通年780万台視野に 二輪車市場の回復一段と鮮明に

通年780万台視野に 二輪車市場の回復一段と鮮明に
 インドネシアの二輪車市場の回復基調が一段と鮮明になってきた。二輪車製造業者協会(AISI)によると、1~11月の販売台数(出荷ベース、輸出除く)は前年同期比9%増の719万2596台となり、2012年通期の706万4585台を13万台近く上回った。この間、11月まで9カ月連続で前年同月を超え、昨年6月に導入された車両ローンの頭金規制の影響を脱したとみられる。通年では780万台近くまで販売が伸びる見込みだ。こうした状況にあるため、業界関係者からは14年は、過去最高だった11年の801万台を超えるとの見通しを口にする人もいるほど。
 1~11月の販売状況をメーカー別にみると、ホンダが前年同期比15%増の435万4163台、ヤマハが同2%増の232万8990台で、2社で全体の93%を占めた。通年の販売台数について、ホンダは目標の450万台を超える460万台後半が可能とみている。ヤマハは、ジャワ島外での販売が期待通りに伸びなかったため、目標の255万台にはわずかに届かない見込みだ。

繊維業界の設備投資 2014年はルピア安で1/5に減少か

繊維業界の設備投資 2014年はルピア安で1/5に減少か
 インドネシアの繊維業者協会(API)は、加盟各社による2014年の総設備投資額は、今年の5分の1程度に落ち込むとの見通しを明らかにした。通貨ルピア安が続き、各社が設備更新など生産機械の輸入を控えるためだ。これにより、海外からの受注に影響を与えることが懸念される。地元紙が報じた。
 同協会によると、今年の繊維業界全体の土地、建物代を除いた設備投資の総額は1兆5000億ルピア(約128億円)となる見込み。しかし、14年はルピア安が続く見込みのため3000億~4000億ルピアにとどまると予測している。同協会のアデ会長は、各社は為替相場が1米ドル=1万ルピア水準で安定するまで、設備投資計画を先延ばしするだろうと指摘。総選挙前の3月の状況をみて、14年の投資計画を決めるとの見方をしている。今年の繊維品の輸出総額は、前年比5%増の130億米㌦(約1兆3400億円)となり目標を達成する見込みだ。

岡島パイプ製作所が豊田通商と西ジャワ州で生産拠点

岡島パイプ製作所が豊田通商と西ジャワ州で生産拠点
 岡島パイプ製作所(愛知県東海市)は12月10日、豊田通商とインドネシア西ジャワ州に生産拠点を設立し、自動車部品、小径薄肉精密電縫管を製造・販売すると発表した。現地法人PT Top Tube Indonesia を設立し、2014年11月から操業開始する予定。岡島パイプ製作所が海外に生産拠点を設置するのは、タイに次いで2カ国目。
 新会社の資本金は1200万米㌦(約12億円)。出資比率は岡島パイプ製作所が53%、同社のタイ関連会社Top Tube Manufacturing が37%、豊田通商が8%、豊田通商インドネシアが2%。工場は西ジャワ州カラワン県ミトラ・カラワン(KIM)工業団地に建設する。自動車産業中心に高まる原材料・部品の現地調達率の引き上げニーズに応える。

川崎重工 14年の二輪車の販売目標は3割増の20万台

川崎重工 14年の二輪車の販売目標は3割増の20万台
 川崎重工業は、インドネシアにおける2014年の二輪車販売台数を、今年の販売見込みの3割増となる20万台に引き上げる計画だ。14年1月に西ジャワ州で新工場を稼働させ供給能力を8割拡大させるほか、新車種を投入して、目標達成を狙う。NNA.ASIAが報じた。
 二輪車製造・販売の現地法人、カワサキ・モーター・インドネシア(KMI)によると、1~11月の二輪新車販売台数(出荷ベース)は前年同期比18%増の13万3756台で、通年では過去最高だった昨年の12万3431台から3万台近く多い15万台となる見込みだ。KMIでは現在、需要に生産が追い付いていない状況にあり、現地生産するエンジン排気量150ccのスポーツモデル「ニンジャ150」など人気車種では約2カ月の納車待ちとなっている-としている。
 新工場は西ジャワ州ブカシのMM2100の工業団地内で、8000億ルピア(約68億円)を投じて建設中で、まもなく稼働する。敷地面積は15万平方㍍で、第1期では敷地の半分に工場建屋を建設。年産能力は14万台とする。東ジャカルタの既存工場の年産能力は10万台だが、一部の生産設備を新工場に移設するため、14年は4万台程度に落とす。14年は2工場で計18万台体制とする。販売目標の達成に向け、輸入車を含め新型8車種を投入するほか、販売店数を現在の300店から増やす予定。

アサハン・アルミ合弁売却交渉 遂に約570億円で合意

アサハン・アルミ合弁売却交渉 遂に約570億円で合意
 インドネシアスマトラ島のアルミ製錬事業「アサハン・プロジェクト」の合弁会社の株式売却交渉で、12月9日、インドネシア政府が株式100%を取得することで双方が合意した。日本側は10月に売却条件を不服として、国際調停機関に仲裁を求める方針を示していたが、争いは回避された。 
 日本とインドネシアの共同アルミ製錬事業「アサハン・プロジェクト」の合弁会社インドネシア・アサハン・アルミニウム(イナルム)の株式は、日本協力機構(JICA)と住友化学など11社か出資する日本アサハンアルミニウム(NAA)が58.88%、インドネシア政府が41.12%を保有。今年10月31日の30年間の両者の合弁契約終了を前に、インドネシア政府は日本側の持ち分をすべて取得し、国有化する考えを示したが、イナルムの資産価値=株式の評価額を巡り、双方の主張が食い違い、交渉は難航。日本側が売却条件を不服とし、世界銀行の調停機関、投資紛争解決国際センター(ICSID)に仲裁を求める方針をインドネシア政府に伝えていた。
 今回の合意に伴い、NAAの岡本敬彦社長が合弁を解消する契約を締結。30年の歴史に幕を閉じた。地元各紙(電子版)によると、ヒダヤット産業相は契約調印から5日以内にNAAへ、イナルム株の代金として5億5670万米㌦(約574億円)を支払うと説明した。

2014年のエビ生産量は2割増の18万㌧ 生産業者が見通し

2014年のエビ生産量は2割増の18万㌧ 生産業者が見通し
 エビの生産業者が加盟するインドネシア・シュリンプ・クラブのイワン会長は、2014年の会員企業によるエビの生産量が、今年見込みの15万㌧の2割増の18万㌧に拡大するとの見通しを示した。地元のニュースサイトが報じた。タイやベトナム、中国などのエビの主要産地で「早期死亡症候群(EMS)」と呼ばれる病害が蔓延する中、この病害の感染が広がっていないインドネシアは、輸出の好機と捉えている。
 同クラブの会員企業の今年の生産量15万㌧(見込み)のうち、9割は輸出向けだ。東ジャワ州では、これまで休眠していた養殖場の操業をすべて再開していることもあり、2014年は2割程度増えるとの見立てだ。
 政府は今年の国内全体のエビ生産量の目標を60万㌧に設定。2014年は約17%増の69万9000㌧と見込んでいる。種類別の内訳は「バナメイエビ」が51万1000㌧、「ブラックタイガー」が18万8000㌧だ。

2014年の国内繊維販売額は今年並みの70兆ルピアの見込み

2014年の国内繊維販売額は今年並みの70兆ルピアの見込み
 地元紙によると、インドネシア繊維業者協会(API)は、2014年の国内繊維販売額は70兆ルピア(約6000億円)水準にとどまるとの見通しを明らかにした。消費者の購買力が減退する一方で、ルピア安で価格調整は避けられないため、販売量ベースでは5%程度減少するとみている。ルピア安により原料価格が高騰しているため生産コストが上昇。販売価格の引き上げに踏み切らざるを得ないが、景気が減速し消費者が衣料よりも食費をはじめ生活必需品への支出を優先させれば、販売量の落ち込みは避けられないとみられる。

歯止め掛からないルピア安で米ドル建て物流コスト上昇

歯止め掛からないルピア安で米ドル建て物流コスト上昇
 地元紙によると、通貨ルピア安で米ドル建て払いの物流コストが上昇、政府は新たな対応が急がれる事態となっている。インドネシア物流協会(ALI)によると、歯止めが掛からないルピア安により、米ドル建て払いの港湾サービス料金や、輸入品が多い車両の交換部品の価格に直接影響しているためだ。同協会では、ルピア安の進行で港湾でのコストが1割ほど上昇したと指摘。物流コスト全体に占める港湾サービスの割合は3~5%だが、コスト上昇を防ぐために、政府が料金のルピア建てを義務付けるべきだと主張している。

 

キャセイ航空が賃金4.5%引き上げで労働組合と合意

キャセイ航空が賃金4.5%引き上げで労働組合と合意
 キャセイパシフィック航空は12月5日、香港ベースの9割以上の従業員に対し、2014年は平均4.5%の賃金引上げを実施すると発表した。今年の賃上げ幅平均の2.25倍に当たる。また賃金1カ月分に相当する年末ボーナスを今月支給する。賃上げの対象は、所定の条件を満たす客室乗務員(CA)と地上係員。キャセイ航空は、職位が高い従業員ほど賃上げ率も高くなるよう設定したと説明している。
 同社のCAの労組、キャセイパシフィック航空客室乗務労働組合(CPAFAU)は11月26日から7.5%の賃上げや、現行55歳の定年の65歳への延長など4点を会社側に要求していた。

新車販売 11月も10万台超え3カ月連続に エコカー牽引

新車販売 11月も10万台超え3カ月連続に エコカー牽引
  インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)がまとめた11月の新車販売台数(出荷ベース、速報値)によると、10万台を超え、3カ月連続の10万台超えとなった。インドネシア版小型エコカー、LCGCを販売するトヨタ、ダイハツ、ホンダ、スズキの4社の販売が好調だった。この結果、1~11月累計では112万台超となり、過去最高だった昨年通期の111万6000台を上回った。これにより、通年では120万台に落ち着く見通しとなった。
 トヨタ・アストラ・モーター(TAM)によると、11月の販売台数(速報値)は約4万1000台で、月間で過去最高だった今年9月の4万235台を上回った。LCGC「アギア」の販売は6500台に伸びた。ダイハツは前年同月比16%増の1万7039台で2位。アストラ・ダイハツ・モーターによると、LCGC「アイラ」は前月比8%増の5098だった。スズキはLCGC「カムリン ワゴンR」などで前年同月比4%増の1万5000台。主要メーカーで伸び率が最大だったのは、10月末にLCGC「ブリオ・サティヤ」を発売したホンダで、前年同月比4割増の1万779台だった。