2013年の最低賃金をめぐり、インドネシア経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は記者会見した。この中で、会員企業1312社から適用の先送りが必要との申告を受けているとし、政府に中小企業や労働集約型産業に対する13年最低賃金の一律凍結措置と、アウトソーシング(派遣労働)規制緩和を求めていることを明らかにした。
一部地域で40%を超える上昇が予定されている13年の最低賃金が実施されれば、1312社が経営難に陥り、労働者100万人が解雇される見通しだとし、この1312社のリストを政府に提出したという。
1~11月累計で訪日インドネシア人は前年同期比68,1%増
日本政府観光局(JNTO)が発表した11月の訪日外国客の推計値によると、11月の訪日インドネシア人は前年同月比40.5%増の7700人、東日本大震災発生前の2010年の同月比では37.1%増だった。この結果、1~11月累計では前年同期比68.1%増の8万8200人となった。
スマトラゾウ絶滅の危機 ”害獣”視され毒殺増加
インドネシアのスマトラ島でスマトラゾウが毒殺される事件が増加している。象牙目当てに加え、パーム油の原料、アブラヤシ畑を荒らす「害獣」として駆除対象になっているとみられ、自然保護団体はインドネシア政府に対策強化を求めている。
世界自然保護基金(WWF)リアウ事務所によると、スマトラ島中部のリアウ州で2011年に殺害されたスマトラゾウは15頭に上り、前年の5頭から3倍に増加。同島北部のアチェ州でも殺害されたとみられるスマトラゾウは8頭に上っている。いずれも毒殺で、死骸の多くはアブラヤシ油畑の近くで発見された。容疑者は一人も検挙されていないという。
スマトラ島では1980年代から製紙用の植林やアブラヤシ農園開発が本格化し、ゾウの本来の生息地である低地林の3分の2が失われた。現在の生息数は2600頭前後とみられ、1985年の推定数からほぼ半減している。WWFは有効な対策が取られなければ、スマトラゾウは30年以内に絶滅すると予測している。
地元各紙の扱いは地味、関心低い日本の衆院選
日本の衆院選結果に対するインドネシア地元各紙の報道は、外電の引用と事実の列挙にとどまり、扱いは地味なものとなっている。前回の2009年の衆院選で半世紀以上にわたる自民党政権が倒れ、民主党に政権交代した衝撃を伝えた時とは対照的。
こうした中で、学界関係者の、短期政権が続いていることで日本の「外交の顔が見えなくなっている」との的を射た指摘が目に付く。
「旅行したい国」首位は日本 政策投資銀が旅行調査
日本政策投資銀行が12月5日発表した訪日外国人の意向調査によると、インドネシアで「旅行したい国」として日本が最も人気が高いことが分かった。「海外旅行ならどこへ行きたいですか」の質問(複数回答可)に対し、インドネシアでは全体の41%が日本と回答、以下、豪州が37%、韓国および米国が36%で続いた。
インドネシア人の日本旅行経験者に対し、前回の日本旅行の目的について尋ねたところ「観光」が55%と最も高く、「研修・インセンティブ」18%、「ビジネス・国際会議」13%、「留学」9%と続いた。前回の旅行で訪問した場所は東京が全体の74%で最も高かった。以下、京都45%、大阪41%、富士山35%、名古屋30%など。
日本旅行を選んだ理由は「文化・歴史に関心があった」が84%でトップ。以下、「景観に関心があった」64%、「科学・技術に関心があった」61%、「日本食に関心があった」57%と続いた。滞在日数では「10日以上」が41%、「6~7日」26%、「4~5日」18%、「1~3日」11%の順。平均滞在日数は12.3日で、対象国・地域で最も高かった。
調査はアジアの8カ国・地域を対象に実施。回答者は各国の20~59歳の海外旅行経験者500人。
汚職指数 前年の100位から118位へ低下 国際NGO調査
汚職を監視している国際的な非政府組織(NGO)、トランスペアレンシー・インターナショナル(本部・ベルリン)が12月5日発表した2012年の汚職指数(CPI)によると、インドネシアは176カ国中、118位だった。前年の100位から大きく順位を下げた。日本は17位だった。
数値が高いほど汚職度が少なく、最も清潔な状態をCPI100、汚職がはびこる最悪の状態を同ゼロとした。インドネシアのCPIは32で、エジプト、エクアドル、ドミニカ、マダガスカルと同じ順位だった。東南アジアでは3位のシンガポールが最も高く、CPIは87、マレーシア(54位、CPI149)、タイ(88位、同37)、フィリピン(105位、同34)、ベトナム(123位、同31)、カンボジア(157位、同22)、ミャンマー(172位、同15)などとなった。1位はデンマーク、フィンランド、ニュージーランドで、それぞれCPI90。
健康に害ある糖分入り炭酸飲料水の課税を検討
大蔵省財政政策庁長官代行は12月11日、健康に害を与えるとして糖分を含む炭酸飲料水への課税を検討していることを明らかにした。国家医薬品食品監督庁(BPOM)の報告によると、糖入り炭酸飲料の過剰摂取は腎臓に負担をかけ、尿酸濃度を高めることで、糖尿病を引き起こすリスクを上げ、胃、腸、肝臓の機能を乱すという。
同国の飲料市場で糖入り炭酸飲料は、現状はわずか3.8%にとどまっているが、それだけに今後の成長性は大きく、財源として大きな可能性を秘めている-とみている。課税は1㍑当たり1000~5000ルピアを検討しているという。
プラスチックごみ問題解決に期待 バリで再生工場
ジャカルタポストによると、ニュージーランド系のエンフィロ・パレッツ社は、2013年1月中にもバリ島タバナン県に廃棄されたプラスチックを再利用する工場を開所する。投資額は1000万㌦。同社は1日30㌧のプラスチックごみから船の出荷用のプラスチック・パレットを生産する。
バリでは1日当たり1万平方㍍のごみが出され、このうち15%がプラスチックごみ。州の処理能力は、予算と人員不足から
半分の5000平方㍍にとどまっているという。
故スカルノ初代大統領らを「国家英雄」に認定
ユドヨノ大統領は11月7日、国家と民族に生涯を捧げた人物として、故スカルノ初代大統領とハッタ同副大統領を「国家英雄」に認定すると発表した。オランダ植民地時代から民主主義運動を推進、インドネシア独立を宣言した建国の父を改めて称え、スハルト政権下で着せられた汚名を晴らす時がきたと強調。植民地支配から脱却し、第3世界の自立を目指した55年のアジア・アフリカ会議などを主導した功績を称えた。
「近隣との宗教の違い受け入れる」77.5% LSI調査
インドネシア調査研究所(LSI)がこのほど行った市民の宗教に関する意識調査によると、「近隣住民との宗教の違いを受け入れる」との回答が77.5%に達した。以下、「受け入れない」15.1%、「分からない」7.4%だった。
インドネシアで少数派のイスラム・シーア派について「受け入れる」は54%で、2005年の調査時の26.7%から大幅に増加した。イスラム異端派とされるアフマディアについて「受け入れる」は48.2%。
また、宗教を守るために暴力を使うことについて「賛成しない」は05年の79%から59.3%へ減少した。一方、「賛成する」は05年の9.8%から24%へ増加、暴力を容認する傾向が強まる結果だった。