年率2.7%増へ上方修正 GDP1〜3月改定値 設備投資など活発

内閣府が6月8日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.7%増、年率2.7%増だった。5月に公表した速報値(前期比0.4%増、年率1.6%増)から上方修正した。
設備投資が自動車関連を中心に活発で、速報段階の前期比0.9%増から1.4%増に上振れした。民間在庫変動はGDP全体への押し上げ効果を速報値のプラス0.1ポイントからプラス0.4ポイントに引き上げた。

政府 在留資格「特定技能2号」の11分野へ拡大を閣議決定

日本政府は6月9日、熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能2号」を現在の2分野から11分野へ拡大する案を閣議決定した。2号を取得すれば無期限就労が可能になるうえ、家族の帯同も認められる。今回、2号の追加が決まったのはビルクリーニング、製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の9分野。
特定技能は2019年4月にスタート。在留期間が通算5年の「1号」と、在留期間の更新回数に上限がない「2号」がある。1号は12分野あり、家族の帯同は認められていない。一方、2号は家族の帯同が可能だが、これまでは「建設業」「造船」の2分野しか認められていなかった。

技能実習制度は「発展的解消」転職可能な新制度創設へ

政府は6月9日、外国人材の受け入れ・共生に関する閣僚会議で受け入れ制度の改正方針を決めた。技能実習制度は国際貢献の目的と実態が大きく異なるため「発展的に解消」し、人材確保と人材育成を両立する代替の新制度を設ける。特定技能制度に関しては、長期就労が可能な業種を拡大する。外国人労働者の門戸を広げ、働き手不足に対応する。

「準難民」受け入れ 改正入管法成立 不法滞在の扱い厳格化

紛争地から逃れてきた人を「準難民」として受け入れる改正入管法が6月9日の参院本会議で可決、成立した。
改正案は2つの柱からなる。一つは紛争地からの避難民を難民に準ずる「補完的保護対象者」として受け入れる枠組みの創設。この補完的保護対象者には難民と同様に定住者の在留資格を与えたり、国民年金を支給したりする。就労の制限もなく、永住許可の要件も緩和する。
もう一つの柱が不法滞在者の扱いの厳格化。難民認定を申し出ると本国への送還手続きを止める制度を改める。政府はこれまで在留資格を失った外国人が難民申請を繰り返し、日本での滞在延長に利用する点を問題視。今回の改正法では送還手続きを止められる申請を原則2回までと定めた。入管当局は相当の理由のある資料が提出されない限り3回目の申請を認めず、強制送還の手続きに入る。

改正旅館業法成立 宿泊客に感染対策で予防措置の要請可能に

宿泊施設としてこれまで対応に限界があった顧客への感染対策で、発熱などの症状がある顧客に感染対策を要請できるようにする改正旅館業法が6月7日、参院本会議で可決、成立した。この結果、顧客に新型インフルエンザ等の感染症流行時に限り、検温やマスク着用といった対応を要請できるほか、医療機関の受診や診療結果の報告を求めることも可能になる。また、感染が発覚した場合には宿泊を拒めるようにもする。年内に施行する。
従来は、顧客の感染防止策は任意だった。そのため、新型コロナウイルス禍では発熱のある宿泊客が旅館の求める対策に応じず、従業員や他の顧客の安全確保に支障をきたすケースがあった。

近畿の5月倒産件数4割増の157件, 1〜5月で773件に

帝国データバンク大阪支社のまとめによると、5月の近畿2府4県の倒産件数は前年同月比40%増の157件に上った。17件を数えた飲食店などの倒産が目立った。前年同月を上回るのは8カ月連続。この結果、1〜5月累計で773件となり、すでに前年の上半期(752件)の倒産件数を上回った。負債総額は5.5倍の746億8,800万円に達している。

マイナ登録 本人以外の口座とのひも付け13万件, 誤登録748件

河野太郎デジタル相は6月7日、マイナンバーと公的給付金の受取口座のひも付けで本人以外の家族名義の口座を登録する事例がおよそ13万件あったと発表した。このため、給付業務を担う地方自治体は本人と口座の名義の一致を確かめたうえで振り込むことになるため、支給作業に遅れが出る可能性があるという。このほか、他人の口座と誤って登録したと疑われる事案は748件に増えた。

世銀 23年の世界成長率2.1%に上方修正 年後半は経済減速

世界銀行は6月6日、2023年の世界全体の成長率を2.1%とし、1月時点の1.7%から上方修正した。年明けから米国や中国などの景気回復が予想を上回ったため。ただ、各国の中央銀行の利上げや米国銀行の相次いだ破綻に伴う融資条件の厳格化などの影響で、今年の後半から経済は減速すると予測している。

政府が6年ぶり「水素基本戦略」改定 官民で15兆円投資

脱炭素へ次世代のエネルギーとして注目される水素の開発や普及に向けて、政府が6年ぶりに改定する「水素基本戦略」の内容が明らかになった。日本が強みとする燃料電池や水電解装置など9つの技術を「戦略分野」と位置付け、2040年に年間1,200万トンの導入を目標に、今後15年間で官民合わせ15兆円を超える投資を行うとしている。また、水素のサプライチェーン構築に向けて、海外から水素を運搬する船舶の大型化などの技術開発も進める方針。