中国の製造業景況感が0.7㌽悪化 景気指数が再び50割れ

中国国家統計局は10月31日、2023年10月の製造業担当購買者景気指数(PMI)が前月比0.7㌽低下し、49.5担ったと発表した。2カ月ぶりに好・不調の境目となる50を下回った。生産や新規受注の指数が悪化した。PMIは同国の製造業3,200社を対象に、新規受注、生産、従業員数などを項目ごとに調査したもの。

日本に”眠る働き手”530万人 内閣府が試算「年収の壁」是正で

内閣府は10月30日、「年収の壁」で就業をやめる人など、日本には”眠る働き手”が約530万人いるとの興味深い試算を公表した。これは現状、当たり前になっている、パートなどで働く人が一定の収入を超えると手取りが減る「年収の壁」を是正し、働き手のスキルを磨き直すことで潜在的な労働力を掘り起こせるとの見立てを前提にしたもの。
産業界は幅広い業種で人手不足が指摘され即、外国人労働力の確保に目が行きがちだが、もっと足元に目をやれば、様々な制約を緩和、解消すれば、よりスムーズに日本人の働き手を確保できる可能性があることを忘れてはいけない。

天皇賞・秋 イクイノックス 日本レコードで貫禄の2連覇  

第168回天皇賞・秋(2000m芝、11頭出走、G1)が10月29日、天皇・皇后両陛下が観戦される中、東京・府中市の東京競馬場で行われ、1番人気のイクイノックス(クリストフ・ルメール騎乗)が、1分55秒2の日本レコードで優勝した。昨年に続き史上3頭目の連覇を達成し、1着賞金2億2,000万円を獲得した。同馬はG15連勝で5勝目。ルメール騎手はこのレース2連覇で5勝目、林哲也調教師は昨年に続き2勝目。
イクイノックスは好スタートから3番手の好位につけ、最後の直線、残り400mを過ぎたあたりで先頭に立ち、全く危なげのない貫禄のレース運びで、しかも日本レコードで制した。6番人気で2着のジャスティンパレスに2馬身半差をつけた。さらに1馬身1/4差の3着に3番人気のプログノーシスが入った。負傷した武豊騎手から乗り替わった2番人気のドゥデュースは、期待された差し脚不発で7着に終わった。

奈良で「第10回世界遺産サミット」地域間連携などを協議

世界遺産をを保有する自治体の首長らが集まり、保全や活用策について話し合う「第10回世界遺産サミット」が10月29日、奈良県斑鳩町で開かれた。日本で最初に世界遺産登録され、30周年を迎えた法隆寺を会場に、全国30市町村の関係者が参加。世界遺産を核とした持続可能な町づくりの実現など、3項目の「斑鳩宣言」を採択した。

脳死判定 累計1,000例に 臓器移植法施行26年 提供数の底上げ急務

日本臓器移植ネットワークによると、臓器移植法に基づく脳死判定が累計1,000例に到達した。1997年の同法施行から26年。家族承認による臓器提供が可能となった2010年以降、脳死臓器提供数は増加し、2023年は10月27日時点で100件に上り過去最多となった。ただ、これでも国内の提供者数は海外と比べて極めて少なく、移植を希望する患者の待機期間は長期化している。臓器提供数の底上げが急務だ。
脳死提供臓器の移植を受けた人は10月25日までに4,347人。9月末時点で移植を待つ人は1万5,909人で、待機期間は心臓で約3年5カ月、腎臓では約14年8カ月に及ぶ。圧倒的に国内の臓器提供社数が少ないためだ。人口100万人当りの脳死提供者数は米国44.50人、韓国7.88人に対し、日本はわずか0.88人にとどまっている。

クマ被害 18道府県で過去最悪の173人に 秋田59人, 岩手41人など

クマに襲われてけがをするなどの被害に遭う人が増え続けている。環境省が集計した4〜9月分109人と、NHKがその後の被害分としてまとめた分を合わせると、今年度のクマ被害は18道府県で173人に上っている。すでに3年前の2020年度の158人を大きく上回り、国が統計を取り始めて以降、過去最悪となっている。農村、山間部だけでなく、街中の住宅街、商業施設や学校、文化施設などでも被害に遭うケースも少なくなく、国や自治体が対策の徹底を呼び掛けている。
地域別にみると、被害件数の多いのは秋田県の59人、岩手県の41人、福島県の13人、青森県の11人、長野県の10人、新潟県7人、岐阜県6人、富山県5人、北海道4人などと続いている。

哺乳類は宇宙でも繁殖できる可能性 山梨大, 理研がマウスで確認

山梨大学や理化学研修所などの研究チームは、宇宙のほぼ重力のない環境でも、マウスの受精卵が着床前の「胚盤胞」と呼ばれる状態まで成長できることを突き止めた。哺乳類が宇宙でも繁殖できる可能性を示した最初の研究成果という。
この研究はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力で、凍結したごく初期の受精卵720個を2021年、国際宇宙ステーション(ISS)に運び、星出彰彦宇宙飛行士が解凍し、実験した。受精卵半分ずつをそれぞれ、微小重力の環境下と、ISS内にある地上と同じ重力を発生する装置の中で培養した。この実験後、地球に戻った受精卵を確認した結果、分かったもの。

南ア NZ僅差で下し連覇 最多の4度目V達成 ラグビーW杯

ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は10月28日、決勝戦が行われ南アフリカがニュージーランドに12−11で競り勝ち2連覇し、単独史上最多の4度目の優勝を達成した。南アフリカのSOポラードが4PGを決めてチームの全得点を挙げた。ニュージーランドは後半1点差に迫ったが、2大会ぶりの優勝はならなかった。
次回大会は2027年、オーストラリアで出場チームが現在の20から24に拡大して開催される。

阪大グループ 紙おむつの処理で環境への負担軽減へ新技術開発

大阪大学の研究グループは10月24日、紙おむつに使われている水分を吸収する素材、吸水性ポリマーをトウモロコシのデンプンなどで作製することに成功したと発表した。この素材はプラスチックなどとは異なり、自然環境下で分解されるためゴミとして処理する際の負担の軽減につながると期待されている。
近年急速に増えつつある紙おむつで、ゴミとして排出される量はおよそ220万トンに上り、一般廃棄物の5%を占めるといわれている。