日銀が7月8日発表した6月の生活意識アンケートによると、個人の現在の景況感を示す指数は前回の3月調査から7.8ポイント改善のマイナス61.6だった。今回の調査で3四半期連続の改善となった。ただ、変異株による感染拡大や緊急事態宣言の再発令などが影響し、数値的には低い水準にとどまった。
調査は5月7日から6月2日に全国の20歳以上の4,000人に行い、2,321人から回答を得た。
子宮移植 国内実施を容認 慶大,来年にも臨床研究
日本医学会の倫理検討委員会は7月8日、子宮がない女性に第三者から移植し、妊娠・出産ができるようにする「子宮移植」の国内実施について、臨床研究の実施を容認するとの報告書をまとめた。関連する日本産科婦人科学会と日本移植学会が合同委員会を設置し、モニタリング体制を整える。
子宮移植の国内の対象者は、出産適齢期の20~30代で5万~6万人と推計されている。海外では子宮移植はスウェーデンや米国などで2020年10月時点で82件実施され、37人が誕生している。しかし、国内では倫理面への懸念があり、また生体間移植の場合、子宮を提供する側のドナーが負う摘出手術のリスクと、移植を受けて出産するレシピエント側が受ける利益のバランスが釣り合うのかという点も、大きな論点だった。
今回の報告を受けて、国内では慶応大学のチームが」第1例の実施に向けた準備を進めており、年度内にも学内の倫理委員会に申請する方針だ。
5月景気動向指数3カ月ぶりに悪化 内閣府
内閣府が7月7日発表した5月景気動向指数(2015年=100、速報値)は、景気の現状を示す「一致指数」が前月比2.6ポイント下落し92.7となり、3カ月ぶりに悪化した。世界的な半導体不足で自動車の生産や出荷が落ち込み、影響は関連産業にも波及した。
基調判断は「改善」で据え置いた。自動車生産が滞り、エンジンや鋼材など関連部材の出荷も減少した。
日本 5月も輸出回復 経常黒字85.3%増
日本の財務省が7月8日発表した5月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は、前年同月比85.3%増の1兆9,797億円だった。新型コロナ禍で落ち込んでいた輸出の回復が続き、3カ月連続で増加した。黒字額はコロナ感染拡大前の2019年5月を上回り、5月として過去2番目の大きさとなった。
世界のコロナ死者400万人超 デルタ株猛威
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は7月7日、新型コロナウイルスによる世界の累計死者は400万人を超えたことを明らかにした。死者は4月中旬に300万人を超えたが、そこから3カ月弱でさらに100万人が亡くなった。欧米を中心とするワクチン接種が進んだことで、死者の増加率鈍化しているが、感染力の強いインド由来のデルタ株が各地で猛威を振るい、感染が再拡大し、その対応に追われている地域も少なくない。
死者が多いのは米国(約61万人)、ブラジル(約53万人)、インド(約40万人)、メキシコ(約23万人)、ペルー(約19万人)、ロシア(約14万人)、そして英国、イタリアがそれぞれ約13万人で続いている。
米ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、世界のコロナ累計感染者数は1億8,400万人を超えており、デルタ株の動向から早晩2億人に達しそうな情勢だ。
大谷32号 ゴジラ超え 日本選手のシーズン最多本塁打
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(27)は7月7日、本拠地アナハイムのエンゼルススタジアムで行われたレッドソックス戦に打者で出場し、2-2の5回に勝ち越しの32号ソロを放った。「ゴジラ」の愛称で親しまれた松井秀喜がヤンキース時代の2004年にマークした日本選手のシーズン最多本塁打記録を更新した。
シーズンはまだ半ば。残り試合からどこまで記録を伸ばすか、そして大リーグでの本塁打王争いの有力な一角として、どこまで存在感を示すか、興味は尽きない。エンゼルスは162試合のレギュラーシーズンで86試合を消化。試合は5-4で競り勝った。
中国に「尖閣は日本領」認識の地図集 71年以前
日本政府の「領土・主権展示館」(所在地:東京・霞が関、以下、領土館)や、中国の政府機関が1971年以前に発行した公式地図や機関紙などによると、中国は尖閣諸島(所在地:沖縄県石垣市)は1971年以前は、日本領だと認識していたことが分かった。
なぜ、中国がその後、突然尖閣は中国の領土だと主張し出したのかといえば、1960年代後半に東シナ海に石油資源が大量に埋蔵されている可能性が指摘されたためだ。これを機に中国の認識が一変。石油資源の確保を巡り、尖閣に対し領有権を初めて公式に主張し出した。1971年12月のことだ。
中国の、日本でいう国土地理院にあたる中国の「国家測絵総局」(当時)直属の地図出版社が発刊した「世界地図集」をみると、明確になる。地図集の1960年版では、尖閣は日本の地図を示すページに記載されていた。ところが、1972年版になると日本のページから削除され、中国のページに追加されている。また、1960年版は尖閣の「魚釣島」をその名称のまま表しているが、手のひらを返したように1972年版になると中国政府が現在使っている「釣魚島」に変更しているのだ。
領土館はいま既述した、中国側の資料を含めた、こうした実態を詳細に理解できる資料の展示を行っている。
松坂投手今季限りで引退 右手の痺れ抜けず
プロ野球西武ライオンズは7月7日、松坂大輔投手(40)が今季限りで引退すると正式に発表した。2020年、14年ぶりに古巣、西武に復帰したが、首の痛みと右手のしびれが強くなり、7月5日に「脊椎内視鏡頸椎手術」を受けた。今年復活を目指していたが右手のしびれが抜けず、今年の公式戦での登板はなかった。
通算成績は日本で218試合に登板して114勝65敗1セーブ、防御率3.04.大リーグでは158試合で56勝43敗1セーブ、防御率4.45.
オリンピックやワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも日本代表のエースとして活躍した。
東京 緊急事態宣言再発令へ 大阪「まん延」延長
政府は、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を適用中の東京都に対し、緊急事態宣言を7月12日から再発令する方針を固めた。都内での感染再拡大を受けた対応。同宣言を発令中の沖縄県は期限を延長する。
まん延防止等重点措置を適用中の9道府県のうち、大阪府と埼玉、神奈川、千葉の首都圏3県は11日までの期限を延長する。いずれも新たな期限は8月22日になる見込み。こうした方針に伴い、東京オリンピックは首都圏の会場は原則無観客となる可能性が高まった。
大阪・中之島にiPS細胞の研究・製造施設設置へ
大阪府と京都大学iPS細胞研究財団(京都市)は7月6日、大阪・中之島に設けられる先端医療の研究拠点「未来医療国際拠点」の中に、再生医療に使うiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究・製造施設を設置すると発表した。
同施設ではiPS細胞を低価格で提供するための研究や、細胞の培養や製造を手掛ける。2025年4月ごろまでに稼働させる計画だ。施設の設置は同研究財団が進める「my iPSプロジェクト」の一環。2025年度をめどに、現在1人あたり数千万円のコストがかかるiPS細胞を約100万円で提供することが目標。