2013年のインフレ率8.38%へ急上昇 5年ぶり高水準
インドネシア中央統計局は2014年1月2日、13年の消費者物価指数(CPI)が前年比で8.38%上昇したと発表した。燃料補助金削減のため、13年6月下旬に補助金付き燃料を値上げした影響などで、12年の4.30%から急上昇し、5年ぶりの高水準となった。通年のインフレ率は13年度の補正予算で設定した目標値の7.2%を大幅に上回ったが、危惧されていた9%の水準以下に収まった。食材が11.35%と高い伸びとなったほか、運輸・通信・金融が15.36%と上昇。これらが物価を押し上げた。
インフラ分野中心に外資規制の改定、緩和案まとまる
インフラ分野中心に外資規制の改定、緩和案まとまる
インドネシア政府は12月24日までに外資規制の緩和案をまとめた。投資調整庁(BKPM)のマヘンドラ・シレガル長官が地元メディアに明らかにした。特徴としてはインフラ分野の緩和が目立った。近くユドヨノ大統領がこの改定案に署名する見通し。
この大要は①これまで外資参入が認められていなかった陸上輸送施設や自動車の定期点検施設に49%までの出資を認める②これまで95%を上限としていた発電所への100%出資を認める③製薬はこれまでの75%から85%へ、ベンチャーキャピタルは80%から85%へのそれぞれ引き上げを認める④これまで外資参入が禁止されていた広告は、東南アジア諸国連合(ASEAN)からの投資に限り49%まで認める⑤物流分野の流通、倉庫では外資の最大比率をこれまでの100%から33%に引き下げ、規制を強化する。冷蔵倉庫はジャワやスマトラ、バリでは33%、他の地域では67%にする⑥農業はこれまでの95%から30%に引き下げる-など。
インドネシアが電力プロジェクトなどの外資規制を緩和へ
インドネシアが電力プロジェクトなどの外資規制を緩和へ
インドネシア政府は空港や電力プロジェクトの外資規制を緩和する方針が明らかになった。経常赤字の改善に向けて資金を呼び込むのが狙いだ。同国の通貨ルピアは経常赤字に圧迫され、年間ベースで2000年以降で最悪の落ち込みが見込まれている。ブルームバーグが報じた。
インドネシア投資調整庁の声明によると、外国人投資家は官民パートナーシップ(PPP)の下で建設されている空港に最大49%、発電所には100%の出資がそれぞれ認められる可能性がある。ハッタ経済担当調整相は、政府は一部業界を対象とする外資規制の見直しを巡る協議を12月24日終了し、今後は出資に向けた手続きを簡素化すると語っている。
米連邦準備理事会(FRB)が12月18日、2014年1月からの量的緩和縮小を決めた後、エコノミストらはインドネシア政府が継続して新たな経済てこ入れ策を講じる必要があると指摘していた。
疑問視されるムティアラ銀行への公的資金130億円再注入
疑問視されるムティアラ銀行への公的資金130億円再注入
横領・汚職事件の渦中にあるインドネシアのムティアラ銀行(前センチュリー銀行)に対し、預金保険機構(LPS)がこのほど、新たに1兆5000億ルピア(約130億円)の公的資金の再注入を決めたことで、この措置を疑問視、その正当性が問われかねない事態となっている。
LPSがムティアラ銀行に公的資金の再注入を決めたのは、インドネシア中央銀行が12月19日に発布した国内銀行の自己資本規制を厳格化する中銀令2013年15号を受けた措置だ。自己資本の量と質を高める国際規制「バーセル3」を、国内銀行に段階的に導入することを目指す。2014年1月から投資や融資などの高リスク資産に対して、内部留保、普通株など低リスク資産の割合を高めることなどを規定している。バーセル3はリーマン危機以降、再発防止のために策定された。中銀令ではバーセル3の細目を19年までに全適用する方針も盛り込まれている。
ただ、忘れてならないのはムティアラ銀行の救済を巡っては09年総選挙前、6兆5000億ルピア(約560億円)の公的資金が注入され、これがいまも未解決の横領・汚職事件につながったことだ。しかも、同銀行はこの公的資金注入後もいぜん自己資本比率が低い状態にあるのも大きな問題だ。
LPSは公的資金注入後、ムティアラ銀行の健全化が済み次第、04年に定められたLPS法の定めに基づき、同銀行株99%を民間に売却する方針だ。だが、横領・汚職事件の渦中にある同銀行の疑惑解明を差し置いて、いやその事実にふたをしたまま売却されるという不明朗な処理が、果たして各方面の理解を得られるものなのか、大いに疑問だ。
米の量的緩和縮小発表でルピア下落も影響は限定的
米の量的緩和縮小発表でルピア下落も影響は限定的
12月18日の米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和縮小決定を受け、世界各地の市場で「ドル高・先進国株高」が進んだ。一方、ドル高に伴う自国通貨安は、多くの新興国にとって重荷になり、その影響の広がりが懸念されるところだ。米国への資金還流が意識され、インドネシア・ルピアなど新興国通貨が対ドルで下落した。
ただ、19日のインドネシアの金融市場に懸念されたような大きな混乱はみられず、影響は限定的だった。為替相場は、インドネシア中央銀行の参照レートで前日よりも0.3%安の1米ドル=1万2191ルピア。実勢は1万2200~1万2230ルピアの水準で取引された。債券市場も大きな変動はなかった。
14年の経済成長率5.3%に鈍化 個人消費に陰り 世銀予測
14年の経済成長率5.3%に鈍化 個人消費に陰り 世銀予測
世銀は12月18日、四半期ごとに発表している経済報告書の中で、インドネシアの2014年の経済成長率が今年の5.6%から5.3%へ減速するとの予測を明らかにした。これは、今年第3四半期に機械・設備を中心とした投資支出の伸びが5・四半期連続で低下し、4.5%へと鈍化したことが大きな要因。また、これまで堅調だった個人消費にも陰りが見える可能性を指摘。米国の金融緩和縮小により、世界経済の不安定さが増し、インドネシアの対外収支にも影響を与えると分析。石油燃料補助金支出により、財政が脆弱な状況が続くとしている。こうした中で今後、長期的な高成長を遂げるためには、さらなる構造改革が必要として、政府や中央銀行の積極的な対応を促している。
日銀とイ中銀が第3次スワップ協定締結 限度額2倍に
日銀とイ中銀が第3次スワップ協定締結 限度額2倍に
日本銀行は12月13日、インドネシア中央銀行と第3次二国間スワップ取り決め(BSA)を締結したと発表した。通貨危機が発生した場合、外貨を短期的に融通し合う枠組みで、通貨交換の限度額を、これまでの09年取り決め時の120億米㌦から227億6000万米㌦(約2兆3600億円)拡大した。新たに危機予防機能として、潜在的な流動性需要に対応することを盛り込んだ。
きょう安倍首相と首脳会談 ユドヨノ大統領が訪日
きょう安倍首相と首脳会談 ユドヨノ大統領が訪日
インドネシアのユドヨノ大統領は12月12日夜、13~15日に東京で開かれる日本・ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議に出席するため、日本に到着した。13日に安倍首相との首脳会談があるほか、14日には特別首脳会議に出席する。
12月は政策金利7.5%に据え置く インドネシア中銀
12月は政策金利7.5%に据え置く インドネシア中銀
インドネシア中央銀行は12月12日に開いた月例理事会で、政策金利を7.5%に据え置いた。同銀行は11月、政策金利をこの4年余りで最高水準に引き上げており、この間、物価上昇がやや鈍化していることと、この効果をいま少し見極めるため。2014年のインフレ率目標である3.5~5.5%の実現と、経常収支の改善に向けた措置と説明している。
ジャカルタの地下鉄などに1400億円の円借款を供与
ジャカルタの地下鉄などに1400億円の円借款を供与
日本、インドネシア両政府は12月11日、両国が進める総事業費3兆円の「ジャカルタ首都圏投資促進特別地域」(MPA)構想に関する閣僚級の運営委員会を開き、日本から円借款1400億円を供与する方針を明らかにした。進捗が遅れている地下鉄や送電線の開発を加速させ、日本企業の受注案件の進展を後押しする。また、現地に進出している日本企業の物流を改善するジャカルタ郊外のチラマヤ新港について、2020年開港することで一致した。
今回の円借款の対象はインドネシア初の地下鉄となる大量高速交通システム(MRT)計画で、ジャカルタ中心部と南部郊外の15.7㌔を結び、首都の交通渋滞の緩和、解消が期待されている。18年開業を目指し日本企業の受注も決まっているが、資金調達などから進捗難となっている。円借款はほかにジャワ島とスマトラ島を結ぶ送電線や火力発電所の整備などにも供与する。