ムルパティ航空の小型機が着陸に失敗し大破 死者なし
インドネシア東ヌサトゥンガラ州クパン市のエル・タリ空港で6月10日、国営ムルパティ・ヌサンタラ航空の小型旅客機(乗客乗員50人)が着陸時に姿勢を崩し、胴体やプロペラが地面に触れて大破する事故が起きた。重軽傷者は出たもようだが、死者はいない。
事故機は中国製小型双発プロペラ機のMA60で同日朝、同州フローレス島バジャワ(ンガダ県)の空港を出発。運輸省によると乗客は幼児1人を含む46人。ムルパティ社の発表では2人がガラスの破片で負傷し、治療を受けた。国営アンタラ通信は機長を含む5人が重傷、20人が軽傷を負い、近くの空軍病院に搬送されたと報じている。ムルパティ航空では2011年にも同型機が西パプア州沖で墜落事故を起こしている。
首都の廃棄物新規制で従来の1/3の年間2170億ルピア削減
首都の廃棄物新規制で従来の1/3の年間2170億ルピア削減
インドネシア衛生研究センター長は6月8日、5月にジャカルタ特別州議会で可決された廃棄物処理の新規制により、処理費用を従来の6550億ルピアから、その3分の1にあたる2170億ルピアを削減することができるとの見方を明らかにした。新規制は工業地区、商業地区、大規模集合住宅で独自に廃棄物処理することを定めた。複合廃棄物(TPST)とごみで埋め尽くされた最終処理施設(TPA)の処理の負担軽減を図る。対象は居住地区、商業地区、工業地区やその他の特別な地区の責任者で、廃棄物管理の設備供給を怠った場合、行政罰を受け、1000万~5000万ルピアの罰金を課される。
燃料値上げに伴う貧困層向け一時補助金を第8委が承認
燃料値上げに伴う貧困層向け一時補助金を第8委が承認
地元紙によると、国会第8委員会(宗教・社会・女性問題)は6月7日、燃料値上げに伴う貧困層補償のうちの一つ、貧困層向け一時補助金(BLAM)を承認した。これにより予算委員会に審議が移り、最終的に本会議が2013年補正予算案を承認し次第、政府は政策を実施する方向だ。
一時補助金支給のしくみは、国営郵便ポス・インドネシアが引き換え用カードを貧困層1550万世帯に発給。引換所で同カードを一世帯当たり月額15万ルピアの現金と交換する。給付期間は4~5カ月を検討している。ハッタ経済担当調整相は、燃料値上げを盛り込んだ補正予算案の審議が提出から30日前後で終了する見通しとして、6月17日までには実施したいと語っている。
西ジャワ州ボゴール市住民のごみ拾い運動の”輪”広がる
西ジャワ州ボゴール市住民のごみ拾い運動の”輪”広がる
西ジャワ州ボゴール市の住民主導のごみ拾い運動が活発化、周辺住民や役所を巻き込み、徐々に認知の”輪”を広げている。6月5日にはボゴール市を流れるチリウン川流域で2458人もの人たちが参加し、ごみ拾いコンテストが行われた。その結果、ごみ袋2678袋分のごみを拾った。
市民がチリウン川の環境悪化に危機感を抱いて立ち上げた「チリウン保護コミュニティー(KPC)」が5年間地道に続けてきた取り組みは、昨年からボゴール市の生誕記念行事の公式行事に認定され、今年からボゴール市や環境省などが資金面でも協力。一番多くごみを集めた人に150万ルピアとトロフィーが贈られた。チリウン川はボゴールやデポック(西ジャワ州)、ジャカルタの中心部を通り、ジャワ海に流れ込む首都圏の主要運河。
受賞機にユドヨノ大統領がツイッターで「寛容性」訴える
受賞機にユドヨノ大統領がツイッターで「寛容性」訴える
インドネシアのユドヨノ大統領は6月7日、ツイッターの公式アカウントで、インドネシアが多様な国であると強調したうえで、国内での寛容性と宗教的な調和を強めていこう-と呼び掛けた。これは同大統領が、宗教的自由・寛容性と人権の尊重を促進したとして米国の非政府組織(NGO)「アピール・オブ・コンシャス財団(ACF)」から5月末に「ワールド・ステーツマン賞」を受賞したのを機に所信の一端を表明したもの。
表彰を巡っては国内外の人権団体から、同大統領が宗教的少数派の権利に関心がないと批判を受けていた。そこで、受賞を機に宗教差別などの問題に取り組んでいく姿勢をアピールしたものとみられる。そして今後、宗教に名を借りた、いかなる暴力も許容せず、国内の少数派たちの差別からの保護と人権侵害の責任者の訴追を徹底していくと述べている。
6/1から首都圏の一部で電子切符制導入 早くも問題噴出
6/1から首都圏の一部で電子切符制導入 早くも問題噴出
国鉄子会社のKAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)は6月1日、首都圏の通勤用コミューター線で電子切符制度を一部時間帯に限定導入した。7月の区間制運賃の導入に合わせて完全実施する予定だが、すでに改札の混雑などの問題が噴出している。
新制度は従来の均一運賃のまま、通勤時間帯などの混雑時を除いた午前9時~午後4時に限定導入された。乗車駅から5駅までの初乗り運賃は3000ルピア均一で、3駅通過するごとに1000ルピアが加算される区間制運賃も1日からの導入が予定されていたが、乗客に電子切符の使用に慣れてもらうことが優先され、7月に延期となった。
ただ、区間制導入間もない現場では、切符購入場所や改札での長蛇の列や、乗客や職員への周知不足からくる混雑が各所で発生した。電車に遅れまいとして急ぐ乗客の割り込みや、改札のしくみを知らない乗客が改札扉を壊したり、職員の案内が不正確で、乗客が間違った切符を購入してしまうなどの問題が報告されている。
ビニール袋使用抑制へジャカルタ州が月間有料化を要請
ビニール袋使用抑制へジャカルタ州が月間有料化を要請
ジャカルタ特別州は6月の1カ月間を「ビニール袋ゼロ月間」と定め、同州の生誕486周年関連イベントの一つとして開催される「ジャカルタ・グレート・セール」へ参加する州内74のモールに対し、ビニール袋の有料化を実施するよう求める要請書を送付した。要望書では買い物客への無料ビニール袋の提供を控え、繰り返し使用可能な買い物袋の販売などの代替案を提供するよう求めている。しかし地元メディアによると、消費者への周知は徹底しておらず、モールや小売業者らも1カ月間にわたり消費者にビニール袋への支払いを求めるのは難しいとしている。
州が「ビニール袋ゼロ月間」の宣言に乗り出した背景には、国内の環境団体などが2年前からキャンペーンを実施し、署名運動サイト「Change.org」上で5月以来7000を超す署名を集めたことがある。アホック副知事は署名運動の代表者らと5月10日に面会し、同団体が当初求めたビニール袋の1日有料化を1カ月間にわたり実施するとして、全面的に協力する姿勢を示していた。
ただ、こうした州政府の取り組みは、現状では多くの中間層の消費者にはあまり知られていない。それだけに、インドネシア小売業協会(アプリンド)も州による周知活動の徹底を求めている。ジャカルタでは毎日6500㌧のごみが発生し、うち1000㌧がビニール袋(500㌧)を含むプラスチックごみが占めている。
ごみのポイ捨て全面禁止に ジャカルタ州議会が改正条例
ごみのポイ捨て全面禁止に ジャカルタ州議会が改正条例
ジャカルタ州議会はこのほど、廃棄物管理に関する改正条例案を承認した。これまでの全33条を139条まで増やし、企業や個人が出した廃棄物の処理責任を明確にし、州の負担を軽くしたほか、ごみのポイ捨て禁止の範囲を広げた。これに伴い、これまで公共の場や下水道、河川のみに限られていたポイ捨て禁止が全面禁止となり、違反すれば50万ルピア(約5150円)の罰金が課される。無許可のごみ焼却も禁止となった。
条例では、家庭ごみの燃えるごみと、燃えないごみの分別を義務付けた。未分別のごみが発見された場合は、町内会(RW)単位で制裁を受ける。地域のごみ捨て場への投棄時間を定め、時間外に投棄した場合は10万ルピア(約1030円)の罰金を課すとしている。商業施設や工場に関しても管理者が独自にごみを処理することを義務付け、違反すれば1億~50億ルピアの罰金を課す。
州公衆衛生局によると、州内で1日約6500㌧のごみが発生し、年々増加している。インドネシア衛生研究所によると、州のごみ処理費用は毎年6500億ルピアに上り、財政の大きな負担となっている。条例改正で商業施設などが独自に処理することで、約30%の処理費用の削減が見込まれるという。州公衆衛生局は今年の第4四半期から住民への周知を図り、年末から来年の早い段階に施行を目指す。
インドネシアで開催の「ミス・ワールド」ビキニ着用中止
インドネシアで開催の「ミス・ワールド」ビキニ着用中止
ロイターによると、世界3大ミスコンテストの一つ、「ミス・ワールド」の主催者は6月6日、インドネシアで9月に開催予定の今年の世界大会では、出場者がビキニを着用しないことが決まったと明らかにした。世界最大のイスラム教国であるインドネシアの国民からの反発を避けるためだ。今年の出場者137人はワンピース水着を着用し、その上に巻きスカートをはく出場者もいるという。
来年から州主催で会場変更も検討 ジャカルタ・フェア開幕
来年から州主催で会場変更も検討 ジャカルタ・フェア開幕
「ジャカルタ・フェア」が中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIExpo)で6月6日、開幕した。同フェアはインドネシアの産業発展を目的に市民の祭典の場として1968年からジャカルタ生誕周年期間中に開かれ、昨年は約1カ月の会期中に450万人が訪れるなど国内最大級の物産展だ。今年も2650の出展者がブースを出すほか、「ミス・ジャカルタ・フェア」や有名アーティストのコンサートも開かれ、7月7日までの会期中、480万人の来場と4兆5000億ルピアの成約が見込まれている。入場料は平日2万5000ルピア、休日3万ルピア。
ただ、今年は開幕にあたって運営上の問題点が挙げられ、ジャカルタ特別州のアホック副知事は来年から州の主催に切り替えることおよび、会場の変更案も検討していることを明らかにした。現在、同フェアは州の委託を受け、JIExpo社が運営しているが、同副知事は中小企業のブース割り当て面積が少なく多くの苦情が出ているとし、特定の人々のみが恩恵を受けていると指摘した。そして、ジャカルタ・フェアを中小零細企業が多くの利益や恩恵を受けるイベントにしたい-との考えを示した。
6月10日の開会式にはユドヨノ大統領やジョコウィ州知事が出席する予定。