スマトラ島シナブン山が大噴火 16人死亡、3人負傷
インドネシア国家災害対策庁によると、スマトラ島のシナブン山(標高2460㍍)で2月1日、数日ぶりに大規模な噴火があり、火砕流などにより、2日までに観光旅行で麓のスカムリア村を訪れていた高校生4人を含む16人が死亡、3人が負傷した。噴煙は高さ約2000㍍に達した。AP通信などが報じた。
シナブン山は約400年間休火山だったが、2010年に噴火し、2013年9月に再び噴火。それ以降は小規模な噴火が頻発、政府は半径5㌔を立ち入り禁止にして、近隣住民約3万人を避難させていた。ただ1月中旬以降は活動が沈静化していたため、政府は立ち入り制限を緩和したばかりだった。
ギタ貿易相が辞任 大統領・予備選に出馬意向
ギタ貿易相が辞任 大統領・予備選に出馬意向
インドネシア貿易省は1月31日、ギタ・ウィルヤワン貿易相が2月1日付で辞任すると発表した。同国では7月に大統領選挙が予定されている。同氏はユドヨノ大統領が党首を務める民主党の候補を決める予備選挙に出馬する意向だ。後任の貿易相は未定だが、バユ・クリスナムルティ貿易副大臣が当面代行する。
広範囲の洪水禍で首都の物流・交通網に影響広がる
広範囲の洪水禍で首都の物流・交通網に影響広がる
インドネシアの首都ジャカルタで1月29日、前日からの断続的な豪雨のために広範囲で洪水が発生した。その結果、道路の渋滞で物流に支障が出たほか、交通機関が乱れたため、従業員が出勤できない事態に陥った企業もあった。NNAが報じた。
ジャカルタ特別州政府によると、州内43区のうち東ジャカルタを中心に11区で浸水したため、約1万人が避難した。道路の冠水状況は、南ジャカルタで幹線道路のガトットス・ブロト通りが最大40㌢、東ジャカルタの高速道路のクボンナナス出口付近で50㌢などだった。北ジャカルタ・タンジュンプリオク港に向かう道路の一部は通行止めとなった。
公共交通機関では北ジャカルタ・カンプンバンダン駅が冠水したため、ジャカルタ~西ジャワ州ボゴール間の鉄道のダイヤが乱れた。バスウエーは12路線のうち、第3路線(西ジャカルタ・カリデレス~中央ジャカルタ・ハルモニ)が運行を取り止めたほか、7路線が乗車規制や経路変更を強いられた。
首都~バンドン間37分 高速鉄道敷設事業の調査始動
首都~バンドン間37分 高速鉄道敷設事業の調査始動
インドネシア・ジャワ島の全長約730㌔、ジャカルタ~スラバヤ間の高速鉄道敷設事業のうち、第1期整備区間のジャカルタ~バンドン間(全長約140㌔)の実現可能性調査が始動した。特急で3時間、車で3時間以上の所要時間を、わずか37分で結ぶ計画だ。地元紙が報じた。
同事業ではジャカルタから西ジャワ州バンドンを経由し、チルボン、スマランを通り、東ジャワ州スラバヤを結ぶ。敷設費用の試算額は250兆ルピア(約2兆円)。日本の経済産業省などが2009年から調査分野で支援していた。
この調査にはインドネシア側から国家開発計画庁(バペナス)、経済担当調整相事務所、日本側から国際協力機構(JICA)を中心とした調査班が参加する。需要予測や建設計画を立案し、敷設開始に向けた準備を進める。JICAは13年12月、ジャカルタ~バンドン間の「ジャワ高速鉄道開発事業準備調査(フェーズ1)」で、建設コンサルタントの日本コンサルタンツなど5社と委託契約を結んでいる。調査は15年3月までに終了する予定。受注額は約2億6000万円。
バペナスの発表によると、同区間の始発・終点となる駅は、ジャカルタは中央ジャカルタのドゥクン・アタス、バンドンはカワサン・グデバゲで、ブカシやカラワンを通る計画だ。建設費用は53兆ルピア(約5000億円)で、建設期間は約6年を見込む。運賃は1人20万ルピア(約1670円)の設定、低コストでの導入を目指す。
アホック副知事が寄付項目などICWに監視要請
アホック副知事が寄付項目などICWに監視要請
ジャカルタ特別州のアホック副知事は1月23日、州議会が州予算で執行権限を持つ、使途の説明責任を問われない寄付項目に5兆ルピアを積み増したことを問題視し、執行を監視するよう非政府組織(NGO)の汚職監視団(ICW)に要請した。地元紙が報じた。
同副知事は議員の政務活動費などの監視も要請。また、予算審議を動画サイトに公開することを提案したが、州議会が拒んだとして議会批判を展開し、対立の火種となっている。同州はジョコウィ知事、アホック副知事がそれぞれ所属する闘争民主党、グリンドラ党が少数会派で”ねじれ”状態にある。
浮動票吸い上げ、所属政党にも”ジョコウィ効果”発揮
浮動票吸い上げ、所属政党にも”ジョコウィ効果”発揮
インドネシアの民間調査機関、ポルートラッキング研究所が1月26日発表した世論調査によると、政党支持率で、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事が浮動票を吸い上げ、同氏の所属政党、闘争民主党(PDIP)にも”ジョコウィ効果”が表われていることを示した。調査は全国1200人を対象に、12月16~23日に実施された。
ジョコウィ氏が大統領選に出馬するかどうか不明のため、①ジョコウィ氏が出馬せず、知事に留まる②PDIPの大統領候補になる-の2つの場合で政党支持率を調査。①の場合、PDIP支持率は18.85%にとどまる。ところが、②の場合は残り11党からくまなく票を吸い上げて30.78%まで支持率が伸びる。その結果、8政党が得票率3.5%未満の国会議席獲得を阻止する条項にかかり、4党による国政になる可能性もある。まさに圧倒的な集票力を発揮するというわけだ。
大統領候補調査でも同知事を除き、政党党首に限った場合、バクリー・ゴルカル党党首が支持率17%で1位。制限をなくした場合、ジョコウィ氏が37%を獲得。ブラボウォ・グリンドラ党最高顧問、バクリー氏が11%台で2、3位になる。ジョコウィ氏が相変わらず、2位以下に大きく水をあけている。
東ジャワ州で豪雨 地滑りで5人死亡 14人が行方不明
東ジャワ州で豪雨 地滑りで5人死亡 14人が行方不明
インドネシア当局は1月28日、東ジャワ州ジョンバン県で豪雨に伴う地滑りが発生、生き埋めとなった人のうち、少なくとも5人が死亡したことを明らかにした。このほか、14人が行方不明。時事通信が報じた。
洪水で首都の道路の損壊1818カ所 交通事故増を懸念
洪水で首都の道路の損壊1818カ所 交通事故増を懸念
インドネシア各地を襲った豪雨に伴う洪水・冠水などによるジャカルタ特別州内の道路の損壊は、州公共事業局の調べで現時点で1818カ所に上り、このうち358カ所は重度の損壊。損壊場所が多い地域は東ジャカルタ、西ジャカルタ、南ジャカルタ。こうした道路の損壊箇所の増加に伴い、復旧するまで交通事故の増加も懸念される。
州政府では早急に補修する予定で1月15日、インフラの突然の損壊など緊急時の臨時予算3000億ルピアを公共事業局に割り当てている。
全国の地方首長選挙を同時実施へ 2020年の導入目指す
全国の地方首長選挙を同時実施へ 2020年の導入目指す
インドネシア内務省と国会は、全国各地の地方首長選挙を同時実施することで合意し、現在審議中の地方首長選挙法の改正案に盛り込むことを決めた。導入時期は2020年を目指す。地元メディアが報じた。
内務省の地方自治総局長は1月24日、国会第2委員会の同法案作業部会と協議し、これまで各地が独自に実施していた州知事、県知事、市長の各選挙を全国で同時に実施し、費用節減を図ることで一致したと明らかにした。
全国同時実施に向けた調整期間として、15年に240、18年に250の自治体で、通常より短い任期の首長を選ぶ選挙を実施。憲法裁判所が、19年からの総選挙と大統領選の同時実施を決めたことを受け、19年と20年を選挙の2年として効率化を図る。
首長選の実施予算は国が負担し、自治体の政治関連予算の負担を軽減。選挙戦の規制強化も進め、総選挙委員会(KPU)が主催する討論会などを通じて、候補者を周知する。
総額72兆ルピア ジャカルタ特別州の14年度予算成立
総額72兆ルピア ジャカルタ特別州の14年度予算成立
ジャカルタ特別州議会は1月22日、議案審議が遅れていた、洪水対策や交通渋滞対策などに比重が置かれた総額72兆ルピア(約6100億円)の2014年度予算案を承認した。予算案提出時に比べ、税収の見通しが上向き、当初の69兆5000億ルピアから増額修正された。
歳出予算は前年度比43.7%増となった。主な案件をみると、洪水対策費は、前年の2兆1000億ルピアから5兆5000億ルピアへ2.6倍の規模となっている。州内に26の貯水池を造成することなどが盛り込まれている。交通渋滞対策では、1兆ルピアを投じて公共バスを3000台購入するほか、高速鉄道建設に伴う土地収用費に約5000億ルピアを計上している。歳入予算は同53%増の62兆7100億ルピア。赤字分は過去の繰越金を貯めた財政調整基金の一部を取り崩す。