大阪大学発のバイオベンチャー企業、アンジェスは6月30日、新型コロナウイルスの遺伝子ワクチンの臨床試験を開始したと発表した。新型コロナワクチンの臨床試験は米国や中国などではすでに始まっているが、日本国内では初めて。
臨床試験ではアンジェスが開発した遺伝子ワクチンを、健康な成人30人に大阪市立大学医学部附属病院で投与する。投与するのは2週間ごとに2回で、安全性や感染を防ぐ抗体がつくられるかを確認する。
遺伝子ワクチンはウイルスそのものは使わずに、ウイルスの表面にあり、細胞に感染する際の足掛かりとなる「スパイクたんぱく質」の遺伝子を組み込んだ物質を注射する。
日銀短観 リーマン・ショック直後に次ぐ過去2番目の落ち込み
日銀が7月1日発表した短観(企業短期経済観測調査)によると、大企業製造業の景気判断を示す指数が大幅に悪化し、リーマン・ショック直後に次ぐ過去2番目の大きな落ち込みとなった。
短観は国内の企業およそ1万社に、3カ月ごとに景気の現状などを尋ねる調査で、景気が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた指数で景気を判断する。
今回の調査は5月下旬から6月末にかけて行われ、大企業の製造業の景気判断の指数が、前回のマイナス8ポイントからマイナス34ポイントへ一気に26ポイント低下。リーマン・ショック直後の2009年3月に次ぐ過去2番目の大きな落ち込みとなった。大企業の非製造業は前回の8ポイントからマイナス17ポイントへ悪化し、悪化幅はリーマンショック直後を上回る過去最大の落ち込みとなった。
業種ごとにみると、「宿泊・飲食サービス」がマイナス91、生産や輸出が落ち込んだ「自動車」がマイナス72、「鉄鋼」がマイナス58にそれぞれ悪化している。一方、テレワークの広がりで、「情報サービス」がプラス20、「通信」がプラス8と、前回より下がったもののプラスを維持している。また、”ステイホーム”により、「小売」はプラス2と前回より改善した。
先行きについては、大企業の製造業がマイナス27、非製造業がマイナス14とやや改善する見通し。
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中国「香港国家安全維持法案」可決 「一国二制度」事実上崩壊へ
中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は6月30日、中国政府が香港で統制を強める「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決、成立させた。そして、香港返還記念日の7月1日より施行する。
同法は①国家の分裂②政権の転覆③テロ活動④海外勢力と結びついて国家の安全に危害を加える行為-などを厳正に処罰するのが柱。同法の成立により、中国政府は香港に治安維持機関「国家安全維持公署」を新設し、中央政府の関与を大幅に強め、中国本土と同様、過激な抗議活動などを封じ込めることが可能になる。そして、同法に違反した場合、犯罪として刑事責任を問う。
1997年、英国から香港が返還されて以来23年目。中国政府は返還後50年間は維持するとしてきた、香港に高度な自治を認める「一国二制度」は、いよいよ事実上崩壊する、歴史的な岐路に立った。
コロナ関連倒産285件に 6月は4日残し93件発生 4、5月上回る
東京商工リサーチのまとめによると、6月26日17時現在、新型コロナウイルス関連により経営破綻(負債1,000万円以上)した企業は全国で285件(倒産209件、準備中76件)に達した。2月の2件、3月の23件、4月の84件、5月の83件に続き、6月は4日間を残し、4、5月を上回るペースで発生、26日までに93件に上っている。
都道府県別では、和歌山県、島根県、高知県の3県を除く44都道府県で発生。東京都が66件(倒産54件、準備中12件)で最多。以下、大阪府25件(同19件、同6件)、北海道17件(同15件、同2件)、静岡県14件、兵庫県13件、愛知県12件の順。10件以上発生しているのは6都道府県に上っている。
業種別にみると、飲食業が45件で最多。ホテル・旅館の宿泊業が38件、アパレル関連が35件で続いている。
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イベント中止・延期の経済損失3兆円余 政策投資銀が推計
日本政策投資銀行はこのほど、新型コロナウイルスの影響で音楽やスポーツなど様々なイベントが中止や延期になった経済損失は、3~5月の3カ月間で3兆円余に上るとの推計をまとめた。
自治体などの主催による地域のまつりは3カ月間で1,116件が中止や延期になり、1兆7,411億円に達したほか、音楽やライブ、演劇などの中止や延期は1万2,705件で9,048億円、プロ野球やサッカー、Jリーグなどのプロスポーツは1,150件で2,688億円のそれぞれ損失。このほか、国際会議や展示会などの中止や延期による損失も含めると全体で3兆256億円に上ると推計した。
この推計には観客の宿泊費、飲食代、会場の使用料、スタッフの人件費などの波及効果などが含まれる。