IMJがIT投資会社 米社との合弁で事業展開

IMJがIT投資会社 米社との合弁で事業展開
 デジタルマーケティング事業を手掛けるアイ・エム・ジェイ(IMJ、東京都目黒区)は4月15日、インドネシアをはじめとする東南アジア市場の取り込みを狙ったベンチャーキャピタル(VC)を設立したと発表した。これに先立ち今年2月、同社と米国シリコンバレーを拠点とするフェノックス・ベンチャー・キャピタルがシンガポールで設立した「IMJ FENOX」(資本金417万1700米㌦、出資比率はIMJ74.4%・フェノックス25.6%)のジャカルタ駐在員事務所を拠点にインドネシア事業を展開する。インドネシアのITベンチャーに対し、起業前の「シード投資」や起業後初期の「シリーズAラウンド」を中心とした資金提供を展開する。1社当たり3万~50万米㌦(約294万~4900万円)をメドに、年内に5社以上に出資する計画だ。

日産の労使協議は妥結に至らず 工場再開は持ち越し

日産の労使協議は妥結に至らず 工場再開は持ち越し
 日産自動車の現地製造・販売法人、日産モーター・インドネシア(NMI)社の最低賃金をめぐる労働争議で、労使の代表は4月16日、プルワカルタ県警の立会いの下、協議したが、妥結に至らなかった。経営側はプルワカルタ県の自動車産業を対象とした最低賃金203万1800ルピアを提示したままで、労組側は当初の250万ルピアを引き下げたが、合意は得られなかったという。このため、8日からストライキが続いている工場も操業を再開していない。労組側では今後も協議を継続する方針。
 2012年のプルワカルタ県の最低賃金は自動車産業で約124万4000ルピア。今年の同産業の最低賃金は約63%の上昇となった。

 

中銀がシンガポールのDBSのダナモン買収を許可か

中銀がシンガポールのDBSのダナモン買収を許可か
 関係筋によると、インドネシア中央銀行はシンガポールのDBSグループ・ホールディングスによるダナモン銀行買収を許可したもようだ。英字紙が報じた。2012年4月、DBSがダナモン銀行の買収を提案して以来、シンガポール、インドネシア両国の中央銀行間による協議の難航が予想されていた。だが、この1年間の協議を経て、今回交渉が成立すればインドネシア史上最大規模の買収となる。今回の協議にあたり、インドネシア中銀はインドネシア企業によるシンガポール国内での銀行経営を認めるようシンガポール側に求めたことも伝えられている。

3月の自動車販売は前年同月比8.4%増の9万5939台

3月の自動車販売は前年同月比8.4%増の9万5939台
 自動車工業会(ガイキンド)の統計によると、3月の国内新車販売台数(卸売りベース)は、前年同月比8.4%増の9万5939台だった。3カ月ぶりに10万台超えとなった2月と比べ7.1%減となったが、3月としては2009年以来4年連続の増加を記録した。1~3月では前年同期比15.2%増の29万5912台。同期の企業別シェアはトヨタが35.1%、ダイハツが14.3%、三菱が13.4%、スズキが12.3%、ホンダが9.0%だった。

今年の最低賃金めぐり日産の現地法人で労働争議

今年の最低賃金めぐり日産の現地法人で労働争議
 日産自動車の現地製造・販売法人、日産モーター・インドネシア(NMI)社のチカンペック工場は、今年の最低賃金をめぐる労働争議で4月8日からストライキに突入している。
 昨年9月に設立された同社労組が加盟するインドネシア金属労連(FSPM)のプルワカルタ支部によると、他の日系自動車メーカー6社の今年の最低賃金水準は250万ルピア前後。NMI社はプルワカルタ県で定められた最低賃金の203万1800ルピアを提示している。地域によって法定最低賃金は異なるが、業界内では最も低い水準。経営側は会計年度の新年度の4月にも毎年調整があると説明。労使間で1月下旬から6回にわたり協議が続けられたが、妥結には至らず、ストに突入したという。
 経営側は勤続1年以上の従業員を対象とした地方労働局の仲裁案を提示。15日の時点で約530人が勤務再開を希望し、16日に設定された意思表示の期限までに1000人に達すると見込んでいる。労組側は同社の工場従業員約1500人のうち、組合加盟員は約1200人としている。経営側は16日午前にプルワカルタ県の警察の仲介で協議を行った後、早ければ同日(16日)中に工場の操業を再開するとしている。
 NMI社は4月9日、16日付で昨年4月に就任した泉田金太郎社長が退き、アジア・パシフィック日産自動車社長としてアジア大洋州地域を統括する前任の木村隆之氏が、タイの現地法人社長などと合わせてNMI社社長を兼任することを発表している。

14年1月からの未加工鉱石禁輸は困難で、例外措置検討か

14年1月からの未加工鉱石禁輸は困難で、例外措置検討か
 インドネシアのジェロ・ワチック・エネルギー鉱物資源相は4月11日、2014年1月以降の未加工鉱石の輸出禁止を定めた新鉱業法(09年)の運用について、期限内に国内の精錬・加工体制を整えることは困難との見通しを示し、例外を認める可能性を示唆した。新鉱業法は、国内の鉱物資源の付加価値を高め、産業育成を目的とした措置だが、実施には「時期尚早」として、国内の鉱業界だけでなく、ニッケル鉱石の半分をインドネシアに依存する日本側も見直しを求めていた。
 同相は法律自体の変更はないと強調しながらも、鉱山の操業が継続できるよう、法律の中に抜け穴を見つけるように試みる-と述べた。規定の整備や運用面などで、例外措置を検討するとみられる。

研究開発、人材育成企業に優遇税制 BKPM長官が見解

研究開発、人材育成企業に優遇税制 BKPM長官が見解
  ジャカルタ・ポストによると、投資調整庁(BKPM)のハティブ・バスリ長官は4月10日、国内で研究開発や人材育成に取り組む企業に対し、優遇税制措置を講じる考えを明らかにした。これは国内で企業の研究開発や人材育成を促し、長期的な経済成長に結び付けるのが狙いだ。この優遇措置の実現には大蔵省との連携が不可欠だが、5月23日、蔵相を退任しインドネシア中央銀行総裁に就任するアグス氏の後任に、バスリ長官の就任が最有力とされており、優遇措置の実現性は高いとの見方を示している。

 

東芝のイスラムの礼拝時間知らせるテレビがヒット

東芝のイスラムの礼拝時間知らせるテレビがヒット
 東芝の新興国向け「パワーテレビ」シリーズで、2012年6月から販売開始したインドネシア向けの機種にイスラム教の礼拝時間、アザーンに合わせてアラームが鳴る機能を搭載した製品が、割高にもかかわらず売れ行きがよくヒット商品となっている。インドネシアのテレビ市場で東芝のシェアは約2割で、首位の韓国LG電子(シェア約3割)に次ぐ2位だが、この独自機能を搭載した機種で追撃中だ。同国では約280万ルピア(32型、約2万8000円)と中価格帯の機種だが、ジェトロの調べによると首都ジャカルタの非製造業労働者の平均月収は約349万ルピア(3万5000円)だから、この価格は決して安くはない。
 アザーンの具体的な時間は祈る場所の日の出、日没の時刻で決まる。ところが、正確なアザーンを知るのは意外と難しい。そこで、同社ではテレビにインドネシア国内256カ所を登録、自分のいる地域を選ぶだけで、アザーンに合わせ正確にアラームを鳴らせるようにしたのだ。インドネシアの東端と西端は約5000㌔だ。これは米国の東海岸と西海岸とほぼ同じ距離。容易な作業ではない。
 また、同社はこのテレビに様々な便利機能を搭載したこともヒット要因になっている。受信電波の増幅器を内蔵しているほか、民生用の液晶テレビとして世界で初めて蓄電池を装備、不慮の停電に遭っても約2時間視聴できるようにしているという。同社のパワーテレビシリーズは現在計11カ国以上で発売され、2013年3月末までに630万台を販売している。

 

「ハラル」認証めぐり、日本の中小企業が奮戦中

「ハラル」認証めぐり、日本の中小企業が奮戦中
 イスラム圏諸国とのビジネスを始めるにあたり、避けて通れないのが「ハラル」認定制度だ。このため、いま日本でもハラル認証をめぐる動きが活発化している。アラビア語で「許された」との意味を持つ「ハラル」はイスラム圏諸国で商品販売やサービスを始める際に、この認証を取得していれば、文字通り”お墨付き”となる制度だ。しかし、様々な安全基準にイスラム教の戒律に合致しているか否かを加味したもので、審査には複雑で細かい条件がある。
 日本では味の素やキューピーなどの大手企業が厳しい条件をクリアしてハラル認証を得ているが、いま奮戦中で健闘しているのが地方の中小企業だ。
 例えば、使用する器具や方法にも細かい条件がある精肉については、2010年に青森県八戸市の食品加工のグローバルフィールドが、地元の青森県農産物生産組合が協同で商品化した鶏肉「青森シャモロック」のハラル認証を取得した。現時点では「ハラールチキン」(ミンチが冷凍1パック1㌔当たり3800円)などを日本在住のイスラム教徒向けに展開中だ。
 また意外だが、日本の伝統食材、味噌や醤油を取り扱う企業もハラル認証取得に積極的だ。これは欧米などと同様、今後はイスラム圏諸国でも認知されるのに伴い、”ヘルシー”と人気が高まるとみられる日本食の消費拡大を見越したもの。2011年にハラル認証を得た佐賀県西松浦郡の原田醤油店は、自社商品「濃口醤油」のイスラム圏諸国への販路拡大を目指している。味噌では2012年に長野県諏訪郡のひかり味噌が取得。2013年1月からマレーシア向けに出荷している。このほか、埼玉県上尾市の井上スパイス工業がカレー粉やスパイス商品のハラル認証を受け、輸出向け商品の開発に取り組んでいる。

パナソニック現地販売法人に菅新社長就任 売上20%増目指す

パナソニック現地販売法人に菅新社長就任 売上20%増目指す
 パナソニックの現地販売法人パナソニック・ゴーベル・インドネシア(PGI)社は4月12日、1日付で新社長としてパナソニック・コンシューマーマーケティング・アジアパシフィック社(シンガポール)社長の菅広美(すが・ひろよし)氏が就任したと発表した。菅沼一郎PGI前社長は、2008年8月から兼務していた現地製造法人パナソニック・マニュファクチャリング・インドネシア(PMI)社社長、インドネシアのパナソニック・グループの総代表として、インドネシアでの業務を継続する。
 菅新社長は29年間海外畑を歩み、前職ではインドネシアを含むアジア・太平洋地域23カ国(中国・インドなど除く)を統括。今回インドネシア専任となり、あいさつのなかで「それだけインドネシア市場に力を入れていく表れだ」と強調した。PGIの昨年度(12年4月~13年3月期)の売り上げは前年度比17%増で、市場全体の伸び(18%)を下回ったが、これは20インチ台のテレビの投入を見送ったため。今年度はこの分野に再び参入し販売を伸ばすほか、同日、インドネシアで開発から製造までを担ったオーディオ製品の販売を発表。また5月に発売する冷蔵庫、洗濯機などの新商品を披露した。これらの商品ラインナップで、市場全体の今年度の伸びは15%と予測されているが、PGIの菅新社長は今年度の売り上げについて前年度比20%増を目指すとしている。