アジアインフラ投資投資銀行に英が参加 G7で初めて

アジアインフラ投資銀行に英が参加   G7で初めて

英国財務省は3月12日、中国主導で今年末に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加する方針を発表した。主要7カ国(G7)で参加するのは英国が初めて。国際金融機関として信認が高まり、カナダやオーストラリア、韓国なども追随する可能性があるという。

日本・インドネシア 防衛協力覚書に調印へ 中国けん制

日本・インドネシア 防衛協力覚書に調印へ  中国けん制

日本とインドネシアの両政府が今月下旬、防衛協力に関する覚書に調印することが両国関係者への取材で分かった。災害時の支援やサイバー防衛、防衛装備分野での協力などが主な内容。日本側は海洋進出を強める中国をけん制する狙い。インドネシア側には先進技術を取り込んで防衛力の強化を図る思惑があるとみられる。覚書では①インドネシアの津波対策への協力②国連平和維持活動での協力③人的交流の促進–などを念頭に置いているという。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日本の防衛協力は、すでにベトナムやフィリピンなどとも締結されている。毎日新聞が報じた。

温室効果ガス診断に国立環境研とIPBが電力消費調査

温室効果ガス診断に国立環境研とIPBが電力消費調査

日本の国立環境研究所とボゴールのボゴール農科大学(IPB)は3月9日、同大の関連施設などで電力消費量を調べる取り組みを開始したと発表した。国立環境研が海外機関と協力して都市の電力消費量を調べるのはこれが初めて。温室効果ガス削減の制度運用に向け、データの収集・分析方法の確立につながると期待されている。両機関は市内の研究施設やホテル、住宅など100カ所で配電盤からデータを集め、インターネットを介して日本で分析。富士通がシステムの構築に協力し、2014年から準備を開始、今回の発表につなげた。今回の取り組みは2国間クレジット制度(JCM)などの運用にも貢献するものと期待されている。地元メディアなどが報じた。

フィリピンで拠点拡張の動き 緩やかな人件費上昇

フィリピンで拠点拡張の動き 緩やかな人件費上昇

フィリピンでいま、日系企業の拠点拡張の動きが静かに進んでいる。これはインドネシア、ベトナム、カンボジアなど東南アジアにおいても人件費が急上昇しつつあるのにひきかえ、フィリピンでの賃金上昇率の低さが際立っているためだ。

東南アジア諸国の2015年の最低賃金の上昇状況をみると、2010年比で、インドネシアは2.6倍、ベトナムは2.3倍、カンボジアは2.1倍と2倍を超えている。以下、タイで46%高、ラオスが10%高となっており、フィリピンは15%高だ。14年と比べてもインドネシアは23%高、ベトナムは15%高、カンボジアは28%高に対し、フィリピンはわずか3%高にとどまっている。

フィリピンの場合、生産年齢人口の平均が23歳と若く、労働人口が増え続けているうえ、インフレ率が安定していることも日系企業は好感している。マニラ郊外の工業団地の企業の最低賃金は日給335ペソ(約9000円)と安い。英語を公用語とするためコミュニケーションを取りやすいのも利点だ。産業が少ないため、完全失業率は7%近くの水準にある。したがって、工業団地では最低賃金の労働力が確保しやすい。インフレ率が3%程度で低位安定しているほか、労働争議も少なく、将来も急激な人件費の上昇はないとみられている。

入国拒否タイ人14年1000人超と最多 ビザ免除が影響

入国拒否タイ人14年1000人超と最多  ビザ免除が影響

日本の法務省によると、2014年、入国拒否されたタイ人が初めて1000人を超え、国・地域別で最多となったことが分かった。この多くが不法就労目的が疑われたためで、2013年7月に始まった短期滞在者の査証(ビザ)免除の影響で激増したとみられる。タイ人の不法残留者や摘発数も増えており、政府が推進する「観光立国」に合わせ、入国審査時の水際対策や治安対策の重要性が改めて浮き彫りになっている。

同省によると、2014年1年間のタイ人の入国拒否者が1000人を超え過去最高を記録した。前年の489人から2倍以上に増加。前年最多の韓国を抜いて初めて最多となった。同省入国管理局によると、14年のタイ人の入国者数(=訪日旅行者数)は68万1743人。ビザ免除の好影響で、前年比で約43%増えた。こうした一方で、許可された期間を超えて不法残留するタイ人は、14年1月1日時点で4391人。前年同期比23%増え、1993年以来21年ぶりに増加に転じている。産経新聞が報じた。

中国の環境保護に156兆円以上必要 担当相が見通し

中国の環境保護に156兆円以上必要  担当相が見通し

中国の陳吉寧・環境保護相は3月7日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見し、今後数年で環境保護分野に必要な闘志額が8兆~10兆元(約156兆~195兆円)に上るとの見通しを示した。また、環境汚染の取り締まり強化などの結果、2014年違法行為で摘発された事件が「過去10年の総数の2倍にあたる2080件に上った」と述べた。この内容は明らかにしなかったが、工場の汚染物質の違法な排出や廃棄が含まれているとみられる。

陳氏は、水質汚染など環境問題が専門の著名な学者で、習近平国家主席の母校の名門・清華大学学長から、全人代開幕直前の2月末に環境保護相に抜擢された。YOMOURI ONLINEが報じた。

マレーシア機不明手がかりなく1年 捜査縮小・打ち切りも

マレーシア機不明 手がかりなく1年  捜索縮小・打ち切りも

マレーシア・クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空370便が消息を絶ってから3月8日で1年を迎えた。乗客乗員の家族らは機体発見に望みを繋ぐが、かけら一つ見つからないまま、捜索費用だけが膨らんでおり、捜索は規模縮小や打ち切りの可能性が強まっている。

豪州とマレーシア両政府による、重点海域とされる豪州西部パース沖1800㌔のインド洋の海底捜索は5月にも終えるが、捜索活動を主導する豪州側は「大規模な捜索が永遠に続くとは約束できない」(アボット首相)と規模縮小に言及。マレーシア側は「捜索には専門家グループの助言が必要だ。決断するにはまだ早い」と明言を避けている。

問題は捜索費用だ。豪州は2014年3月以降計9000万豪㌦(約84億円)ともいわれる費用を捜索に充てている。現在の費用はマレーシアと折半するが、同規模の支出を続けるのは難しそうだ。ただ、現時点で捜査打ち切りとするのは理解を得にくいのも事実で、今後の捜査は資金次第との見方が広がっている。

シンガポール超富裕層の増加数は10年で世界最大に

シンガポール超富裕層の増加数は10年で世界最大に

英系不動産仲介ナイト・フランクがまとめた報告書「ウェルス・リポート2015」によると、シンガポールは3000万米㌦(約36億円)以上の資産を保有する超富裕層の人口が、2014年~24年の間に世界の主要都市で最も大きく増える見通しだ。同リポートによると、シンガポールの超富裕層は14年の3227人から24年には4979人となり、1752人増える見込みだ。増加人数では次いで香港(1251人増)が2位、米国・ニューヨーク(1013人増)が3位と予想。世界全体の増加人数の1割はシンガポール、香港、ニューヨーク、英国・ロンドン、インド・ムンバイの5都市で占められるという。

14年の超富裕層人口はロンドンが最も多く4364人、東京が3575人で2位、シンガポール3227人で3位に入っている。以下、4位はニューヨーク(3008人)、5位が香港(2690人)。島なんば時あではタイ・バンコクが466人インドネシア・ジャカルタが363人、マレーシア・クアラルンプールが310人だった。アジアの超富裕層が保有する資産総額は14年に5兆9000億米㌦となり、北米の5兆5000億米㌦を上回っている。NNAが報じた。

生活費が高い都市でシンガポールが2年連続1位

生活費が高い都市でシンガポールが2年連続1位

英調査機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが行った「生活費が最も高い都市」調査で、シンガポールが2年連続1位となった。衣料品の価格や自動車の所有にかかるコストの高さが影響した。今回の調査では、140都市の160種類の商品やサービスを比較し、駐在員家族や出張者が買う傾向がある品目の物価指数を算出。指数の計算にはアルコール飲料、家庭用品、たばこ、衣類、日々の食料品などが含まれる。上位6都市が(シンガポール、パリ、オスロ、チューリッヒ、シドニー、メルボルン)の順位は、昨年から変わっていない。アジアの都市では香港とソウルがトップ10入りし、ともに9位となった。東京は昨年、シンガポールに抜かれる前は首位だったが、低インフレと円安の影響で生活費が下がり、11位となった。日本経済新聞などが報じた。

日朝協議3月中にも再開 拉致調査の進捗聴取

日朝協議3月中にも再開  拉致調査の進捗聴取

日本と北朝鮮は日本人拉致被害者の再調査を巡り、3月下旬にも外務省局長級協議を開く調整に入った。日朝両政府は2月から非公式の接触で、3月下旬から4月上旬の同協議の再開を目指すことで一致している。

今回は北朝鮮から調査状況の報告を受けるのが目的。拉致被害者や特定失踪者の具体的な生存情報は含まれない可能性が高く、初回報告と位置付けられるかは不透明な面がある。同協議は中国で開く方向で、外務省の伊原純一アジア大洋州局長、宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉交渉担当大使らが出席する。日朝局長級協議は中国・瀋陽で開かれた2014年9月以来となる。日本経済新聞が報じた。