スナヤンの露天商一掃はジャカルタ州の強硬策が奏功か

スナヤンの露天商一掃はジャカルタ州の強硬策が奏功か
 地元紙によると、中央ジャカルタ・スナヤンのブンカルノ競技場沿いの歩道と公道で営業している露天商に対し、ジャカルタ特別州のアホック副知事が8月19日、「撤去されたくなければ、2㍍後退してほしい」と圧力をかけたところ、その翌日の20日、タナアバンの強制撤去の二の舞を恐れた露天商らがすぐに歩道部分を自主的に撤収したという。
 アホック副知事は、露天商などが競技場の南側公道500㍍で頻発する渋滞の原因として”やり玉”に挙げ、歩行者の通行を妨げているとしている。ジャカルタ特別州の露天商一掃に向けた対策はタナアバンのほか、いずれも渋滞頻発地域の東ジャカルタ・ジャテヌガラ、南ジャカルタの・パサールミングなどでも強行されている。

ジャカルタの来年の最賃 労組は67%増要求 経営側「到底ムリ」

ジャカルタの来年の最賃 労組は67%増要求 経営側「到底ムリ」
 ジャカルタの複数の労組連合で構成されるジャカルタ労働者フォーラムは8月20日、来年の最低賃金について、今年の221万ルピアから67%増の370万ルピアへ引き上げるよう求めるとの方針を明らかにした。この引き上げ率は、6月に実施された補助金燃料値上げによる物価上昇と購買力の低下の影響を基に算出したものだ。
 一方、経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は「到底受け入れられない」と拒否。とりわけ「労働集約型の企業では倒産が続出する。今年ジャカルタでは最低賃金が40%上がっており、企業は来年の賃上げに耐えられない」と労組側の最低賃金の2年連続の高額要求方針を批判した。
 最低賃金の想定外の引き上げは外資系企業にも影響を与える。最近では北ジャカルタのヌサンタラ保税地区(KBN)に入居する韓国企業4社が、賃上げによる労働コストの増大を理由に撤退を決め、計約1000人の従業員が職を失っている。

密航者対策で連携へ 13カ国の外相らが「ジャカルタ宣言」

密航者対策で連携へ 13カ国の外相らが「ジャカルタ宣言」
 難民はじめ密航者対策についてインドネシアや豪州近隣、南アジアの13カ国の外相らが地域的な取り組みを協議する会合が8月21日、中央ジャカルタの外務省であり、密航者の出身国や経由、目的地の国が連帯し、発生防止や取り締まりに責任を負うとする「ジャカルタ宣言」を採択した。
 この会合はユドヨノ大統領が開催を提唱、豪州、アフガニスタン、ミャンマー、バングラデシュ、タイ、マレーシアなどの代表者らが出席した。ただ、この地域で最大の難民発生国とされるイランは呼び掛けに応じなかった。
 ジャカルタ宣言では、密航は移動経路が複雑で多層な問題として関係国が連帯して責任を負う必要性を確認。密航者の警戒活動のほか、難民が発生するような国内状況の改善で、国を跨いだ連携を強化する。入国管理当局や航空関係者の情報共有、国際的な保護が必要ないと判断された入国者に対し、自主的な帰国を促すしくみづくりなどを進める。
ただ、このジャカルタ宣言に拘束力はない。

 

インドネシア西ジャワ州でバス事故 19人死亡、40人がけが

インドネシア西ジャワ州でバス事故 19人死亡、40人がけが
 AP通信などによると、インドネシアの西ジャワ州で8月21日、およそ60人の乗客を乗せたバスが小型車と衝突し、両車両とも道路わきを流れる、およそ8㍍下の川に転落した。この事故で少なくとも19人が死亡、40人がけがをした。地元警察はバスのブレーキの不具合が、事故の原因としている。バスは首都ジャカルタにある教会の信者らが乗っていて、観光地でピクニックをした後、ジャカルタへ戻る途中だったという。

中央ジャカルタでエジプト情勢に1000人超の抗議のデモ

中央ジャカルタでエジプト情勢に1000人超の抗議のデモ
 地元紙によると、インドネシア・中央ジャカルタのHI(ホテル・インドネシア)前ロータリーやエジプト大使館前に8月19日、1000人超が集まり、エジプト暫定政府の軍による実力行使に抗議した。抗議デモには数千人が参加したとみられ、モルシ前大統領と治安部隊の衝突により、これまで900人以上に上る犠牲者を出したエジプト暫定政府を非難し、モルシ派への弾圧をやめるよう求めた。インドネシア政府にも実力行使に対し、明確な反対の姿勢を示すよう促した。

国内すべての刑務所が超過密で暴動発生の危機的状況

国内すべての刑務所が超過密で暴動発生の危機的状況
 インドネシア北スマトラ州バトゥバラ県のラブハン・ルク刑務所で8月18日、多数の受刑者らが刑務所に火を放ち脱走するという暴動が起こった。今回の暴動発生の要因について、レバラン(断食明け大祭)恩赦での差別に抗議したものとの見方もあったが、アミル・シャムスディン法務人権相は19日、最大の要因は「施設の超過密状態への不満にある」との見方を示した。そして、同相は国内すべての刑務所で、同様の暴動が起き得る危機的状況にあるとの認識を表明、警察と国軍に警備を要請した。
 ラブハン・ルク刑務所には当初、定員300人の3倍近くの受刑者564人、勾留者303人の計867人が収容されていた。暴動が起こる前日の17日にも他の刑務所から49人が移されていた。法務人権省の昨年のまとめによると、国内600の刑務所、拘置所の定員10万2466人に対し、約1.5倍の15万2071人を収容。首都圏では定員880人の中央ジャカルタ・サレンバ刑務所に2592人、同572人のバンテン州タンゲラン刑務所に1917人と、どこも過密状態にある。
 今回のラブハン・ルク刑務所の暴動で当初、約30人が逃亡したとされていたが、法務人権省のその後の調べで約100人が逃亡していたことが20日分かった。同日までに34人が捕まったが、麻薬や殺人の罪で服役中だった受刑者らがまだ逃亡を続けている。

赤タマネギなど食品価格高止まり 牛肉にカルテル疑惑

赤タマネギなど食品価格高止まり 牛肉にカルテル疑惑
 インドネシアで、需要が増大するラマダン(断食月)が過ぎたにもかかわらず、野菜、果物、牛肉など食品価格が沈静化せず、高止まりの状態が続いている。この間、ラマダンと燃料値上げでインフレ圧力が高まり、政府は価格抑制のため輸入を増やすなどの対策を講じたが、まだ効果は表れていない。
 高止まりしているのはバワン・メラ(小さい赤タマネギ)、トウガラシ、牛肉など。これらインドネシア料理に欠かせない生鮮品が各地で普段の2倍ほどの価格で高止まりしている。牛肉については政府は7月、1㌔当たり7万5000ルピア以下にすることを目標に豪州から冷凍牛肉3000㌧を追加輸入する措置などを取ったが、末端価格は現在、1㌔当たり10万~13万ルピアの高水準にある。こうした高止まりを受けて、輸入業者のカルテル疑惑が浮上しており、事業競争監視委員会(KPPU)が調査に乗り出している。

在外インドネシア人の知見結集を 3000人が参加し会議

在外インドネシア人の知見結集を 3000人が参加し会議
 世界各地に散らばるインドネシア人の知見を結集し、国家の発展に役立てようと、ジャカルタで8月18日から20日まで第2回在外インドネシア人会議(KPI)が開かれている。国内外のインドネシア人の交流拡大を目指す団体、インドネシア・ディアスポラ・ネットワーク(IDN)と外務省が企画したもの。
 世界各地で活躍する在外インドネシア人や政府関係者、元留学経験者ら約3000人が参加。中央ジャカルタ・スナヤンのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)の会場では連日、教育や在外インドネシア人労働者、エネルギー・移民・国籍など在外インドネシア人に関連した11のテーマで分科会が開かれ、熱い討議が繰り広げられた。
 19日にはユドヨノ大統領が来場し、開会を宣言。IDNの各国支部の代表のほか、マリ・パンゲストゥ観光創造経済相など閣僚や各国のインドネシア大使、実業家らもパネリストとして多数出席した。会期中には海外でのインドネシア文化紹介や在外インドネシア人起業家の役割など、9つのテーマに関する公開討論会も開催された。
 IDNは昨年7月、米ロサンゼルスでの第1回KDIで設立を決定。現在は米国や豪州、マレーシアなど世界26カ国に支部がある。

移転受け入れの露天商が州に売春地帯の撤去を要求

移転受け入れの露天商が州に売春地帯の撤去を要求
 中央ジャカルタ・タナアバンの露天商を巡る問題は一応落着したが、今度は移転を受け入れた露天商が、移転先の州営市場「ブロックG」付近にある売春地帯「ボンカラン」を撤去するよう州政府に求めたことで、波紋が広がっている。露天商はボンカランがあることで、ブロックGへの一般消費者の客足を削ぎ、入居後に不利益を被るのは間違いないと主張している。
 ただ、州政府はボンカランは強制撤去の対象にはしていない。ボンカランは1980年代から続いている場所で、様々な人たちの複雑な利害関係がからんだ部分もあり、州政府も容易に短編急な決断は下せない部分もあるといわれ、根本的な解決には関係者との粘り強い交渉、調整が求められる。それだけに、当面、露天商たちが求める回答を得ることは難しそうだ。

レバラン後のジャカルタ流入者は550万人 運輸省予測

レバラン後のジャカルタ流入者は550万人 運輸省予測
 インドネシア運輸省はこのほど、レバラン(断食明け大祭)後のジャカルタ流入者は、帰省した460万人に加え、新規の50万~100万人が各地から流入したとみられ、計約550万人に上るとの予測を明らかにした。レバラン後は例年、帰省者がジャカルタに行けば仕事があるなどとして、故郷で親戚や友人を誘い、仕事探しにやってくる流入者が後を絶たない。
 今年はとりわけジャカルタへの新規流入者にとって、心理的に気持ちを軽くしている側面もある。それはジャカルタ特別州のジョコウィ知事が、今年はレバラン後の流入者に対し、例年恒例となっていた摘発を実施しない方針を示しているからだ。従来はジャカルタ州政府発行の住民登録証(KTP)を所持していない地方出身者を対象に摘発していた。ところが、今年は州政府の方針で、路上で生活したり、違法行為をしなければ摘発されるようなことはないという。