京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用

京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。

手紙の郵便料金84円→110円に引き上げ 10月に改定

政府は5月21日、物価問題に関する関係閣僚会議を開き、手紙(25g以下の定形郵便物)の郵便料金の上限を現行の84円から110円に引き上げる改定案を了承した。これを受け、総務省は6月中旬をめどに省令を改正し、日本郵便は10月ごろに110円に改定する見通し。はがきは現行の63円から85円に見直す。定形外郵便物などは一部を除き約30%引き上げる方針。郵便料金の値上げは消費税増税時を除き、1994年以来30年ぶりとなる。

裁判員制度開始15年 候補者の3人に1人が無断欠席 最高裁

2009年5月に裁判員裁判の制度が始まって5月21日で15年が経過した。最高裁判所の統計によると、裁判員を選ぶ手続きを無断で欠席する候補者の割合がの高まり、2023年の出席率は68.6%にとどまり、およそ3人に1人が無断で欠席していたことが分かった。2009年のスタート当初の出席率は80%を超えていたが、徐々に低下していた。
一般の人が刑事裁判の審理に参加する裁判員制度に、2009年5月以降、2024年2月末までに合わせて12万4,000人余りが裁判員や補充裁判員を務めている。

スタジオジブリに「名誉パルムドール」仏カンヌ映画祭

フランスで5月14日から始まった世界3大映画祭の一つ、カンヌ映画祭で20日、「千と千尋の神隠し」をはじめ、およそ40年にわたり数多くのアニメーション作品を生み出したスタジオジブリに、「名誉パルムドール」が授与された。
授与式でトロフィーが授与されると、会場の参加者は総立ちとなり温かい拍手が送られた。スタジオジブリから宮崎駿監督の長男、吾郎氏らが参加した。名誉パルムドールは映画監督や俳優など、映画界への多大な貢献を称える賞。カンヌ映画祭によると、個人ではなく法人・団体に授与されるのは初めてという。

富士登山予約・通行料決済 山梨県の新システム運用開始

富士山の環境保全や安全対策のため、山梨県が今年の夏山シーズンから導入する新システムの運用が5月20日から始まった。これは登山者数の上限を一日あたり4,000人とし、一人につき2,000円の通行料の支払いを義務化するもの。
現場での混乱を避けるため、県は事前に登山日を予約して通行料を決済する新しいシステムを導入。20日午前10時から予約の受け付けをスタート。県によると午後4時までに7,000人近くから予約が入ったという。
新たな予約システムは環境省や山梨、静岡両県が運営するホームページ「富士登山オフィシャルサイト」から。山小屋に宿泊するか、日帰りを選択した後、登山日や決済方法などを入力し、必要なQRコードを受け取るという。

台湾 民進党の頼清徳氏が総統に就任 中台「現状維持」を

台湾で5月20日、民進党の頼清徳主席(64)が台北市の総統府で就任の宣誓を行い、蔡英文氏の後任として第16代総統に就任した。就任式のスピーチで、頼氏は中台関係をについて、「傲慢(ごうまん)にも卑屈にもならず、現状維持」を保ち、「両岸がともに平和と共栄を追求する」よう訴えた。また、「対抗から対話へ、包囲から交流へ協力を進めたい」とも話した。
1996年有権者が直接総統を選ぶようになって以来、「同一政党が3期連続で政権を担うのは初めて。総統の任期は1期4年で2期8年まで。頼氏は1996年以降、直接選挙で有権者から選ばれた5人目の総統となる。副総統に蕭美琴氏が就任した。

新設「育成就労」法案 衆院通過 出入国管理法改正案

外国人労働者の技能実習に代わる「育成就労」制度と出入国管理法などの改正案が5月21日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決された。政府は法案が成立すれば2027年度までの施行を目指す。これにより、育成就労(3年間)を終えて試験の受かれば、さらに技能レベルが高い在留資格「特定技能」に移行できるようになる。また、永住許可制度を見直し、税や社会保険料の納付を故意に怠った場合は、永住許可を取り消すことができるようになる。

競馬のオークス チェルヴィニア制覇 桜花賞馬に雪辱

競馬の3歳牝馬3冠レースの第2戦、第85回オークス(G1、2400m芝、18頭出走)は5月19日、東京都府中市の東京競馬場で行われた。2番人気のチェルヴィニア(クリストフ・ルメール騎乗)が2分24秒0で優勝し、G1初制覇するとともに、1着賞金1億5,000万円を獲得した。桜花賞13着の惨敗からの立て直し、逆転劇だった。ルメール騎手はこのレース4勝目、木村哲也調教師は初勝利。
チェルヴィニアは1番人気で本命馬・桜花賞馬のステレンボッシュをマークする形で中団で待機。残り200m付近で先頭に立ったステレンボッシュを鋭い末脚で半馬身交わしてゴール。桜花賞の雪辱を果たした。さらに1馬身3/4差の3着に3番人気のライトバックが入った。

サッカー独フランクフルトの長谷部誠 22年間の現役引退

サッカー元日本代表主将の長谷部誠(40)(ドイツ・ブンデスリーガ、アイントラハト・フランクフルト所属)が5月18日、22年間にわたるプロ生活に別れを告げた。今季最終節、ホームのライプチヒ戦、終了直前、守備的MFとして出場し、ピッチで現役生活を終えた長谷部は「自分自身を誇りに思えるところは、最後まで自分のするべきことをやってきたこと」と語った。今後は10シーズンを過ごしたクラブに指導者として残り、育成世代の選手たちを教える予定。