燃料値上げに伴う操業コスト上昇などで魚介類の価格高騰
インドネシア国内各地で、7月中旬ごろから魚介類の価格が高騰している。6月下旬に実施された燃料値上げに伴う漁業の操業コスト上昇や、ラマダン(断食月)中の漁獲量減少などが原因とみられ、レバラン(断食明け大祭)後も数週間は高値が続くとの観測も出ている。
例年ラマダンからレバランにかけて食料品が値上がりするが、今年は燃料値上げの影響で牛肉価格が高騰。代わりのたんぱく源として魚介類の需要が高まり、値上げが波及した形だ。他にも、例年の乾期に比べ雨量の多い、不安定な天候や、燃料値上げでコスト高となる操業を敬遠。ラマダン中とも相まって休業する漁師が増え、魚介類の需給が逼迫、品薄感から高止まりしているとみられる。
魚介類の価格高騰は全国各地に広がっている。南スラウェシ州マカッサルでは、トビウオの価格が通常1㌔当たり5万ルピアが3倍の同15万ルピアに急騰し、マグロなども平均60%値上がりしている。バリ州では平均20~30%値上がりし、同州パドゥン県クタの魚市場ではフエダイが通常1㌔当たり2万8000ルピアから同4万ルピアに上昇している。ハタは同2万5000ルピアから同3万5000ルピアに、エビは同11万5000ルピアから同12万5000ルピアに上がっている。
西ジャカルタ警察に集団犯罪摘発のための武装部隊を設置
西ジャカルタ警察に集団犯罪摘発のための武装部隊を設置
西ジャカルタ警察はこのほど、100人規模の集団犯罪摘発や集団抗争への対応を担う組織として、武装部隊を設立した。1人や2人の容疑者を逮捕するためでなく、また容疑者を殺害するためでもない。武装部隊設立の目的は、あくまでも市民の保護と法執行能力を強化することが主眼-と強調している。犯罪が起きた場合の対処だけでなく、部隊の存在自体が犯罪の抑止力になることを期待しているという。
サメ・エイの絶滅危惧種7種の捕獲量で最多を記録
サメ・エイの絶滅危惧種7種の捕獲量で最多を記録
世界自然保護基金(WWF)と国際自然保護連合(IUCN)が共同で立ち上げた国際動植物保護団体の「トラフィック」がEU(欧州連合)の委託を受けて行った調査によると、2002~2011年に世界で捕獲された絶滅危惧種7種のサメ・エイ類のうち、インドネシアとインドが最多の捕獲量を記録したことが分かった。これは、7月30日に発表されたトラフィックの報告書で明らかになったもので、両国合わせて全体の20%を占めると指摘している。
8万8000人の警官増員などレバラン休暇に備え安全対策
8万8000人の警官増員などレバラン休暇に備え安全対策
インドネシア政府はレバラン(断食明け大祭)前後の渋滞に備え、警察官増員で警備を強化するほか主要道路にけが人に応急処置を施す簡易保健所を設置するなど安全対策の準備を進めている。広報担当によると、レバラン休暇を利用した今年の帰省客は国内で1739万人、ジャカルタ特別州だけでも970万~1100万人に上ると見込まれている。
そこで国家警察は8月3~18日、警察官8万8000人を、帰省客の多くが利用する南スマトラ、ジャワ島、バリ島など国内の主要道路に配置し、警備を強化する。また、これら主要道路には保健省が約3200カ所に簡易保健所を設置する。
例年この時期には、ジャワ島やスマトラ島の主要道路で深刻な渋滞や事故が発生している。昨年はレバラン前後に5233件の事故が報告され、うち死亡事故は908件だった。
ユニクロがインドネシアで写真コンテスト 市場調査の一環
ユニクロがインドネシアで写真コンテスト 市場調査の一環
カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは8月2日から、インドネシアでソーシャルネットワークを活用した写真コンテストを実施する。面白さとブランド名を掛け合わせた「ファニクロ(FUNIQLO)」をテーマとした写真を消費者に投稿してもらい、市場動向を探るのが狙いだ。
「フェイスブック」、「インスタグラム」(画像共有アプリ)、ツィッターを通じて参加者を募る。期間は8月22日まで。1週間ごとに優秀作品5点を選考し、現地法人のフェイスブック上で発表する。受賞者には50万ルピア(約4800円)分のクーポン券を贈呈する。
州が南ジャカルタ・マンガライ水門のごみの撤去作業を再開
州が南ジャカルタ・マンガライ水門のごみの撤去作業を再開
ジャカルタ特別州がこのほど、南ジャカルタ・マンガライ水門のごみの撤去作業を再開、今後市民への啓蒙活動を実施し、意識改革を求めていくことになった。ジャカルタ市民には、ほとんど無意識のうちにチリウン川にごみを捨てる習性があって、マンガライ水門にはこれまで大量のごみが溜まり、大雨が降ると川が氾濫し洪水悪化の原因となっていた。また、異臭を放つなど不衛生の遠因ともなっていた。
だが、州政府は清掃作業員の給料は払えないという理由で、水門付近のごみの撤去作業を止めていた。ところが、州は今回このごみの撤去作業を再開し、7月18日にはジョコウィ知事がマンガライ水門を視察。これからも州政府がごみの撤去を継続すると話し、チリウン川に「市民がむやみにごみを捨てないよう、意識改革も必要だ」と呼び掛けた。そして、レバラン(断食明け大祭)明けには市民への啓蒙活動を実施すると語った。
タナアバンの露店撤去巡りジャカルタ州政府が揺さぶり
タナアバンの露店撤去巡りジャカルタ州政府が揺さぶり
インドネシア中央ジャカルタ・タナアバンの露店撤去を巡るジャカルタ特別州政府と露天商との対立は、いぜんとして続いている。露店撤去に伴い、州政府が促しているのが州営市場ブロックGへの店舗の移転だ。この空き店舗は1067戸で、最初の6カ月は賃料無料というインセンティブがついている。ただ、この移転先は3、4階で、店舗スペースは2畳ほどの狭さだという。路上での商売にこだわる露天商にとって移転か撤去か難しい選択を迫られている。
いま一つ不透明なのが戸数の問題だ。州政府は露天商の数を700程度としているが、実際は1000を優に超えるとみられる。つまり、すべての露天商が州政府の要請に従って移転に応じたとしても、現実には同じ場所への移転は叶わない可能性が高いのだ。
早期解決を図りたい州政府は7月29日、ジョコウィ知事が300人以上の露天商が移転先のブロックGへの入居登録を終えた-と語り、反発する露天商に揺さぶりをかけた。さらに州政府は、タナアバンの露店撤去を8月上旬のレバラン(断食明け大祭)までと通告。露天商に早期の決断を迫る形となっている。
インドネシアの情報も米英諜報機関に傍受されていた
インドネシアの情報も米英諜報機関に傍受されていた
豪・日刊紙シドニー・モーニング・ヘラルドの報道によると、2009年にロンドンで開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議などで、英政府通信本部(GCHQ)が各国高官の通信を傍受していた問題で、インドネシアからの派遣団のメールも傍受され、さらにその情報が英米の諜報機関経由で豪州に渡っていた疑いが発覚した。
これは、米国家安全保障局(NSA)によるインターネット上での情報収集を内部告発した元米中央情報局(CIA)エドワード・スノーデン氏が、英ガーディアン紙に暴露した資料で明らかになったもの。事実との見方を強めたインドネシア外務省は遺憾の意を表明し、英国に説明を求めている。
医薬品食品監督庁が添加物含む駄菓子根絶へ学校に協力要請
医薬品食品監督庁が添加物含む駄菓子根絶へ学校に協力要請
地元メディアによると、国家医薬品食品監督庁(BPOM)は7月28日、人体への害が懸念される添加物を含んだ児童用の駄菓子根絶のため、学校関係者へ協力を求める意向を示した。同庁によると、防腐剤のホルマリンやホウ砂、色素のローダミンBなどの危険物質の使用は、昨年に比べて減少傾向にあるが、根強く残っている。また衛生面での改善があまりみられないとしている。
健康に問題がある児童は、学業でも実力を発揮できないとして、教育文化省からの学校運営補助金(BOS)で食堂を整備するなどして、児童へ安全な駄菓子を提供するよう各学校へ求めている。学校周辺の露天商にも安全性に問題のある駄菓子を売らないよう協力を求めている。
刑務所の過剰収容が深刻化 薬物犯はリハビリ施設へ
刑務所の過剰収容が深刻化 薬物犯はリハビリ施設へ
インドネシアでいま、刑務所の定員超過問題が深刻化している。象徴的な事件が、今月北スマトラ州メダンのタンジュン・グスタ刑務所で起こった受刑者の暴動だ。同刑務所には定員の2倍半の受刑者2600人を収容し、このうち麻薬密売69人、麻薬使用1700人と薬物犯の割合が多かった。
アミル・シャムスディン法務人権相は7月23日、全国の刑務所に収容されている受刑者11万7000人のうち薬物犯は5万6000人に上り、必ずしも刑務所に収容する必要はないとの見解を示した。また、受刑者は治療やリハビリが必要な麻薬使用者と重罪や死刑を宣告された密売者に分かれる。各地の刑務所では大部分が区別されずに収容されており、将来的には両者を分離する必要があるとした。
リハビリは現在、所管の国家麻薬委員会(BNN)だけでなく、法務省や保健省、社会省が連携し、各地の病院などの施設で実施する。同相は「計画が実施されれば、刑務所の定員超過問題は解決に向かう」と話している。BNNによると、2011年時点の同国内の麻薬常習者は380万~420万人に上る。