日本政府がWTOへ提訴 インドネシアの鉱石禁輸で
日本政府は、インドネシアが「新鉱業法に基づき、14年1月12日からニッケルなどの未加工鉱石の輸出を禁じたことを世界貿易機関(WTO)協定に反すると判断、提訴する方針を固めた。このままだと日本企業の鉱物資源の調達に影響が出る事態を重く見た。
経済産業省と外務省が提訴へ向け最終調整に入った。政府は2月中にインドネシアにWTOを通じた2国間協議を要請。協議でも解決しない場合、今夏にも裁判にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請する。日本経済新聞が報じた。
今回、日本がWTOに提訴の方針を固めたのは、内外無差別という自由貿易のルールを守るよう説得する狙いがある。インドネシアはこれまで、日本車へ過大な輸入関税を徴収したり、日本製鋼板へのダンピング課税発動など保護主義が目立つ。こうした状況を受けて、日本は経済連携協定交渉を通じて投資ルールを互いにきちんと守る関係づくりを急ぐ。
14年の経済成長率を5~6%に下方修正 バスリ財務相
14年の経済成長率を5~6%に下方修正 バスリ財務相
インドネシアのバスリ財務相は2月19日、2014年の経済成長率を6%から5~6%のレンジに下方修正したと明らかにした。世界経済の弱い回復と先進国の金融緩和策に起因する下方リスクを理由に挙げた。13年の成長率は5.78%だった。また、政府はルピア相場の年間見通しも、これまでの1米ドル=1万500ルピアから1万1500~1万2000ルピアのレンジに変更した。ロイターが報じた。
今年は輸出はさらに回復 GDP成長率5.8~6.2%に
今年は輸出はさらに回復 GDP成長率5.8~6.2%に
インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は2月13日、2014年の輸出見通しについて、世界経済の回復でさらに増え、GDP成長率は5.8~6.2%と13年の5.78%から改善するとの予測を明らかにした。同総裁の論拠は①13年第4四半期で経常収支の赤字幅が大幅に改善した②貿易収支が13年第4四半期で3カ月連続、黒字を記録しているように赤字基調から脱却した③昨年講じた政策金利の1.75%引き上げによる資金流出への対策が効いてくる-などの見立てからだ。
2月のインフレ率は0.6%未満と予測 ペリー中銀副総裁
2月のインフレ率は0.6%未満と予測 ペリー中銀副総裁
インドネシア中央銀行のペリー・ワルジョ副総裁はこのほど、2月のインフレ率が前月比0.4%減の0.6%未満になるとの見方を示した。地元メディアが報じた。2月13日に発生した東ジャワ州クディリ県のクルド山の噴火の影響について、ペリー副総裁は「先月からの洪水の影響で食料価格は高騰したが、噴火では航空網が一時的にマヒしているだけで、長期的な悪影響はない」としている。
ルピアが2カ月半ぶり高値 経常赤字急減を好感
ルピアが2カ月半ぶり高値 経常赤字急減を好感
週末、2月14日のアジア新興国通貨市場は堅調だった。インドネシア・ルピアは1米ドル=1万1830ルピアと約2カ月半(11週間)ぶり高値を付けた。前日公表された第4四半期(2013年10~12月期)の経常赤字の対国内総生産(GDP)比率が、1年半ぶりの低水準に低下したのが買い材料になった。
インドネシア中銀が金利7.5%を据え置き 3カ月連続
インドネシア中銀が金利7.5%を据え置き 3カ月連続
インドネシア中央銀行は2月13日、月例の役員会を開き、第4四半期の経常赤字が大幅に縮小した、輸出が上向き、インフレが落ち着いているなどとし、政策金利を7.5%に据え置いた。据え置きは3カ月連続。中銀のマルトワルドヨ総裁は、米国の量的緩和縮小に伴う資本流失を回避し、鉱物資源の輸出禁止により貿易が打撃を受けるリスクを低減するため、今年は金融引き締めスタンスを維持する方針を示した。
インドネシアの輸出規制が日本国内の非鉄取引に影響
インドネシアの輸出規制が日本国内の非鉄取引に影響
インドネシア政府が自国製錬業の育成を目的に、新鉱業法に基づき2014年1月12日から施行した輸出規制による影響が、日本国内の非鉄金属取引に及び始めている。はんだやブリキの材料に使うすず地金の国内価格は、国際相場より高いインドネシアの価格を反映し、以前より割高になっている。
インドネシアが実質的に輸出禁止したニッケルや銅は、今後供給が減少することは必至で、国内の大手製錬会社や商社はフィリピンやニューカレドニアなど代替生産国からの調達を急いでいる。
現在のインドネシアのすず地金価格は1㌧当たり2万3000㌦前後と、国際指標のロンドン金属取引所(LME)相場より500㌦ほど高くなっている。日本のすず地金輸入量の45%はインドネシア産が占めている。
インドネシア初の通商法成立 保護主義の色濃い内容に
インドネシア初の通商法成立 保護主義の色濃い内容に
インドネシアの国会本会議で2月11日、通商関連の諸規定を包括した通商法が可決、成立した。今回成立した法律には国内産業と市場の保護を明記、保護主義の色合いが濃い内容となっている。同国では建国以来、通商法が事実上存在せず、政令や関係閣僚規定の法的効力が問題視されていた。
地元メディアによると、通商法では国民生活に重要な物品を適正価格にするため、政府に統制する権限を付与。国益のために輸出入の規制を認める項目も盛り込まれている。通商条約締結に関しても、交渉期間の国会への諮問や国家貿易委員会の設置などを政府に認めている。国会承認を得れば、破棄または見直しも可能としている。
インドネシアでは1934年、当時統治していたオランダが通商規定を定め、独立後もこの規定を基準としてきたため、法的根拠が不明確だった。
1月末の外貨準備高は8カ月ぶりに1000億㌦上回る
1月末の外貨準備高は8カ月ぶりに1000億㌦上回る
インドネシア中央銀行が2月7日発表した1月末時点の外貨準備高は、8カ月ぶりに1000億㌦(約10兆2000億円)を上回った。先に発表された貿易統計も黒字で、他の新興国の金融市場が揺れる中、通貨ルピアや株価は比較的安定している。1月末の外貨準備高は2013年12月末比13億㌦増の1007億㌦。1000億㌦を上回ったのは13年5月以来。
外貨準備高はルピア安阻止のため、中銀によるルピア買いドル売り介入で、一時926億㌦まで減少したが、回復した。増加の要因は貿易収支の改善に加え、政府が40億㌦分のドル建て国債を発行したことが挙げられている。
イの禁輸でLMEニッケル相場が3週間ぶり大幅高
イの禁輸でLMEニッケル相場が3週間ぶり大幅高
2月6日のロンドン金属取引所(LME)では、ニッケル相場(3カ月物)終値は前日比16%高の1㌧当たり1万3985㌦と1月13日以来、3週間ぶりの大幅高となった。世界有数のニッケル鉱石生産国であるインドネシアの鉱石輸出規制を受けて、供給が縮小する中、ステンレス粗鋼生産用の需要が加速する見通しが示された。ブルームバーグが報じた。インドネシア政府は6日、引き続き輸出規制を適用する方針を示している。