シャープ 西ジャワ州の新工場を前倒し9~10月に稼働
シャープは海外事業の伸びを牽引する重点強化策の一環として、ジャカルタ近郊の西ジャワ州カラワン工業団地(KIIC)に建設中の冷蔵庫と洗濯機の新工場を、当初予定から前倒しして今年9~10月の稼働させる。既存の東ジャカルタ・プロガドゥン工場と合わせた月産能力は冷蔵庫が22万台、洗濯機が14万台となる。
同社は、15年のインドネシアの家電普及率を、冷蔵庫が12年比で15ポイント上昇の55%、洗濯機が15ポイント上昇の32%、エアコンが7ポイント上昇の23%、テレビが3ポイント上昇の90%と見込んでいる。同社の昨年の製品別シェアは、冷蔵庫が36%、洗濯機が30%、テレビが30%でそれぞれ首位。エアコンは20%で2位だった。
同社が5月14日に発表した中期経営計画によると、16年3月期の売上高を3兆円、純利益を800億円に引き上げる目標を打ち出している。
インドネシア中心にASEANを最重点地域に シャープ
インドネシア中心にASEANを最重点地域に シャープ
シャープは、インドネシアを中心とする東南アジア諸国連合(ASEAN)を最重点地域として販促を強化し、グループの成長を目指す。それによって、2016年3月期の海外売上高に占めるアジア太平洋地域(中国、台湾を除く)の割合を、13年3月期の21%から10%増の31%へ引き上げ、地域別で首位になると見込んでいる。インドネシアで確立した地産地消モデルの向上と、他国への導入を推進することで大幅な増収を達成する考え。これに伴い、前期に海外売上高のうち38%を占めた北米は29%に低下する。
13年3月期連結決算は、売上高が前期比0.9%増の2兆4786億円だった。国内販売が14.7%減の1兆73億円と低迷した一方で、海外が15.4%増の1兆4713億円に拡大。海外売上高比率は約6割の高まり、今後も伸びを牽引していく見通しだ。
首都の投資許認可の簡素化を BKPM長官が知事に要請
首都の投資許認可の簡素化を BKPM長官が知事に要請
インドネシア投資調整庁(BKPM)のハティブ・バスリ長官は5月14日、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事と会談、首都における投資許認可手続きの簡素化を要請した。知事は、手続きを一括して管轄するための機関を設置する意向を表明。市長時代に中部ジャワ州ソロで断行した行政改革をジャカルタでも再現し、手続きに要する期間を26日まで短縮するとの意向を示した。
知事は来週から許認可手続きの簡素化に着手し、営業許可証(SIUP)、会社登記(TDP)などを管轄する機関を設置し、投資許認可を一カ所で完了できるワンルーフサービス制度を導入する方針を表明。会社登記は1日以内、建設許可(IMB)は7日以内に出すよう制限する。
KYBなどがブカシ県で建機部品の共同出資会社設立
KYBなどがブカシ県で建機部品の共同出資会社設立
KYB㈱(東京都港区)と伊藤忠丸紅鉄鋼㈱(東京都中央区)は5月15日、インドネシア西ジャワ州ブカシ県に10月、ショベル用油圧シリンダーを製造販売する共同出資会社を設立すると発表した。今後、堅調な需要が見込まれるインドネシアをはじめとするASEAN(東南アジア諸国連合)域内で現地生産することで建機メーカーに応えるとともに、伊藤忠丸紅鉄鋼が持つ調達、現地オペレーションのノウハウを活用、より製品の競争力を高めていくのが狙い。
設立する新会社は「PT KYB HYDRAULICS MANUFACTURING INDONESIA」、資本金は1500万米㌦(約15億円)で出資比率はKYB75%、伊藤忠丸紅鉄鋼25%。2014年11月に生産開始する予定。2015年に年間30億円の売上高を目指す。総投資額は2億6300万米㌦(約26億3000万円)。敷地面積は5万平方㍍、建物面積は1万平方㍍。
ルミナが西ジャワ州ブカシに自動車部品の子会社設立
ルミナが西ジャワ州ブカシに自動車部品の子会社設立
精密金属加工のルミナ(東京都品川区)は、現地企業との合弁で自動車部品の販売子会社「トウキョウ・ルミナ・インドネシア」をジャカルタ近郊の西ジャワ州ブカシ県MM2100工業団地内に設立した。初期投資額は3000万円で、現地提携先の工場に技術を供与。6月から委託生産を開始し、月間売上高2000万円を目指す。主に商用車向けの精密切削加工部品や組立生産の燃料系センサーなどを扱う。そして、2年後をメドに自社工場を設置し、年間約5億円の売上高を目指す。
ルミナの現在の日本国内の売上高は15億円。供給先メーカーが海外での現地生産を推進しており、これに呼応して同社も海外の新拠点を設置、販路開拓することで成長を図るのが狙い。
ガルーダ航空 1~3月期の赤字幅が前年同期の3倍に
ガルーダ航空 1~3月期の赤字幅が前年同期の3倍に
地元紙によると、インドネシアの国営航空会社、ガルーダ・インドネシア航空の1~3月期は乗客数が前年同期比20.7%増の540万人、売上高が同12.5%増の8072万㌦(約81億9600万円)だったものの、最終損益は3370万㌦の赤字となり、赤字幅が前年同期の1072万㌦から3倍に膨らんだ。
同社によると、1~3月期は国内、国際線の合計便数を昨年の3万5817便から4万4224便に増やしたが、1月の座席搭乗率が63.7%と前年同月比で13.7ポイント低下し、単月の赤字額が1800万㌦となったのが響いた。増便による経費増を客数の増加分で吸収する目算が外れたわけだ。ただ、2、3月の搭乗率は持ち直したとし、4月以降の巻き返しを見込んでいる。
インドネシア「エコカー」政策不発で痛手被るトヨタ・ダイハツ
インドネシア「エコカー」政策不発で痛手被るトヨタ・ダイハツ
インドネシア政府が導入するエコカープログラム「ローコスト・グリーンカー(LCGC)」政策に合わせて、その適用車の生産に充てられるはずだったダイハツ工業の西ジャワ州の新工場が、同国の政策決定が当初予定より1年以上も遅れているため開店休業の状態にあるなど、トヨタ・ダイハツ連合が痛手を被っている。
ダイハツと親会社のトヨタ自動車はかねてより、現地政府と事前折衝を重ね、競合他社に先駆けてLCGCの対象条件を絞り込み、1億ルピア(約100万円)を切る低価格、低燃費、部材の高い現地調達率の3条件を満たしたエコカーを内定。新工場ではダイハツブランド「アイラ」、トヨタブランド「アギア」を生産し、トヨタ・ダイハツ連合は、LCGC適用第1号としてスタートダッシュをかけるはずだった。
今回のLCGC政策にかけ、2年以上も前に約210億円の投資を伴う工場建設を決めて、インドネシア初の専用エコカーを誕生させる準備を進めてきていたのだ。そもそもトヨタ・ダイハツ連合のインドネシア市場に対する思い入れは強い。競合他社のようにアジア共通車をインドネシア仕様に合わせて水兵展開するのではなく、現地ニーズを汲んだインドネシア専用車を投入してきた。その姿勢が市場に受け入れられ、2012年度のシェアはトヨタ35.4%、ダイハツ14.6%となり、両社で同国の市場の半分を握っている。
こうした延長線上でのエコカー戦略だったが、政策不発による痛手は大きい。政策決定遅延の理由はインドネシア政府の財源不足に尽きると指摘されているだけに、容易に財源手当にメドがつくとは考えにくく、局面打開にはかなり時間がかかりそうだ。
国際帝石 インドネシアのババルスラル鉱区権益の15%を売却
国際帝石 インドネシアのババルスラル鉱区権益の15%を売却
国際石油開発帝石は5月14日、子会社のインペックスババルスラル石油㈱を通じて、インドネシアのババルスラル鉱区権益の15%をインドネシア国営石油会社プルタミナの子会社、プルタミナ・フル・エナジー・ババルスラル社に売却すると発表した。売却金額は公表していない。権益譲渡を通じてプルタミナとの協力関係を構築することで、同鉱区の安定的かつ円滑な探鉱作業の遂行につながると判断した。
同鉱区は、2011年11月に独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同で落札した鉱区で、100%の権益を保有する国際石油開発帝石がオペレーターとして石油・天然ガスの探鉱作業を実施している。
秋田銀行がBKPMと業務提携の覚書を正式に締結
秋田銀行がBKPMと業務提携の覚書を正式に締結
秋田銀行は、5月12~15日のインドネシアへの秋田経済使節団訪問に合わせて、先に進めていた投資調整庁(BKPM)との業務提携の覚書を正式に締結した。秋田県内企業のインドネシア進出支援を目的に、経済・投資の情報交換のほか、視察団派遣やセミナーの実施、進出検討企業をBKPMに紹介することなどが盛り込まれた。BKPMと日本の地銀の提携は昨年12月の百五銀行に続き2件目。東北の金融機関では初となる。秋田銀行の海外政府機関との提携は昨年1月の香港貿易発展局に続き2件目。秋田県に拠点を持ち、インドネシアに進出する企業は約10社だが、この1、2年で3,4社が進出を予定しているという。
石油資源開発がアチェ鉱区で天然ガス産出テストに成功
石油資源開発がアチェ鉱区で天然ガス産出テストに成功
石油資源開発は5月13日、インドネシアのアチェ地域のブロックA鉱区で天然ガス産出テストに成功したと発表した。同社の100%子会社の「㈱ジャペックスBlock A」(東京都千代田区、資本金23億4000万円) が昨年11月から試掘井「マタン1号井」を掘削してきたが、今回日産量約70万立方㍍の天然ガスの産出に成功したもの。今後は同鉱区のオペレーター、インドネシアの石油・天然ガス会社Medco(メドコ)とともに、当該構造の広がりなどについて、評価作業を実施する予定。
ブロックA鉱区は、ジャペックスBlock Aが16.6%の権益を持ち、残りはメドコと英プレミア・オイル・スマルタが各41.6%を保有している。同鉱区ではすでに3つのガス田で事業化の可能性を探っており、開発投資の決定に向けた検討作業が進められている。