慶応大 国内初「子宮移植」臨床研究を申請 3人に実施 

慶応大学のチームは11月24日、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」の患者や、手術により子宮を摘出した患者らを対象に、こうした女性が出産できるようにするため、第三者の子宮を移植する臨床研究の実施計画を学内の倫理委員会に申請した。承認されれば国内初の子宮の移植手術が実施される。計画では20〜30代の女性3人程度に実施。子宮の提供者は母親など親族を想定している。
日本医学会によると、世界では2021年3月時点で米国やスウェーデンなど16カ国で85例の人での子宮移植が実施され、うち40例が出産に成功しているという。

上海ディズニー 11/25に営業再開 感染対策は強化

上海ディズニーは11月24日、休園中のテーマパークの営業を25日から再開すると発表した。新型コロナウイルスの感染者が訪れたことが判明し、10月31日から休園していた。
再開後は来園者に48時間以内の陰性証明の提示を求めるなど、感染対策を一段と強める。周辺にある関連商業施設などは先行して11月17日から営業再開していた。

クールジャパン機構 巨額累積赤字で統廃合検討へ

経済産業省が所管する官民ファンド「クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)」が統廃合を検討される状況に追い込まれている。
クールジャパン機構は、アニメや日本食などの海外展開を支援するため、政府の肝いりで2013年に設立されたが、累積赤字額は309億円に拡大している。経産省は2025年度に黒字転換させるとして存続を目指しているが、財務省は組織の統廃合を検討している。

熊本城 完全復旧は30年後 当初予定より15年遅れ

熊本市の大西一史市長は11月22日、2016年の熊本地震で被災した熊本城について、復旧完了は2052年度になるとの見通しを明らかにした。石垣の復旧方法の検討に当初の想定より時間がかかることなどが原因で、これまで発表していた計画より15年遅くなる。
なお、本丸御殿と国の重要文化財の宇土櫓(やぐら)の復旧は2032年度に完了する見通し。また、すべての重要文化財建造物と、主要区域の工事は2042年度までに終わる予定。

居酒屋上場16社 コロナ前から約2割,1274店舗削減

新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた業種は、飲食業や宿泊業などをはじめとして少なくないが、居酒屋業界もその一つで、大手各社で依然として店舗の撤退が続き歯止めがかかっていない。
東京商工リサーチのまとめによると、上場居酒屋チェーン主要16社の店舗数はコロナ前の2019年12月末の6,661店から、2022年9月末時点で5,387店へと、1,274店(19.1%)減少している。政府、自治体などからの営業制限がなくなり、客足は戻りつつあるが、事業採算は上向かず、6月末から9月末で111店(2.0%)減となっている。撤退に歯止めがかかっていないのだ。
コロナ前から最も店舗が減少したのは、居酒屋「はなの舞」や「さかなや道場」を運営するチムニーの250店舗減。同社は738店舗から488店舗へ削減した。次いでレインズインターナショナル(親会社コロワイド)の245店舗減(1,839店舗から1,594店舗へ)、大庄の197店舗減(487店舗から290店舗へ)などとなっている。

塩野義 新型コロナワクチンの承認申請 国内製薬で初

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は11月24日、開発を進めてきた新型コロナウイルスの組み換えたんぱく質ワクチン「コブゴーズ」を、厚生労働省に承認申請したと発表した。国内の製薬会社が新型コロナウイルスワクチンの承認を申請するのは初めて。
同社が承認申請したのは、1回目と2回目の接種を想定した臨床試験で、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値がアストラゼネカのワクチンよりも高いと確認できたほか、3回目の接種を想定した臨床試験では、中和抗体の値がファイザーのワクチンを接種した場合と同じ程度だったとしている。

豊田通商,リファインバースとエアバッグをリサイクル

豊田通商(東京本社:東京都港区)は11月22日、再生素材メーカー、リファインバース(本社:東京都千代田区)と協業し、日本で廃車のエアバッグ袋を回収し、リサイクルする事業化を検討すると発表した。事業化に向けて、11月から回収・資源化の実証を開始した。
リファインバースはエアバッグなどの部品から異物を高度に分離・除去し、マテリアルリサイクルする量産技術を独自開発し、保有している。豊田通商は1970年代から廃車のリサイクル事業に取り組んでおり、蓄積された知見や回収ネットワークがある。
今回両社の協業により、これまで焼却処理されていた廃車のエアバッグ袋を回収し、異物分離技術を活用して再資源化する事業を開始することを検討する。これにより、Car to Carサーキュラーエコノミー(循環型社会)実現に寄与する。
なお、豊田通商は2023年4月よりベトナムのエアバッグ製造工場でナイロン製エアバッグ端材のリサイクル事業を開始する予定。

TGES,ホンダ リチウムイオン蓄電池と太陽光で基本合意

東京ガスエンジニアリングソリューションズ(本社:東京都港区、以下、TGES)は11月22日、ホンダおよびホンダ熊本製作所におけるリチウムイオン蓄電池と太陽光発電の導入事業の基本合意契約を締結したと発表した。
TGESがホンダ熊本製作所に国内工場向けでは最大規模となるリチウムイオン蓄電池(20MWh)と、太陽光発電設備(屋根置き型1200KW・カーポート型800KW)を、顧客の初期投資を必要としないエネルギーサービス方式で導入する。
2023年度末までの増設を計画している太陽光発電設備(カーポート型1200KW)を含めると、太陽光発電設備の容量が7000KWに達し、リチウムイオン蓄電池と組み合わせることで年間約3,300トンのCO2排出量削減が見込まれるという。

トヨタ 12月世界生産75万台に 国内3工場4ライン停止

トヨタ自動車は11月22日、12月の世界生産台数を75万台程度(国内約25万台、海外約50万台)とすると発表した。半導体不足が続いているためで、国内3工場の4ラインの稼働を一時停止する。これに伴い12月の世界生産は、2022年11月の生産計画と2021年12月の生産実績、80万台を6%程度下回る見込み。
ただ、2023年3月期の年間920万台とする年度計画は据え置くとしている。

マツダ 30年までに電動化投資に1.5兆円 EVシフト

マツダは11月22日、2030年に向けた経営方針を発表した。2030年に世界販売に占める電気自動車(EV)の比率を25〜40%にし、EVシフトを強める。これを実現するため車載電池大手と新たに提携することにより、2030年までに電動化に計約1兆5,000億円を投資する。同社はガソリンエンジンなどの内燃機関の技術向上とEVを両輪とする戦略を掲げてきたが、今回EVシフトを鮮明にした。