日産自 26年度に欧州98%へ 世界で電動化加速

日産自動車(本社:横浜市西区)は2月27日、2026年度までに世界で電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車の販売比率を高めるとの方針を発表した。
2021年に公表していた電動車の販売比率を欧州では75%から98%まで高める。日本は55%から58%に上方修正した。一方、中国は40%としていたのを35%に引き下げた。米国の販売比率は2030年にEVのみで40%以上との従来見通しを維持する。この結果、世界全体の電動車の販売比率を従来の40%から44%に引き上げた。

JAXA 宇宙飛行士候補2人を発表 4,127人から選抜

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月28日、新たな宇宙飛行士の候補者として、13年ぶりに実施された宇宙飛行士の選抜試験に合格した2人を選んだと発表した。選ばれたのは世界銀行上級防災専門官の諏訪理(まこと)さん(46)と、日本赤十字医療センター外科医の米田あゆさん(28)。2人は過去最多の4,127人の応募者から選抜された。諏訪さんはこれまでで最年長の合格者。米田さんは女性では向井千秋さん(70)、山崎直子さん(52)に続く3人目で、正式に飛行士になれば現役最年少となる。

京都発スタートアップ団体発足 日米で支援 VCら

日米などの起業家らでつくる有志団体「イノベーターズ・パス」が2月27日、発足した。アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏がたびたび訪れていたことにちなみ、京都市西京区の西方寺で発足式が行われた。発足式には「イノベーターズ・パス」の創設メンバーやエマニュエル駐日大使ら関係者約20人が参加した。
同団体は主に京都府内に拠点を置くスタートアップ企業を、米国のベンチャーキャピタル(VC)関係者や起業家と引き合わせるなどして、その事業展開を後押しする。シリコンバレーの企業と情報交換したり、米国の投資家らへのプレゼンテーションなど、関係者との意見交換の場の設定などを、在日米国大使館が援助する予定。

22年出生数79.9万人 国の推計を11年早く80万人割れ

厚生労働省は2月28日、2022年の出生数(速報値)が前年比5.1%減の79万9,728人にとどまったと発表した。80万人割れは比較可能な1899年以降で初めて。また、国の人口推計より11年も早く80万人を割り込んだ。その結果、7年連続での過去最少の更新となった。
出産期にあたる世代の人口減少に加え、新型コロナウイルス禍での結婚や出産を控える人が増えたことが主要因として挙げられる。出産数の減少に歯止めをかけるため近年、結婚・出産・保育・子育てまで抜本的かつ切れ目のない環境の整備の必要性が指摘されながら、具現化できていないことをうかがわせる。

日本 カンボジアの上水道拡張支援を40億円に増額

日本政府は、カンボジアの地方都市、スヴァイリエンの上水道整備拡張に39億8,600万円を限度に無償資金協力する。これは同国でも給水普及率が低いスヴァイリエンで、取水施設、浄水場を建設し、導水管、送水管および配水管を敷設するため、2022年3月に27億8,600万円を限度とする無償資金協力することで交換公文に署名していたが、昨今の物価高騰を受け、建設諸資材が値上がりし資金が不足することから、今回追加贈与することになった。同国の首都プノンペンで2月24日、両国代表者の間でこの旨の交換公文の署名が行われた。

中国への水際対策 3月から緩和へ 松野官房長官

松野博一官房長官は2月27日、3月1日から中国からの渡航者への新型コロナウイルス対策を緩和すると発表した。2022年12月30日から入国者全員に義務付けていた検査について、一部を対象としたサンプル検査に切り替える。出国前72時間以内の陰性証明を提示すれば入国できるようにする。また、中国からの入国を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定していた措置も取りやめる。

トヨタ 1月の世界販売6%減の70万台 部品不足響く

トヨタ自動車が2月27日発表した1月の世界販売は、前年同月比6%減の70万台にとどまった。前年実績を下回るのは2カ月連続。主要市場の中国と北米で半導体など部品不足が響き、全体を押し下げた。一方、国内では新型コロナウイルス禍の影響を受けた前年の反道増で、前年実績を3カ月ぶりに上回った。
北米市場の販売は13%減の15万台、日本を除くアジア市場は12%減の21万台、中国は20%超減少した。