インドネシアで弾薬庫爆発1人死亡、重軽傷80人以上

インドネシアで弾薬庫爆発1人死亡、重軽傷80人以上
 インドネシアのジャカルタ近郊で3月5日午前10時半ごろ、海軍の弾薬庫が爆発し1人が死亡、80人以上が重軽傷を負った。爆発が起きたのはジャカルタのタンジュンプリオク港の沖合の島の海軍の弾薬庫。海軍によると、倉庫内には小銃など小火器用の弾薬を貯蔵していた。貯蔵量については明らかにしていない。地元メディアが報じた。
 海軍では、倉庫内の漏電が原因で出火し、弾薬が誘爆した可能性が強いとみている。爆発当時、周辺には約150人の兵士らがいた。重軽傷者の多くは木材、ガラスの破片で負傷。重傷者は中央ジャカルタ・ブンドゥンガンヒリルの海軍病院などに搬送された。

漁船火災で日本人2人とインドネシア人1人が死亡

漁船火災で日本人2人とインドネシア人1人が死亡
 高知県室戸岬の南約410㌔の太平洋上でマグロ漁船「第八海星丸」(7人乗り組み)が火災を起こし、3人が収容された事故で3月3日、現場の南約50㌔で仲間の船が乗組員とみられる男性1人を発見した。この4人のうち、3人は死亡が確認された。第5管区海上保安本部(神戸市)によると、死亡したのは船長の松岡尚裕(66)(高知市)と機関長兼漁労長の市原学さん(54)(高知県宿毛市)、もう1人はインドネシア人の甲板員ヨサン・サフィさん(30)とみられる。生存者は同ヘバート・シモン・リウンサンダさん(45)。

中央統計局が首都の10町を「生活に危険」と名指し

中央統計局が首都の10町を「生活に危険」と名指し
 インドネシア中央統計局は3月3日、ジャカルタ特別州内で貧困率や治安状況などを調べて算出した「社会危険度指数(IPKS)」の高い町として10の町を名指しした報告書を、同州のアホック副知事に提出した。これを受けて同副知事は生活上の危険性が高い町があることを認める一方、「郡長や町長が環境改善に取り組んでいる」と反論した。
 報告書は貧困率や治安状況、衛生環境、インフラ整備状況などを指数化し、州内の全267町を評価した。その結果、中央ジャカルタのカンプンラワやガルルなど4町、北ジャカルタのカリ・バルやプンジャリンガンなど4町、合計10町が生活を送るうえで危険性が高いと指摘していた。10町は住民に貧困層が多く、洪水や火災、犯罪の危険性が高いうえ、ごみが適切に処理されておらず不衛生だった。

クルド山噴火で生産地被害 トウガラシ2倍超に高騰

クルド山噴火で生産地被害 トウガラシ2倍超に高騰
 インドネシア東ジャワ州クルド山の噴火による被害や物流の乱れで、トウガラシが噴火前の2倍以上、種類により4倍に高騰している。影響は4月ごろまで続くとみられている。地元メディアが報じた。商業省によると、全国のトウガラシの平均価格は1月の1㌔当たり2万6645ルピアから2月25日には5万6000ルピアと2倍以上に上昇。種類によっては噴火前と比べ4倍になっているものもあるという。
 トウガラシ農業協会によると、東ジャワ州は全国のトウガラシ生産の40%を占める一大生産地だ。多くのトウガラシ畑に灰が降り積もり、収穫できなくなった。クルド山があるクディリ県はこのほど、噴火による農業分野の損失は1400億ルピアを超えると発表している。
 

資金の出所は報告義務なし 汚職の”温床”に疑問の声

資金の出所は報告義務なし 汚職の”温床”に疑問の声
 4月に行われる総選挙を目前に控えたインドネシアでいま、選挙運動費用を巡るカネの問題で、実態把握ができない”ザル”制度を危ぶむ声があがっている。
 総選挙参加12政党は3月2日までに、総選挙委員会(KPU)に選挙運動費用の第2期報告をした。第1期と合わせ政党は総額1.9兆ルピア(約165億円)を使ったことになる。KPUによると、グリンドラ党の3066億ルピアが最多で、正義統一党の364億ルピアが最少。ただ、期限内に報告書を提出しなかった候補者が続出。国会議員候補で少なくとも民主党、ハヌラ党、グリンドラ党にそれぞれ数十~100人規模いたとみられている。そこで、KPUは9日までを猶予期間としている
 実はこの報告制度には多くの欠陥がある。非政府組織(NGO)の汚職監視団(ICW)によると、資金の出所について報告の義務がない。したがって、資金の流れを詮索されることはなく、政党、政治家が選挙後に献金先に利益誘導することが野放図にできる”ザル”制度なのだ。また、この制度の透明性が極めて低いことから、届け出ている選挙運動費用の数値自体が果たして実態どおりなのか、適当に数字合わせしたものなのか、疑問視する向きが多い。
 同国では不透明なカネに対する捜査機関として実績のある汚職撲滅委員会(KPK)がある。だが、なぜか選挙の買収行為の取り締まりは職掌外で、警察がほとんど動かない現状では、事前に摘発する捜査機関は事実上ないに等しいという。したがって、不幸なことに選挙で世話になった分を汚職で返すという構図は変わらずに続くことになる。

インドネシアの資産10億㌦超の富豪 ルピア安で減少

インドネシアの資産10億㌦超の富豪 ルピア安で減少
 米経済誌フォーブスが発表した2014年の世界長者番付で、インドネシア人で資産10億米㌦(約1016億円)を超える富豪は、前年の25人から19人に減少した。昨年のルピア安が響いたとみられる。インドネシア人の1、2位は前年に続き、たばこ大手ジャルム創業者のブディ・ハルトノ氏(73)とマイケル・ハルトノ氏(74)。資産額はブディ氏が76億米㌦、マイケル氏が73億米㌦で、前回調査時からそれぞれ11%減った。3位は複合企業CTコープのハイルル・タンジュン会長(51)の40億米㌦。業種別では複合企業が6人で最も多かった。NNAが報じた。
 世界全体の長者数は、世界的な景気上昇を反映して前年の1426人から1645人に増加。総資産額は5兆4000億米㌦から6兆4000億米㌦に拡大した。

インドネシア労組会議 メーデーに100万人動員を表明

インドネシア労組会議 メーデーに100万人動員を表明
 金属労連(FSPMI)の上部組織のインドネシア労組会議(KSPI)は3月3日、今年のメーデーに100万人の労働者を動員する計画を明らかにした。うちジャカルタでは15万人を集める予定。最低賃金の大幅な引き上げなどを訴える方針だ。NNAが報じた。
 メーデーでは2015年の最低賃金を全国平均で3割引き上げるよう訴えることを柱とする。最低賃金を算出する指標都なる適正生活水準(KHL)の構成項目を、現行の60品目から84品目に増やすほか、社会保障制度やアウトソーシング制度の適切な実施を要求する。今年から5月1日はメーデーの祝日となる。

闘争民主党が世論調査で独走のジョコウィ氏指名へ

闘争民主党が世論調査で独走のジョコウィ氏指名へ
 7月に実施されるインドネシア大統領選へ向け、その動静が注目されていた最大野党、闘争民主党のメガワティ党首(67)が、世論調査で独走するジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)ジャカルタ特別州知事(52)を大統領候補に指名する意向を固めた。地元有力紙が報じた。メガワティ氏側近の複数の党幹部もジョコウィ指名に同意していると伝えている。4月に行われる総選挙を前に、世論調査で圧倒的な人気を集めるジョコウィ氏指名を追い風に、選挙戦を有利に戦いたい党の地方議員らから早期の指名発表を求める声が強まっている。

リアウ州で森林8000㌶焼失 健康被害など影響広がる

リアウ州で森林8000㌶焼失 健康被害など影響広がる
 インドネシアスマトラ島リアウ州で野焼きが原因とみられる森林火災が拡大し煙害が広がり、空の便はじめ煙による市民への健康被害が拡大しつつある。
 気象地理物理庁(BMKG)は3月1日時点で同州だけで1234カ所の高温地点(ホットスポット)を確認。国家災害対策庁(BNPB)および同州の担当者などによると、森林火災による焼失面積は8000㌶に達する見込みだ。
 こうした状況に直面、同州では煙により市民2万8000人が喉の不調を訴えており、健康被害への拡大が懸念される事態となっている。また、煙害で影響が出ているのが空の便だ。アンタラ通信によると、同州の州都プカンバルのスルタン・シャリフ・カシム空港では1日、24便が最大で9時間遅れた。
 2日夕方、ジャカルタ発プカンバル行きのガルーダ・インドネシア航空とライオンエアの2便がバタム島ハン・ナディム空港に一時着陸。同日午後に降った雨の影響で、プカンバルで800㍍まで悪化した視界が1200㍍に回復し同日夜、プカンバルにようやく到着した。

インドネシアでKPKの権限弱める動き 市民団体ら反発

インドネシアでKPKの権限弱める動き 市民団体ら反発
 インドネシアにおける大型汚職事件の独立捜査機関、汚職撲滅委員会(KPK)の権限を制限、大幅に弱める動きが表面化してきた。刑法と刑訴法の改正案でKPKの権限を大幅に縮小する条項が多数盛り込まれていることが判明。KPKや市民団体は、残りの任期わずかの国会が、十分な審議を経ずに法案を制定すべきでないと反発の声をあげている。地元各紙が報じた。
 刑訴法の改正案で問題になっているのは刑事事件の予備審理を担当するために新設する裁判官だ。改正案では予備審理裁判官は容疑者の保釈や通信傍受、捜索差し押さえの可否などを判断すると規定。これまでKPKが独断で実施し、汚職犯の賄賂授受の現行犯逮捕を可能にしてきた通信傍受も同裁判官の許可を得ることを義務付けている。
 また、驚くことに下級審で無罪判決が下った場合、被告の刑は確定し、被告、検察(KPK)両者とも上訴できないと規定。さらに、上級審の量刑は下級審判決を上回ってはならないとする条項案なども盛り込まれている。。
 こうした動きを受け、これまでのような捜索手法が不可能になるKPKは、大統領や法相、国会宛てに文書を送り、改正案の撤回を求めているが、これまで法務人権省は撤回には応じない姿勢を示している。