早稲田大学の研究チームは11月30日、従来700度以上が必要だった二酸化炭素(CO2)から一酸化炭素(CO)への化学的転換100度台という低温で実現可能にする新しい材料とプロセスを明らかにした。
研究グループはCO2+H2→CO+H2O の逆水性シフトを、150度程度の低温で高い反応率・高い選択性で進める新しい技術を検討。外部電場を印加した触媒反応がこの目的を実現し得ることを見出し、低温でより高い性能を実現し得る触媒並びにプロセスを探索してきた結果、ルテニウム金属微粒子をチタン酸ジルコニウムという安定な酸化物に担持した固体触媒が、このプロセスに非常に有効なことを見出した。
回収したCO2を原料として再生可能エネルギー由来の水素を利用して化学品などをつくり出すことができれば、CO2を循環利用することになり、化石資源消費を減らすことができる。今回明らかにした技術により、熱のロスを大幅に抑制しながら、再生可能エネルギーが余っているときに必要に応じてCO2を再資源化するプロセスが実現できる。
この研究成果は2022年11月29日(現地時間)にイギリス王位化学会の『EES Catalysis』のオンライン版で公開された。
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プラごみ条約制定へ 世界160カ国・地域が初会合
プラスチックごみ問題に特化した初の国際ルール制定に向け、国際交渉が本格化する。国連の環境計画(UNEP)の政府間交渉委員会の初会合が11月28日、ウルグアイ・プンタデルエステで開幕した。2024年までの条約案の取りまとめを目指して議論が進められる。
初会合は会場とオンラインのハイブリッド方式で、約160カ国・地域が参加。交渉委員会では世界6地域ごとに意見を集約する予定。UNEPの意思決定機関「国連環境総会」では今年3月、プラごみ汚染根絶に向けて条約を制定することを決めている。条約はプラごみの海洋流出防止にとどまらず、設計から廃棄までプラ製品の「ライフサイクル全体」を対象にした包括的な対策を盛り込むことを想定している。