インドネシアの50言語が消滅の危機 地方語重視を求める

インドネシアの50言語が消滅の危機 地方語重視を求める
 国際連合が定めた「国際母語の日」の2月21日を機に、インドネシアの専門家の間でいま社会、経済、文化活動の基盤としての言語の大切さに思いを巡らし、政府が学校教育で消滅の危機に瀕した地方語を重視するよう求める機運が高まりつつある。
 インドネシアには700を超える地方語があり、このうち50言語が消滅の危機にあるとみられている。バンドン工科大(ITB)のアセップ・イワン・サイディ教授(文化・言語論)は「政府は現行の教育課程(カリキュラム)で地方語の授業を地域文化科目(ムアタン・ローカル)に取り入れたが、不十分だ」と懸念を示している。インドネシア科学院(LIPI)によると、国内にある地方語746のうち、文字を使用し、継承しやすいのはジャワ語やスンダ語など9言語にとどまる。地方語の大半は東部インドネシア地域のもので、スラウェシで114、マルクで128、パプアで247あるという。
学校教育において、消滅の危機に瀕した地方語継承の抜本的な対策が求められる。

 

クルド山噴火で破損の住宅8657棟の修復へ1000億ルピア

クルド山噴火で破損の住宅8657棟の修復へ1000億ルピア
 東ジャワ州政府は2月23日、軍や警察の5890人を動員し、クルド山噴火で破損した近郊3県の住宅8657棟の修復作業を開始した。修復費用として1000億ルピアを手当てし、2週間以内でモスクなどの公共施設も修復する。国家災害対策庁(BNPB)は同日、帰宅許可で帰宅した避難者が7万8256人に達したと明らかにした。地元メディアが報じた。ピーク時には約10万人いた避難者は22日午後4時時点で1万人超に減少しているという。

4月の総選挙 政党支持率で闘争民主党のリード続く

4月の総選挙 政党支持率で闘争民主党のリード続く
 インドネシアにおける4月の総選挙を控え、オーストラリアの調査会社が1月に実施した世論調査によると、人気のジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事を擁する闘争民主党(PDIP)のリードが続いている。調査は全国34州の3131人を対象に行ったもの。
 2013年11月、同12月、14年1月の推移をみると、PDIPの支持率は29%、26%、27%で首位をキープ。2位のゴルカル党の21%、20%、20%との6~8ポイント差を保っている。ちなみに3位はグリンドラ党で12%、12%、14%、与党第1党の民主党は4位で14%、14%、11%と不振で、前2回の3位から4位に順位を落としている。
 大統領候補の支持率は、ジョコウィ知事が41%、38%、39%と安定、2位のグリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首を23~26ポイント引き離し、頭抜けた強さをみせている。

ジャワ島でまたも大規模な洪水、堤防決壊、冠水避難も

ジャワ島でまたも大規模な洪水、堤防決壊、冠水避難も
 インドネシアジャワ島で2月21日夜~22日にかけて降り続いた雨で首都圏はまたも洪水に見舞われ、西ジャワ州やバンテン州などでも大規模な洪水が発生、堤防が決壊。中部ジャワ州でも週末、降雨で河川が氾濫。冠水などによる被害が広がり、ジャカルタ特別州を合わせて7000人規模の避難者も出た。地元紙が報じた。
 1月の洪水では、ジャカルタ特別州内で9万人が避難する洪水禍となったが、今季の雨期は今回の雨で終わりそうにない。気象地理物理庁(BMKG)は3月にもまた大雨が降ると予想、市民に警戒を呼び掛けている。
 洪水頻発地域の東ジャカルタ・カンプンムラユではチリウン川は氾濫し、最高3㍍冠水、6000人が避難したという。南ジャカルタや西ジャカルタの大半の地域では1㍍以上冠水するなど、ジャカルタ全域で被害が広がった。南ジャカルタで冠水した道路と池との境目が分からなくなり、2人が池に落ち溺死した。
 23日には上流で降った大雨の影響でバンテン州タンゲランや南タンゲランで水が引かず、30~170㌢冠水。ブカシ川の堤防が決壊し、西ジャワ州ブカシのポンドック・グデ・プルマイでは3㍍冠水した。この洪水により主要道路や鉄道などの交通機関にも影響が相次いだ。

ボランティアによる捜索も終了 バリ島ダイビング事故

ボランティアによる捜索も終了 バリ島ダイビング事故
 インドネシアバリ島沖でスキューバダイビング中の日本人女性7人が行方不明になった事故で、唯一まだ行方が分かっていないバリ在住のインストラクター高橋祥子さん(35)の、日本人ダイバーらボランティアによる捜索も2月21日で終了したが、安否につながる情報は得られなかった。日本の複数の映像メディアが報じた。
 また、亡くなった宮田律子さん(59)の遺体が21日、現地で荼毘(だび)に付された。なお、救助された山本栄美さん(33)、森園彩さん(27)、冨田奈穂美さん(28)、吉留温美さん(29)の4人は21日朝、家族に付き添われ関西国際空港に帰国した。

バリ島沖行方不明者の有志による最後の捜索始まる

バリ島沖行方不明者の有志による最後の捜索始まる
 インドネシアバリ島沖でスキューバダイビングをしていた日本人女性7人が行方不明となった事故で、いまだに行方が分かっていない高橋祥子さん(35)の最後の捜索が2月21日始まった。地元の救難当局による捜索は20日打ち切られているが、日本人ダイバーらボランティアは早朝、ボートで最後の捜索に入っている。地元メディアが報じた

バリ島沖ダイビング事故で船長を拘束 捜索は打ち切り

バリ島沖ダイビング事故で船長を拘束 捜索は打ち切り
 インドネシアバリ島沖でスキューバダイビング中の日本人女性7人が行方不明になり、そのうち1人が遺体で見つかった事故で、インドネシア警察は2月20日、女性らが利用した船の船長を業務上過失致死容疑で身柄を拘束した。バリ水上警察によると、船長の拘束は、ダイビング中の女性らを海上に置き去りにした容疑。なお、いぜん行方不明となっているバリ在住のインストラクター高橋祥子さん(35)の捜索は、手掛かりがつかめず、同日、地元当局による救難チーム編成の捜索は打ち切られた。

煙霧発生の野焼き容疑で農業従事者12人逮捕 リアウ州警

煙霧発生の野焼き容疑で農業従事者12人逮捕 リアウ州警
 インドネシアスマトラ島のリアウ州警察は2月20日までに、州内の農業従事者12人を森林法違反容疑で逮捕した。
法律で禁止されている煙霧発生の原因となる野焼きを行ったというもの。逮捕されたのは10~50代の農業従事者だ。地元紙が報じた。

「駐豪大使の再派遣は当面ない」マルティ外相が明言

「駐豪大使の再派遣は当面ない」マルティ外相が明言
 インドネシアのマルティ外相は2月18日、オーストラリア(豪州)の情報機関による盗聴問題発覚を機に帰国したナジブ・リファト・クスマ駐豪大使について、当面再派遣しない方針を明らかにした。これは、同外相が国会第1委員会(外交など担当)の質問に答えたもの。
 インドネシア・豪州の関係修復の条件として、両国関係を律する「行動規範」の策定を示しているが、同外相は「行動規範の議論を再開する前に、豪州はインドネシアの信頼を取り戻さなければならないだろう」と指摘。関係正常化にはまだ時間を要するとの見方を示した。

噴火のクルド山山麓の集落を今度は土石流が直撃か

噴火のクルド山山麓の集落を今度は土石流が直撃か
 先に噴火したインドネシア東ジャワ州クルド山(標高1731㍍)山麓の集落を、今度は降雨により土石流が発生し山麓の河川が氾濫し、流域の集落を直撃しそうな事態となっている。
 火山地質災害対策局(PVMBG)によると、火口から出た灰や岩、溶岩などの噴出量は計1億500立方㍍。このうち3000立方㍍が山麓に堆積したとみられる。噴火後、クルド山周辺では繰り返し雨が降り、2月18日夜、クディリ県クプンのコント川が氾濫してモスクや家屋数軒を直撃。一帯は1㍍ほど土砂で埋もれたという。幸いけが人はなかったが、クディリ県とマラン県を結ぶ橋が土砂で寸断された。
 今後の降雨量次第だが、土石流がクルド山南西部を源流とする6本の川に流れ込み、流域の集落を襲う可能性が高まっているという。クルド山山頂から半径10㌔以内の住民に対する避難勧告は引き続き出されたままだが、噴火が小康状態にあることと、ストレスの多い避難生活の長期化に伴い、帰宅する住民が相次いでいる。国家災害対策庁(BNPB)は、二次災害に警戒するよう流域住民に呼び掛けている。