iPS細胞で加齢黄斑変性患者に網膜移植手術 神戸

神戸市立アイセンター病院の栗本康夫院長らのグループは12月11日、視野が欠けたり視力が落ちたりする加齢黄斑変性の50代女性患者の目に、iPS細胞からつくり出した網膜の細胞をヒモ状に加工して移植する臨床研究の手術を11月下旬に実施したと発表した。術後の経過は順調で、この女性はすでに退院しているという。
同グループでは1年間にわたって安全性に問題がないか経過をみるとともに、5年間かけてさらに49人に同手術を行い、安全性や有効性を確認するとしている。

今年の漢字は「戦」 生活・スポーツ・戦争など意識

日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区)は12月12日、2022年の世相を1字で表す今年の漢字が「戦」に決まったと発表した。11月1日から12月5日の応募総数22万3,768票のうち「戦」が1万864票(4.83%)を集めて、2001年以来、2度目の第1位となった。
円安・物価高による生活上の「戦」、スポーツでの熱「戦」、挑「戦」、ウクライナ侵攻・北朝鮮のミサイル発射などにより「戦」が強く意識される年だったことを象徴した。

国際賢人会議「核兵器なき世界へ大きな第一歩」

世界各国から有識者らを招き核軍縮を議論する「国際賢人会議」が12月10、11の両日、広島市で開催された。同会議は2023年5月に広島市で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)を念頭に核軍縮に向けた国際社会の機運を高めるため持たれた。会議には核兵器国と非核兵器国の核政策に精通した日本人3人を含む各国の15人が参加。米国のオバマ元大統領、国連のグテーレス事務総長がビデオメッセージを寄せた。
岸田首相は11日、同会議閉会のセッションのあいさつや閉幕後の会見で、「核兵器のない世界に向けて国際的な機運を盛り上げるための第一歩になることを期待している」と語った。また「内容をそしゃくし、G7広島サミットにつなげていきたい」と強調した。第2回国際賢人会議をG7サミットの前に開催すると発表した。さらに2023年中に第3回の会合開催も目指す。

競馬 阪神JF リバティアイランド優勝 2歳女王に

競馬の2歳女王を決める第74回阪神ジュベナイルフィリーズ(JF、2歳牝馬、芝1600m、18頭出走、G1)は12月11日、兵庫県宝塚市の阪神競馬場で行われ、1番人気に支持されたリバティアイランド(川田将雅騎乗)が1分33秒1で優勝し、1着賞金6,500万円を獲得した。川田騎手はこのレース初勝利、中内田充正調教師は2勝目。
レースはリバティアイランドが道中、中団につけて進み、直線、他馬とは全く違う脚色で一気に差し切った。同じ舞台で行われる2023年春の桜花賞の有力馬として名乗りを上げた。2馬身1/2差の2着に12番人気のシンリョクカ、3着に10番人気のドゥアイズが入信した。

競馬 香港国際競争 ウインマリリン優勝 初のG1制覇

競馬の香港国際競争は12月11日、シャティン競馬場で日本馬計13頭がG1・4レースに出走した。このうち香港ヴァーズ(芝2400m)ではウインマリリン(レーン騎乗)が豪快に差し切り、初の海外遠征でG1初制覇を果たした。2019、2021年に続いて同レース3度目の優勝を目指したグロリーヴェイズ(モレイラ騎乗)は3着に敗れ、ラストランを飾れなかった。

上原浩治さん・藤川球児さん 特例で初の名球会入り

元巨人の上原浩治さん(47)と元阪神の藤川球児さん(42)が12月9日、特例で名球会入りすることが決まった。米大リーグでの活躍も踏まえたもので同日、沖縄県内で行われた総会で会員の4分の3以上の賛成で承認された。
2019年12月の総会で特例を設けることを決めたが、これが適用されるのは今回が初めて。過去の定めでは名球会は日米通算で、打者が2,000安打以上、投手は200勝以上もしくは250セーブ以上に限定されていた。

政府 子ども虐待対策で児童相談所職員2,000人増員へ

政府は過去最多を更新する子どもへの虐待対策として、児童相談所の職員を2023年度からの4年間で2,000人増員する方針を固めた。この新プランで2023年〜2024年度の2年間で児童福祉司を現在の5,780人から6,850人へ1,070人増やす。また、自動心理司を2023年〜2026年度の4年間で現在の2,350人から3,300人へ950人増やす。政府が児童相談所の増員計画を打ち出すことで、現場を担う自治体の体制強化を後押しする。
児童虐待は、2021年度に児童相談所が対応した件数が20万7,659件(速報値)に上り、過去最多を更新している。虐待によって死亡した子どもは2020年度が77人。このうち心中が28人、心中以外の虐待死49人のうち32人は0歳だった。

旧統一教会被害者救済法が成立 不当な勧誘に罰則

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題をめぐる被害者救済法は12月10日、参院本会議で与党や立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決、成立した。同法は宗教法人に限らず、個人から法人や団体への寄付一般が対象となる。
「霊感」で不安をあおる不当な寄付勧誘行為などに加え、借金や住居、生活に不可欠な資産を処分して資金を調達するよう求めることも禁止した。国が行った必要な措置・命令に違反すれば、1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科す。

23年度から出産一時金50万円に 過去最大の上げ幅

岸田首相は12月10日、出産した人に公的医療保険から支給する出産一時金を2023年度から50万円に引き上げると発表した。現行の42万円から8万円の増額で、過去最大の引き上げ幅となる。
また、2023年4月に発足する「こども家庭庁」のもとで6月までに、岸田政権が政策目標に掲げる「こどもまんなか社会」の実現に向け、道筋を示すと表明した。