世界半導体市場 24年は過去最高の95兆円規模 AIが牽引

世界の有力半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)は6月4日、2024年の半導体市場が前年比16%増の6,112億ドル(約95兆円)になるとの見通しを発表した。2023年11月に公表した従来予測から上方修正した。生成AI(人工知能)への投資が活発で需要が拡大する。プラス成長は2年ぶり。2024年の市場規模は過去最高だった2022年を上回る。2025年も引き続き伸びが見込まれ、市場規模は2024年比12%増の6,873億ドルと過去最高を更新する見通し。
2024年の日本市場(円ベース)は前年比5%増の約6兆8,670億円を見込む。政府の補助金によって半導体投資が活発化しており、2025年は9%増の約7兆5,088億円となる見通し。

ヤングケアラー支援法成立 国・自治体の努力明確化

日常的に家族の世話や介護を担う子ども「ヤングケアラー」への支援強化を盛り込んだ改正子ども・若者育成支援推進法が6月5日、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。国や自治体が18歳以上も含めたヤングケアラー支援に努めることを明確化した。
改正法は引きこもりなど年令を問わず「社会生活に困難を有する子ども・若者」に対して、国や自治体が支援に努めることを規定。新たにヤングケアラーもその対象として明記した。

WHO 鳥インフル「H5N2型」ヒトへの感染 初めて確認

世界保健機関(WHO)は6月6日、鳥インフルエンザウイルス「H5N2型」にヒトが感染した事例が世界で初めて確認されたと発表した。感染したのはメキシコに住む59歳の患者で、発熱や息切れなどの症状で入院し死亡した。この患者はもともと複数の基礎疾患があったという。現時点では周囲への感染拡大は確認されておらず、WHOは一般の人々へのリスクは低いとしている。

23年度下請法違反の返還額37.3億円 11年ぶり高水準

公正取引委員会は6月5日、下請法の2023年度の運用状況を発表した。発注側の減額や支払い遅延によって下請け企業が被った不利益に対する返還額は、マスコミで騒がれた、突出した日産自動車の違反が加わって約37億3,000万円に上り、11年ぶりの高水準となった。
全体では発注事業者計174社から下請事業者計6,122社に計37億2,789万円が返還された。2022年度の返還額11億3,465万円から3倍を超える額となった。これは統計で比較可能な2008年度以降、2012年度の約57億円に次いで過去2番目の高水準。
公取委によると、2023年度は日産自動車の下請け企業36社への支払い代金約30億2,300万円を不当に減額した違反があったため、額が突出して多くなったという。下請法違反による減額として認定された額として過去最高となった。

ホンダ 米国で新型燃料電池車の生産開始 年内に米日で発売

ホンダは6月6日、米国オハイオ州メアリズビルの四輪車生産拠点パフォーマンス・マニュファクチュアリングセンター(PMC)で、新型燃料電池車「CR-V e-FCEV」の生産を開始したと発表した。今年、米国および日本での発売を予定。
CR-V e:FCEVは外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池車。家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで、利便性をさらに高めている。これにより、充填走行距離は270マイル以上、EV走行可能距離は29マイル以上となっている。

大阪 国際金融都市へ第一歩「金融・資産運用特区」指定

大阪府・大阪市は6月4日、政府が創設する「金融・資産運用特区」に指定された。これにより、他に名乗りを上げた東京都、福岡県・福岡市、北海道・札幌市とともに、海外の金融関連企業などの進出を促す規制緩和が認められる。ただ、「国際金融都市構想」実現には、起業支援など投資マネーを呼び込む取り組みなど課題も少なくない。

ツクイとパナソニック ICT活用 次世代デイサービスで協業

デイサービス事業所数大手のツクイ(本社:横浜市)とパナソニックコネクト(本社:東京都中央区)は6月4日、高齢化の進展を見据え、カメラ映像を活用した次世代デイサービスの実現に向けて共創を開始すると発表した。
第1段階として、2024年7月に開所するツクイ三郷早稲田(所在地:埼玉県三郷市)とツクイ市川宮久保(所在地:千葉県市川市)のデイサービスの2事業所内に、クラウド型現場映像活用サービス「Cameleo」、顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」などカメラや顔認証などを使ったシステムを導入し、運用を始める。第2段階(2025年度予定)では、応用環境として基礎環境で導入したカメラ映像を解析する様々な可視化サービスを導入していく。

日立 米MSと生成AIで協業 3年で数千億円の業容増見込む

日立製作所は6月4日、米マイクロソフト(MS)と生成AI分野で協業し、業務システムを共同開発すると発表した。MSのクラウド、Azure Open AI Serviceなどを日立のLumadaソリューションに組み込みLumada事業の成長を加速する。今後3年間で数十億ドル(数千億円)の業容増大を見込む。これにより、企業と社会に変革をもたらす革新的なソリューションの創出に注力するとともに、日立グループ27万人の生産性向上につなげる。

サッカー レアル・マドリード 仏代表エムバペ獲得を発表

サッカーのスペイン1部リーグのレアル・マドリードは6月3日、去就が注目されていたフランス代表FWエムバペ(25)の獲得を発表した。契約期間は5年。エムバペは2018年のワールドカップ(W杯)ロシア大会優勝に貢献し、準優勝した2022年カタール大会は得点王に輝いた。この間、在籍したパリ・サンジェルマンでは6季連続リーグ得点王となり、多くの国内タイトル獲得に貢献した。

23年の合計特殊出生率1.20で過去最低を更新 8年連続低下

厚生労働省は6月5日、2023年の人口動態統計を発表した。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.20で過去最低を更新した。2016年から8年連続で低下した。これまでの最低は2022年と2005年の1.26だった。
年齢別の出生率をみると、最も落ち込み幅が大きかったのは25〜29歳の女性だった。第1子出生時の母の平均年齢は31.0歳となり、初めて31歳台になった。地域別にみると、出生率が最も低いのは東京都の0.99だった。1を割り込んだのは東京だけだった。最も高いのは沖縄県の1.60だった。全47都道府県で前年を下回った。
外国人を除く出生数は前年比5.6%減の72万7,277人だった。出生数は17年連続で死亡数を下回り、自然減は84万8,659人となった。これは前年よりも5万人多く、人口減少のペースが加速している。