政府は、新型コロナウイルス変異株の猛威により感染が世界最悪のペースで急拡大するインドに対し、総額5,000万ドル(約55億円)分の医療物資を支援する方針を固めた。すでに酸素濃縮器と人工呼吸器それぞれ300台の供与を発表しているが、各500台を追加供与する。
主要7カ国(G7)外相会合出席のため6日まで訪英している茂木敏充外相がジャインシャンカル外相とロンドンで会談し、伝達する見通し。
中国念頭に日米同盟強化 対北朝鮮も連携 英とも対中「懸念」共有
主要7カ国(G7)外相会合出席のため訪英中の茂木敏充外相は5月3日、ロンドンで米国ブリンケン国務長官と会談した。4月の日米首脳会談で合意した「台湾海峡の平和と安定の重要性」を再確認し、中国を念頭に日米同盟を強化する方針で一致した。
北朝鮮情勢を巡っては、ブリンケン氏はバイデン政権の新たな対北朝鮮政策を説明した。茂木氏は拉致問題の即時解決に向けた協力を求め、支持を得た。
また、茂木外相は同日、英国のラーブ外相とロンドン郊外で会談した。両外相は東シナ海、南シナ海情勢について意見交換し、海警法施行を含む中国の動向や一方的な現状変更への試みに対し「深刻な懸念」を共有した。ラーブ氏は英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を日本を含むインド太平洋地域へ派遣する方針を説明。茂木氏は日本への寄港を歓迎する意向を示した。
日本 インドに酸素濃縮器・人工呼吸器各300台を緊急援助
日本政府は4月30日、インド政府からの要請を受け、酸素濃縮器および人工呼吸器をそれぞれ300台を緊急援助することを決めた。
同国では29日現在、新型コロナウイルス感染症の累計感染者数は1,837万6,524人、累計死亡者数は20万4,832人に上っている。
同国では連日30数万人の新規感染者発生に歯止めがかからず、医療用の酸素不足など医療物資の不足が伝えられることから緊急支援することになった。
日本 ネパールの保健医療サービス質向上へ9.96億円を無償資金協力
日本政府は、心血管疾患や慢性呼吸疾患、がん、糖尿病などの非感染性疾患が深刻なネパールの保健医療体制整備のため、9億9,600万円を無償資金協力する。これにより、公立高次病院における非感染性疾患に関する診断・治療サービスを充実する。
日本 ベトナム海洋調査と海洋プラごみ対策計14億円を無償資金
日本政府は、ベトナム政府が進める持続可能な海洋経済戦略遂行に必要な海洋環境や海洋資源調査の実施・推進と、海洋プラスチックごみ調査に必要な資金合わせて14億円を限度とする無償資金協力を行う。
14億円の内訳は、中古海洋調査船1隻および同船舶に必要な改修のための資金として限度額9億円、海洋プラスチックごみ調査分析機材調達に必要な資金として限度額5億円で、それぞれ供与する。
ミャンマー情勢巡りジャカルタでASEANが臨時首脳会議
ASEAN(東南アジア諸国連合)は4月24日、インドネシアの首都ジャカルタのASEAN事務局で首脳会議を開いた。ミャンマーからは2月1日のクーデターで全権を掌握した国軍のミン・アウン・フライン総司令官が参加した。このほか会議には加盟10カ国のうち、外相を派遣したタイ、フィリピン、ラオスを除く6カ国の首脳が出席した。
会議後公表された議長声明では、ミャンマーの現状に「深い懸念」を表明し、①暴力の即時停止②すべての当事者建設的な対話③ASEAN議長を特使としてミャンマーに派遣-などで合意したとしている。
中国 4/22~の気候変動サミット参加に前向き 米中が共同声明
米国バイデン政権で気候変動を担当するジョン・ケリー特使と、中国の解振華・事務特使は4月17日、気候変動で米中が互いに協力していくとする共同声明を発表した。解氏は、22日から米国主導で始まる気候変動サミットについても「楽しみにしている」とし、中国も参加に前向きな姿勢を示した。
ケリー、解の両氏は気候変動問題について上海で会談し議論。声明では「気候危機に取り組むため両国は互いに協力する」との文言を盛り込んだ。バイデン政権は中国を含む40カ国の首脳を22、23日のサミットに招待している。
「第7回JVF2021」4/17~18開催 会場からオンライン配信
第7回ジャパン・ベトナムフェスティバル2021「Japan Vietnam Festival in Ho Chi Minh City」(通称JVF)が4月17、18日の両日、新型コロナウイルス禍の中、ホーチミン市の会場と日本からの映像をつなぎ、リアルイベントとオンライン配信で行われた。日本からの映像には、事前に収録したダンス・ミュージックを含め、様々なアーティストによる交流メッセージが流されていた。
「世界記憶遺産」登録 合意制 異議申し立て可能 ユネスコ承認
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の執行委員会は4月15日、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の審査で、関係国間で見解が異なる資料の申請を念頭に、加盟国による異議申し立てを認め、関係国が期限を設けずに対話を続けるとする制度改革案を承認した。
日中で犠牲者数などに論争がある「南京大虐殺」に関する資料が2015年に登録されたことを機に、日本政府が「政治利用されている」と訴えるなど改革を求める声が高まっていた。従来、記憶遺産は文書管理の専門家による国際諮問委員会の勧告に基づき、事務局長が登録を承認していた。
今回の改革案では、登録の可否を執行委員会で決定し、その際に加盟国間の合意が必要となる。改革案が合意されるまで新規の登録申請を停止していたが、年内に再開する。
台湾外交部 日米声明に「心からの歓迎と感謝」のコメント
台湾外交部(外務省)は4月17日、菅首相とバイデン米大統領の共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことについて、日米両国に「心からの歓迎と感謝を表する」とのコメントを出した。コメントは「米日など理念が近い国と緊密に協力し、インド太平洋地域の平和と安定、繁栄を共に守っていく」などと強調している。