大阪IR工事 万博会期中の一部延期, 騒音対策などで配慮

首相官邸で9月10日、岸田首相、関係閣僚のほか大阪府の吉村知事等が出席して2025年大阪・関西万博の準備状況を話し合う会議が開かれ、万博会場に隣接して建設が予定されているIR(統合型リゾート施設)建設工事について、万博の開催期間中の騒音などへの懸念から一部の工事を延期するなどの対応をとることが報告された。
IR工事の具体的な対応策は①杭の工事をおよそ2カ月間延期することで、重機の稼働台数や工事に伴う騒音のピークを万博の閉幕後にずらす②騒音の少ない工法を採用したり、防音シートを設置する③会場における渋滞の発生を防ぐため、工事車両の台数の削減を進めるーなどとしている。

アジア開銀総裁候補に神田前財務官を擁立へ 鈴木財務相

鈴木俊一財務相は9月10日、アジア開発銀行(ADB)の次期総裁候補に内閣官房参与の神田真人氏を指名する方針を正式に表明した。現総裁の浅川雅嗣氏は2025年2月23日付で辞任する意向。神田氏は2021年7月から2024年7月末まで財務官を務めた。3年にわたる任期中には歴史的な円安に見舞われ、神田氏が指揮した円買い・ドル売り介入総額は24兆円に上る。

パナソニック 和歌山でテスラ向けEV新型電池生産開始

パナソニックホールディングスは9月9日、和歌山県紀の川市の工場で米国のEV(電気自動車)大手、テスラ向けに開発を進めていた新型バッテリーの生産を開始したと発表した。
これを担うのはパナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)で、およそ100億円を投じて工場をリニューアルし生産体制を整備した。これにより、新たなバッテリーの容量従来の5倍で、EVに搭載するバッテリーぞ数を減らすことができるという。組み立ての効率化などによるEVの生産コストの削減につながることが期待される。

「ハワイアンズ」運営の常磐興産 米投資ファンドが買収へ

福島県いわき市の温泉リゾート施設「スパリゾート ハワイアンズ」の運営会社、常磐興産が、米国の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに買収される見通しとなった。9月9日、常磐興産が発表した。同ファンドが持つ経営ノウハウや資金力を活用して、集客の強化につなげるのが狙いで、施設のブランドや雇用は維持される見込み。
ファンド側は今後、TOB(株式の公開買い付け)を行い、2025年3月ごろに完全子会社化したうえで、上場を廃止する方針で、施設のブランドや雇用は維持するとしている。

スーパー台風 中国南部・ベトナム北部を直撃 死者70人超?

台風としては最大級、破格の11号(ヤギ)は9月7〜8日に中国南部からベトナム北部を直撃し、各地に甚大な被害をもたらした。建造物を根こそぎ、また車や人をあっさり吹き飛ばし、家屋の屋根部分を剥がし飛ばす、猛烈な暴風雨はさながらSFをみているようだった。その結果、9日時点でベトナムの死者・行方不明者数は70人を超えたとの情報もある。これに中国、フィリピンを合わせた死者は80人以上に上るとみられる。

アップル 生成AI搭載の最新スマホ発表 価格は据え置き

米国のアップルは9月9日、カリフォルニア州の本社で生成AIの機能を搭載した最新のスマートフォン「iPhone16」の4機種を発表した。独自の生成AIのシステム「アップルインテリジェンス」を導入。AIが複数のアプリと連携し、メールの内容を要約するほか、返信の文案を作成したり、保存された家族や友人の写真から画像や絵文字を生成したりするとしている。国内直販価格は12万4,800円からに設定し、2023年9月発売の「iPhone15」から据え置いた。
すでに市場では米国のグーグル、韓国のサムスン電子など、IT大手の間で生成AI搭載のスマホ、端末を発表する動きが加速。新たな付加価値をつけようと競争が激化している。

福島第1原発デブリ取り出しに試験的取り出しに着手 東電

東京電力ホールディングスは9月10日、福島第1原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の試験的取り出しに着手した。8月22日に初の着手を試みたが、ミスが見つかり作業を中断していた。今回は取り出し装置が午前7時20分に原子炉につながる貫通部手前の弁を通過した。今後2週間程度かけて3グラム以下の少量のデブリを取り出す。
デブリは1〜3号機でおよそ880トンあると推計されている。デブリは極めて強い放射線を出し続け、人が近づくことができない。このため遠隔操作での作業となり、作業は難易度が高い。そして途方もない時間がかかるとみられている。

米エミー賞 真田広之さん『SHOGUN 将軍』14部門で受賞

米国の優れたテレビ番組などに贈られるエミー賞の9月15日の主要部門の発表に先立ち、ロサンゼルスで8日、技術系・美術系部門の表彰者が発表された。様々な賞に輝いたのが俳優・真田広之さんがプロデュース・主演を務めた『SHOGUN 将軍』で撮影賞、編集賞、キャスティング賞など14部門で受賞する快挙を達成した。
SHOGUN 将軍は、戦国時代が舞台で、武将とその家臣となったイギリス人航海士などをめぐる物語。

バングラデシュで旧日本兵の遺骨収集 11月に初めて実施

太平洋戦争(1941〜1945年)中にイギリス軍の捕虜としてバングラデシュに連行されて、現地で死亡したとされる旧日本兵の遺骨収集が今年11月に初めて実施されることになった。
国が平成26年度から行っている現地調査で、合わせて43人の旧日本兵の墓地があることが分かり今年7月、バングラデシュ政府から遺骨収集の許可が出たため、11月に実施されることになった。厚生労働省によると、太平洋戦争中に旧日本軍が当時イギリスの支配下にあったインド北東部の攻略を目指した「インパール作戦」の際、イギリス軍の捕虜となって、バングラデシュに連行されたもの。

丸紅 タイで廃タイヤ熱分解リサイクル事業へ出資参画

丸紅(本社:東京都千代田区)は9月6日、タイで廃タイヤの熱分解リサイクル事業を展開するGreen Rubber Energy Company Limited(所在地:タイ・サムットプラカーン県、以下、GEE、処理能力:廃タイヤ年間約1万トン)に出資参画したと発表した。
GREは廃タイヤの熱分解により、再生カーボンブラック(以下、iCB)や再生油などを取り出す技術開発に10年以上取り組んできた。その結果、GREはタイヤ用途に利用可能なrCBの安定的な生産を実現した。丸紅は今回の出資参画により、タイにおける廃タイヤの回収からrCB・再生油などのリサクル原料の生産・販売に至る、タイヤのリサイクルサプライチェーンの構築を目指す。
現在世界では年間3,000万トン以上のタイヤが廃棄され、相当量の廃タイヤが環境負荷の高い埋め立て地や焼却により処理されている。このため環境負荷を低減する方法として、廃タイヤをタイヤ原料に再利用するリサイクル技術への注目が高まっている。