最低賃金の改定 国家企画開発庁が2年ごとを提案

最低賃金の改定  国家企画開発庁が2年ごとを提案

インドネシア国家企画開発庁(バぺナス)は、最低賃金の改定方式を2年に1回とすることを提案している。企業が人件費など事業コストの見通しを立てやすくすることで、企業側にとって歓迎であり、労働集約型産業の発展につながるとみられている。ビスニス・インドネシアなどが報じた。
同国では近年、大幅な最低賃金の引き上げが相次ぎ、日系企業も含め事業採算を圧迫、主な収益悪化要因の一つと指摘されている。また毎年、交渉時期には大規模な労働組合のデモを含めた激しい労使交渉が繰り返され、操業面に支障を来たすことも少なくない。JJC(ジャカルタ・ジャパンクラブ)なども、改定交渉は複数年ごとに実施するよう要望していた。

アジア投資銀行 国際金融機関から人材引き抜き

アジア投資銀行 国際金融機関から人材引き抜き

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の発足に向け、中国が先進国からの出向受け入れや、既存の国際金融機関からの人材引き抜きも含めた採用活動を始めたことが5月22日、分かった。中国は金融分野のノウハウが乏しいため、専門的な人材を国外から集めてAIIBの運営体制を固めるのが狙いだ。
採用活動は北京にある設立準備事務局が担っている。外交筋によると。中国はAIIBの創設メンバーとなっている英国や韓国に財務当局者などの出向を要請、すでに面接も実施しているという。アジア開発銀行(ADB)から人材を引き抜く動きもある。この際、ADBと同額の待遇を保証すると持ち掛けているという。
国際金融機関は、投資対象となる事業の収益性を正確に評価して確実に資金を回収することや、先進的な金融技術を求められる。また投資対象国の法律を守ることなども重要だ。こうした点で中国は海外での本格的な投資の経験が乏しく、大手国有銀行などでも「レベルの高い人材は限られる」とみられている。

「世界遺産」日韓協議は平行線 継続協議に

「世界遺産」日韓協議は平行線  継続協議に

日韓両政府は5月22日、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を巡る実務者会議を東京都内で初めて開いた。韓国側は日本が登録をめざす23施設に強制徴用された朝鮮人が働いた施設が含まれていると表明。日本は「時代が異なる」などと反論し、議論は平行線に終わった。日本から外務省の新実潤国際文化交流審議官、韓国から外務省のチェ鍾文(ジョンムン)ユネスコ協力代表らが出席した。約3時間の協議は、双方が原則論に終始したが、協議の継続では一致した。

アジア投資銀 中国が拒否権 資本金倍増の12兆円

アジア投資銀 中国が拒否権 資本金倍増の12兆円

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー57カ国は5月22日、シンガポールで行われた第5回首席交渉官会合で、組織の枠組みを定めた設立協定に基本合意した。設立時の資本金は当初予定の2倍の1000億㌦(約12兆円)として信用力を高め、日米中心のアジア開発銀行(ADB)に対抗する。国内総生産(GDP)の規模に比例して出資するため、中国の比率は57カ国中最大の30%弱に達する見通し。
また、出席者らによると、中国は重要議案について実質的な拒否権を持つ仕組みとなる。総裁も中国が出すことが確実で、中国が強い権限を握る見込み。各国の代表である理事は北京の本部に常駐しないため、融資案件を十分に検討できない可能性がある。参加を見合わせている日本や米国から、運営の透明性に疑問を投げかける声が高まりそうだ。理事会は12人で構成する。
6月下旬に北京で設立協定の署名式を開き、各国の国内手続きを経て年内にAIIBを設立する。シンガポール共同が報じた。

タイ 高速鉄道に日本の新幹線を採用へ

タイ 高速鉄道に日本の新幹線を採用へ

タイが国内で計画している高速鉄道に日本の新幹線方式を採用する見通しとなった。5月27日に両国の運輸担当大臣が東京で会談し、合意文書を交わす。総工費4300億バーツ(約1兆5000億円)ともされる建設資金の調達など課題は残るが、新幹線の輸出が実現すれば台湾に次ぐ事例となる。今回の高速鉄道は、タイの首都バンコクと北部の観光都市チェンマイを結ぶ総延長約680㌔㍍の路線が対象。日本はインドにも新幹線の輸出を目指しており、官民で取り組むインフラ輸出に弾みがつきそうだ。複数のメディアが報じた。

日本 韓国に水産物禁輸撤回求めWTO協議要請

日本 韓国に水産物禁輸撤回求めWTO協議要請

日本政府は5月21日、韓国が東京電力福島第一原発の事故を理由に福島など8県の水産物輸入を全面禁止している措置を巡り、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きにに基づく2国間協議を要請したと発表した。規制の早期撤廃に応じない場合は、WTO紛争処理小委員会(パネル)の設置を求める方針だ。

サンゴ密漁網418個見つかる 水産庁が小笠原諸島調査

サンゴ密漁網418個見つかる 水産庁が小笠原諸島調査

小笠原諸島(東京都)周辺での中国漁船によるサンゴ密漁問題で、水産庁は5月21日、初めて実施した海底調査の結果を発表した。その結果、密漁で折れたとみられるサンゴを数多く確認したほか、採集用の網が418個見つかった。水産庁は形状から中国漁船の網とみている。
水産庁は3月3~23日、父島、母島などの周辺海域のうち、密漁された10地点で無人探査機を使って海底を調べた。

インドネシア 違法操業で拿捕の外国船41隻爆破処理

インドネシア 違法操業で拿捕の外国船41隻爆破処理

インドネシア海軍などは5月20日、同国近海で違法操業により拿捕(だほ)された中国などの外国漁船41隻を爆破処理した。政府当局者が21日明らかにした。インドネシアとして、違法操業を厳しく取り締まる姿勢を強く印象付ける狙いがあるとみられる。インドネシアのスシ海洋・水産相も「法律に基づいた措置だ」としている。

インドネシア投資調整庁 中国支局開設へ

インドネシア投資調整庁 中国支局開設へ

インドネシア投資調整庁は中国支局を開設し、中国企業の投資誘致を強化する計画だ。同庁は現在、シンガポール、、日本、米国、オーストラリアなど8つの国に支局を持っている。フランキー・シバラニ長官は「これまでの中国企業の投資実現率(投資申請数に対する投資実現数の割合)は10%未満とまだ極めて低い。2005年から14年までの中国企業の投資申請額は242億7000万㌦だが、実際に投資が実施されているのはわずか18億㌦(7.4%)しかない。最近5年間で中国投資が多かったセクターは電気・水道・ガス(23%)、鉱山・鉱業(21%)、金属・機械・電子(16%)だった」と説明している。ビスニス・インドネシアが報じた。

アジア向けインフラ投資3割増 5年で13兆円 首相

アジア向けインフラ投資3割増 5年で13兆円  首相

日本の安倍晋三首相は5月21日、東京都内で講演し、アジア向けインフラ投融資の強化策を明らかにした。日本が最大の出資国であるアジア開発銀行(ADB)と連携し、今後5年間で従来より約3割増の総額約1100億㌦(約13兆3000億円)を投じる。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が融資のスピードや両を掲げて注目される中、環境や防災、途上国への技術供与などにも配慮し、質の高いインフラ投資を推進して、日本の存在感を示す狙いがある。
主な内訳は、ADBと連携した資金支援の拡大約530億㌦、政府開発援助(ODA)の実施機関である国際協力機構(JICA)を通じた円借款や投融資の拡大約335億㌦、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)による融資拡大約200億㌦。これらを民間の投融資の呼び水にもして、「量」を確保したい考えだ。
安倍首相は講演で、「イノべーティブ(革新的)なインフラ資金を提供していく。世界中から多様な資金を呼び込み、アジアを変えていきたい」と訴えた。