インドネシア・韓国が貿易促進へ 20年に3倍超目指す

インドネシア・韓国が貿易促進へ 20年に3倍超目指す
 インドネシアのユドヨノ大統領と韓国のパク・クネ大統領は10月12日、ジャカルタで会談し、両国が貿易をさらに拡大させ、2020年に貿易額を現在の3倍以上の1000億㌦(約9兆8600万円)を目指すことで合意した。会談後の記者会見でユドヨノ大統領は「インドネシアのクリエイティブ産業を育成するにあたり、韓国の映画や音楽などの産業と協力していきたい」と語った。

インドネシアとインドが経済・軍事で連携強化で一致

インドネシアとインドが経済・軍事で連携強化で一致
 インドネシアのユドヨノ大統領は10月11日、インドのシン首相と会談し、経済や軍事で連携強化することで一致した。両国企業の共同事業や投資計画の実施を監督するタスク・フォースを設けるほか、武器の販売や製造での協力も検討する。シン首相は、インドネシアは我が国の『ルック・イースト政策』で重要な国だ-と強調し、インドネシアを足掛かりに成長市場の東南アジア諸国連合(ASEAN)への接近を図り、関与を強めたい考えをうかがわせた。

2014年経常赤字はGDP比2.5~2.7%に ミルザ副総裁

2014年経常赤字はGDP比2.5~2.7%に ミルザ副総裁
 地元メディアによると、インドネシア中央銀行のミルザ・アディチャスロラ副総裁は10月10日、2014年の経常赤字の国民総生産(GDP)比を2.5~2.7%に縮小したいとの意向を示した。同副総裁は8月の貿易収支が5カ月ぶりに黒字転換したことを踏まえ、今後しばらく貿易収支の改善が続くと分析した。経常赤字の要因として11、12年は経済成長が急激に進んだ分、石油輸入の急増や高インフレなどで経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)の変化が生じたとの見解を表明。中銀は今年第3四半期の経常赤字はGDP比3.4%と、第2四半期の4.4%から改善すると予想している。

食料安保などで連携を確認 ASEAN関連首脳会議

食料安保などで連携を確認 ASEAN関連首脳会議
 東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に日本、中国、韓国を加えたASEANプラス3首脳会議や米国、ロシア、豪州、インドなどを18カ国による東アジア首脳会議(サミット)が10月10日、ブルネイのバンダルスリブガワンで開催された。その結果、地域の統合に向けて取り組むASEAN各国を支援しながら、ASEAN域外の参加国も食料安全保障やエネルギーの安定供給、金融などの幅広い分野を通じ地域協力を進めていくことを確認した。
 一連の会合ではASEAN域外の各首脳から、経済分野のほか人材交流、災害対策などでの協力表明が相次いだほか、ASEANを軸に日中韓や豪州、インドなど16カ国が参加する東アジア包括的経済連携協定(RCEP)について、複数の首脳が早期実現を求めた。
 このほか中心議題の一つとなったのが、中国とASEANが領有権を争う南シナ海を巡る問題だ。国際法に基づいて紛争拡大を防止する「行動規範」を早期に締結する方針を確認した。安倍晋三首相は会議で、南シナ海を巡る問題のすべての関係国が国際法を順守すべきだと、この地域での領有権を強硬に主張する中国をけん制した。

ASEAN経済共同体 2015年内発足を確認 域内格差が障害

ASEAN経済共同体 2015年内発足を確認 域内格差が障害
 ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国は10月9日の首脳会合でAEC(ASEAN経済共同体)を2015年内に発足させる方針を確認した。AECはASEAN域内を移動する物品関税を緩やかに引き下げることが想定されている。
 ASEANは2007年1月の首脳会議で2015年までにAECを発足させることで合意。同年11月の首脳会議でAEC発足までの工程表を採択し、道筋をつけた。しかし、12年1月の首脳会議で期限を15年初から15年末に先延ばしすることを決め、道のりの難しさをうかがわせた。この経済統合の最大の障害は域内で開発格差が広がりつつあるためだ。

インドネシアの13年経常赤字はGDP比3.4%の見込み

インドネシアの13年経常赤字はGDP比3.4%の見込み
 ロイターによると、インドネシア中央銀行のマルトワルドヨ総裁は10月8日、今年の同国の経常赤字が対国内総生産(GDP)比で3.4%になる見込みだと語った。インドネシアでは第2四半期の経常赤字がGDP比4.4%に拡大し、通貨ルピアの地合いを悪化させる要因となった。
 GDP伸び率については、第3四半期が前年同期比5.6%、2014年が5.6~6.2%になるとの見通しを明らかにした。

TPP大筋合意先送り オバマ不在響く ハードル高い年内妥結

TPP大筋合意先送り オバマ不在響く ハードル高い年内妥結
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12カ国は10月8日、インドネシアバリ州ヌサドゥアで首脳会合を開き、年内の交渉妥結に向けて協議を前進させるとの首脳声明を採択した。ただ、知的財産権や環境、国有企業の優遇政策などを巡る米国と新興国の対立は解けず、焦点である関税の撤廃・削減の調整も難航。当初想定していた10月の「大筋合意」には至らず、年内妥結は一段と不透明になっている。
 今回の首脳会合は交渉を主導してきたオバマ米大統領が政府機関閉鎖への対応で欠席し、議長をニュージーランドのキー首相が務めた。まとめ役のオバマ大統領の不在で歩み寄りの機運が薄れ、各国の利害対立が先鋭化。米国とマレーシア、ベトナムなどの対立が解消できなかった。
 今後の交渉のカギは、米国の財政問題の行方だ。今月17日には米債務上限引き上げの期限が来る。この問題の決着が11月にずれ込めば、年内妥結は一気に難しくなりそうだ。

インドネシア中銀が10月は政策金利7.25%で据え置く

インドネシア中銀が10月は政策金利7.25%で据え置く
 インドネシア中央銀行は10月8日、理事会を開き政策金利を7.25%で据え置くことを決めた。同国は通貨ルピア安や物価上昇に対処するため、多くの市場関係者にとっては想定外の、9月まで4カ月連続で利上げを実施していた。今回の金利据え置きは、直近のインフレ率や貿易収支に改善がみられ、9月末時点の外貨準備高が前月末比で3%増えるなど、市場の不安が和らいだと判断したため。

”力”の中国を強くけん制 安倍・ユドヨノ首脳会談

”力”の中国を強くけん制 安倍・ユドヨノ首脳会談
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに出席するため、インドネシアバリ州ヌサドゥアを訪れている安倍晋三首相は10月7日、インドネシアのユドヨノ大統領と約20分間会談した。安倍首相は中国を念頭に「”力”による現状変更の動きを懸念している」とけん制。9日からブルネイで予定されている東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会談を前に、ASEAN加盟国が足並みを揃え必要性を訴えた。とりわけ安倍首相はASEANが一体となった有意義な議論ができるよう、ともに議長国のブルネイを支援していこうと呼び掛けた。これを受け、ユドヨノ大統領は「紛争解決のための軍事力の行使は回避しなければならない」と応じた。
 このほか、ユドヨノ大統領はインドネシア中央銀行と日本銀行が二国間為替スワップ協定(BSA)の最大調達額を倍増させる方向で協議を進めていることを「前進があったことは非常に有効だ」と評価。安倍首相も協議の進展を歓迎し貿易投資やインフラ整備でさらに協力を進めていく方針を示した。  

来年はさらにイの経済成長率が鈍化 2年連続5%台に

 来年はさらにイの経済成長率が鈍化 2年連続5%台に
 世界銀行は10月4日、インドネシアの今年の国内総生産(GDP)成長率について、国際収支の悪化で政府が金融引き締めなどを迫られているため、5.6%に鈍化するとの見通しを発表した。また、来年はさらに成長率が鈍化すると予測、長期化する可能性があるとの懸念を示した。今年の経済成長率の予想を7月発表時の5.9%から下方修正。3月発表時の6.2%から2回目の引き下げとなった。来年はさらに成長が鈍化し、5.3%に下がるとみている。
 経済成長率鈍化の原因として、米国が量的緩和の縮小を示唆したことを発端として、インドネシアなど新興国の資金調達が困難になっていることを指摘した。貿易では、インドネシアの主要な輸出コモディティ6品目の8月時点の価格が 、ピーク時の2011年1月時点から35%下落。一方、輸入超過となっている原油は7%上昇し、財政を圧迫していると説明した。
 インフレ率は、今年6月の補助金付き石油燃料の値上げを受けて、通年で7.3%に高まると予想した。影響は短期的で、今年第4四半期(10~12月)をピークに緩むと見込んでいる。経常赤字は今年3.4%に拡大するが、来年は2.6%に縮小するとみている。今後の財政・金融政策が大きな役割を担うと指摘している。