23年度国民年金の最終納付率83.1% 2年連続で80%超え

厚生労働省は6月27日、2023年度の国民年金保険料の最終納付率が前年度比2.4ポイント増の83.1%だったと発表した。この結果、2022年度に初めて80%台に到達した最終納付率は、2年連続で8割を超えた。日本年金機構は2028年度までに80%台後半まで引き上げる目標を掲げている。
納付率が向上したのは、スマートフォンのアプリを使って納付できる制度を導入したり、過去に遡って納付できる仕組みを周知したりして利便性を高めたため。なお過去2年度分支払っていない未納者は、79万人で2022年度比10万人減少した。

大阪観光局 公式アプリに10月以降 NECの顔認証決済を導入

大阪観光局は6月27日、観光客向けに独自開発したアプリ「Discover OSAKA」にNEC(日本電気、本社:東京都港区)の顔認証決済機能を搭載すると発表した。事前に顔写真やクレジットカード情報などを登録すると、店舗に設置されたカメラに顔をかざすだけで支払いが完了する。10月以降、大阪市内の観光施設など約10店舗で決済サービスが利用できる予定。対応する店舗は順次増やしていく考え。登録者数は2024年度中に1万人を目指す。

「eYACHO」と「Orario」連携で建設現場での迅速変更可能に

MetaMoji(本社:東京都港区)は6月26日、ゼネコン(総合建設業)で広く利用されている施工管理アプリ「eYACHO」と、ウエッブアイ(本社:東京都江東区)の工程管理ツール「Orario」シリーズが機能連携し、「eYACHO」の機能として提供開始することになったと発表した。
計画の変更が正確かつ容易に行える「工程s Orario」と、施工現場での帳票作成やリアルタイム情報共有で定評のある「eYACHO」が連携することにより、様々な理由で頻繁に変更されることが多い施工計画を、施工現場での日次の工程表や作業間調整に遅滞なく反映することができるようになり、2024年問題解決の一助となる。

塩野義コロナ飲み薬「ゾコーバ」投与で入院リスク37%低下

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は、6月27〜29日に開催された日本感染症学会で、同社が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」に関して実施した大規模臨床研究の結果を発表した。これは16万人超のコロナ患者を対象とした研究で、ゾコーバを投与した場合の入院リスクは、投与していない場合に比べて37%低下した。これにより、同社はゾコーバについて、「重症化リスクがある患者に効果的な治療薬であることが示された」としている。

5月 有効求人倍率1.24倍に低下 完全失業率2.6%で横ばい 

厚生労働省が6月28日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1,24倍で、前月比で0.02ポイント低下した。一方、総務省が同日発表した5月の完全失業率は2.6%で、前月から横ばいだった。
5月の有効求人数は0.1%増の236万2,973人。有効求職者数は1.9%増の206万8,269人だった。新規求職申し込み件数は1.4%増えた。物価上昇が続く中、収入がより高い企業への転職や、掛け持ちの仕事を探す求職者が増えた。
景気の先行指標とされる新規求人数(原数値)は、前年同月から0.6%現象した。生活関連サービス業・娯楽業(10.6%減)や製造業(7.4%減)で落ち込みが目立った。

ANAとJAL カスハラ対策で連携 NG行為を9分類 現場対応

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は6月28日、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対処方針を共同でまとめたと発表した。カスハラの定義を具体的に9つに分類した。これにより該当する言葉・行動に対し、現場の裁量で判断できるようにし、従業員が迅速な対応が取りやすくした。国内航空シェアで7割超の2社が連携して対策に実効性を持たせ、カスハラ被害から従業員を守り、離職を防ぐ。

ソフトバンクG, 米Tempus 先進医療AI「SB TEMPUS」設立

ソフトバンクグループは6月27日、米国のAIと精密医療のリーディングカンパニー、Tempus AI Inc.(以下、Tempus)との合弁会社「SB TEMPUS(エスビー天パス)」(所在地:東京都港区)を設立すると発表した。両社は7月に想定されるクロージング完了をもって、新会社にそれぞれ150億円を出資する。この新会社は、Tempusが米国で蓄積した知見や技術を応用した個別化医療を支援するサービスを日本で提供し、日本の医療のさらなる進歩を目指す。

JAXA「H3」ロケット打ち上げ 7/1に延期 天候悪化で

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月28日、30日に予定していた国の大型基幹ロケット「H3」3号機の打ち上げを、7月1日に延期すると発表した。延期の理由は打ち上げ予定日の前日および当日の、29、30日の天候悪化が懸念されるため。7月1日も打ち上げられるかどうかは、6月29日以降の天候を踏まえて判断する。新たに設定された打ち上げ時間帯は7月1日午後0時6〜19分。予備期間は7月末まで設けている。
ロケットには災害状況の把握に使う国の地球観測衛星「だいち4号」を搭載し、種子島宇宙センター(所在地:鹿児島県南種子町)から打ち上げる。

三菱UFJ銀 タイAscend Money社に300億円相当を出資

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)の連結子会社、三菱UFJ銀行およびKrungsri Finnovate Co.,Ltd.は6月26日、タイでデジタル金融サービスを提供するAscend Money Company Limited(以下、Ascend Money社)への1億9,500万米ドル(約306億円)相当のタイバーツの出資を決定し、Ascendo Money社と出資関連契約を締結したと発表した。
Ascend Money社はタイ最大の財閥CP(チャロン・ポカパン)グループの金融事業の中核を担う同国最大のデジタル決済事業者。今回の出資を通じてデジタル金融の成長を取り込み、MUFGのフランチャイズバリューの中長期的な拡大を視野に入れたもの。