日イ両国の29団体約60人が参加し防災ワークショップ
インドネシアの防災能力向上を目指して活動する日本・インドネシア両国の団体が意見交換するワークショップが9月11日、南ジャカルタの国際協力機構(JICA)インドネシア事務所であった。行政機関や非政府組織(NGO)、学生、企業など29団体から約60人が参加し、それぞれの活動を報告し合ったり、共通の課題について議論した。JICAとインドネシア国家防災庁が、普段は個別に活動する団体間の交流の場をつくろうと、今回初めて企画した。
日イ両国の29団体約60人が参加し防災ワークショップ
インドネシアの防災能力向上を目指して活動する日本・インドネシア両国の団体が意見交換するワークショップが9月11日、南ジャカルタの国際協力機構(JICA)インドネシア事務所であった。行政機関や非政府組織(NGO)、学生、企業など29団体から約60人が参加し、それぞれの活動を報告し合ったり、共通の課題について議論した。JICAとインドネシア国家防災庁が、普段は個別に活動する団体間の交流の場をつくろうと、今回初めて企画した。
インドネシア大学で日本講座開講 12月までリレー講義
西ジャワ州デポックのインドネシア大学(UI)は9月11日、日本の政治経済や文化について日本・インドネシアの産官学を代表する講師13人がリレー講義する日本講座を開講した。インドネシア人学生に、日本に幅広い関心を持ってもらうのが狙い。昨年に続き2回目。
同講座では初回の鹿取克章・駐インドネシア日本大使はじめ、佐々木篤・国際協力気候(JICA)所長、本岡卓爾ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)理事長ら日本人講師のほか、ハッサン・ウィラユダ元外相、長期にわたってインドネシアで事業展開するパナソニック・ゴーベル・インドネシアの幹部、さらに日本と産官学各界で活躍するインドネシア人も増やしていく予定。
初回は講師として鹿取大使が登場し、「日本の外交政策、インドネシア二国間関係」の題で講演。約150人の学生を前に、①2013年上半期の日本からインドネシアへの投資額が全体の16.2%(23億㌦)を占めるなど政治経済面での関係は深まり、日イ関係が新たな段階を迎えている②08年に始まった日イ経済連携協定(EPA)で、これまでに看護師・介護福祉士候補者計1048人が日本に派遣され、192人が国家試験に合格している③2013年上半期の訪日インドネシア人観光客数が過去最高の6万5000人を記録したこと-などを説明。今後はとくに両国の人的交流が活発化していくと指摘し、「日・イ関係をより緊密にしていこう」と呼び掛けた。
友好の絆深まる 大盛況の第5回ジャカルタ日本祭り閉幕
第5回ジャカルタ日本祭り(JJM)は9月8日、中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)広場でのクロージングイベントで幕を閉じた。1日の開幕から1週間、各所で文化、社会、スポーツの交流イベントを開催。フィナーレは両国の伝統芸能やアイドル歌手のショーなどに沸き、会場はインドネシアの若者を中心とする来場者で身動きが取れないほどの大盛況だった。日本・インドネシア国交樹立55周年、日本・ASEAN友好協力40周年の節目を迎えた今年、市民交流を通じて、友好の”きずな”がさらに深まった。
最終日の8日、炎天下のモナス広場に設置されたメーンステージの左右には、たこ焼き、お好み焼き、カレーなどの日本食ブースが並び、終日長蛇の列。ステージでは大江戸助六流ジャカルタ太鼓クラブや高知よさこい百花繚乱、沖縄エイサー、徳島阿波踊りなど日本の伝統芸能で力強くスタート。イベントの合い間には”ソイヤ、ソイヤ”の掛け声とともに神輿や山車が会場を練り歩く。次いで、日本・インドネシア合作の特撮ヒーローテレビ番組「ビマ・サトリア・ガルーダ」のヒーロー、ビマがステージに登場。ジャカルタ軽音部のステージではインドネシアの子供たちがインドネシア楽器アンクルンを演奏。邦人ビッグバンドのギャラクシーは、インドネシア女性歌手のソロも交えてジャズの定番曲を披露した。
日没後、東京・秋葉原を拠点に活動する新進の6人組女性アイドルグループ、でんぱ組・incが登場すると、さながらアイドルコンサート会場に一変。続いて、JKT48がヒット曲を熱唱。会場は大歓声に包まれた。トリはインドネシアの実力派女性歌手、アグネスモニカさんで、観衆を熱狂の渦に巻き込んだ。最後は恒例の盆踊りで、浴衣姿のインドネシア人女性やうちわを手にしたアイドルのファンらも踊りの輪に加わっていた。コンサートの途中でジョコウィ・ジャカルタ特別州知事も顔をみせ、閉幕のあいさつをした。
日本から熱狂的ファン迎えアニメの祭典「AFA」開幕
インドネシア最大のアニメの祭典「アニメ・フェスティバル・アジア・インドネシア(AFAID)」が9月6日、南ジャカルタ・スナヤンのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)で幕を開けた。8日まで3日間開催される。
日本のアニメソング歌手などアーティスト7組が参加。また、日本からこのイベントに参加するために訪れた若者もいて、国を越えたアニメファンの交流イベントを印象付けた。
初日は雨が降りしきる中、午前11時開場の数時間前から1000人を超えるアニメファンが列をつくった。会場のゲート付近ではDJブースが来場者を迎え、「マツケンサンバ」「ロマンスの神様」など日本の往年のヒット曲も大音声で流されていた。ゲートの看板には「関係者用」「一般」と英語の下に日本語も併記。日本人の参加者にも配慮していた。
初日の集客の目玉イベントの一つか、通信大手インドサットのイベントにアイドルグループ、JKT48が登場し、新曲などを熱唱した。8日にはメインステージでTMレボリューションの西川貴教さんのトークイベントなどが予定されている。
インドネシア初開催の昨年の会場は、中央ジャカルタの国際展示場(JIエキスポ)で、2日間で延べ4万人が来場。今年は3日間に会期を延ばすなど規模を拡大している。
マンガ論巡りUI大学院と日大芸術学部がシンポ共催
じゃかるた新聞によると、インドネシア大学(UI)大学院日本地域研究科と日大芸術学部は9月4、5日、南ジャカルタの国際交流基金ジャカルタ日本文化センターで「日本のマンガ・文学」をテーマにシンポジウムを共催した。日本からホラー漫画家の日野日出志氏や文芸評論家の山崎行太郎氏など日大芸術学部講師陣を迎え、世界各地で親しまれている日本のマンガの隠された魅力や創作方法などを巡り、学生や大学講師陣ら出席者も参加しながら概説した。
中でも、インドネシアで24年間放映されている国内最長寿テレビ番組のアニメとして、またインドネシア語版コミックで人気の「ドラえもん」について日野氏の独創的な見解が目を引いた。主人公やキャラクターの設定の背景を、ドストエフスキー作品やギリシャ神話を援用しながら解き明かしていく過程がとくに印象的だった。
シンポジウムを企画したUIのスーシー・オング氏は「学生には文化や社会問題など日本に関する幅広い知識を持ってほしいが、日々のカリキュラムの授業ではどうしても日本語習得に終始し勝ち」と指摘。その点、今回のような「日本人による講義から学生が得るものは計り知れない」と話していた。
日本の警視庁音楽隊がJJSで初のコンサート交流
インドネシアのバンテン州南タンゲランのジャカルタ日本人学校(JJS)の小・中学部を9月3日、日本の警視庁音楽隊が訪れ、体育館で約1時間の公演会を開き、児童・生徒と音楽で交流した。皮切りのJJS校歌では子供たちが管・打楽器の伴奏で元気にはつらつと歌った。
音楽隊は日本の人気アニメ「となりのトトロ」メドレーや「名探偵コナンのテーマ」、アイドルグループの「AKB48」メドレーなど子供たちに馴染みの深い曲を含め全9曲を演奏。演奏にあわせて、子供たちが歌を口ずさむ場面もあった。
警視庁音楽隊がインドネシアの日本人学校で演奏したのは初めて。今回は2日にジャカルタで行われた「世界のお巡りさんコンサート・イン・インドネシア」の演奏会を終えた翌日、JJSを訪れたもの。
手芸教室、手まり作りに汗 ジャパンウィークスタート
9月1日からスターとした第5回ジャカルタ日本祭り(JJM)の関連イベントで、日本・インドネシアの文化交流を目的としたジャパンウィークが2日、南ジャカルタのショッピングモール「プラザ・スナヤン」1階のアトリウムで始まった。7日まで6日間、手芸教室やトークショーなど日本を紹介する展示など盛りだくさんのイベントが予定されている。
じゃかるた新聞によると、初日には手まり作りや端切れ教室があり、訪れた人は細かい作業を通して日本の文化の一端を体験した。参加者約20人は、ジャカルタで手まり作りを教えるカズヨ・ソウフワットさん(74)ら講師のアドバイスを受けながら、約2時間にわたる握りこぶし大の手まり作りに”悪戦苦闘”していた。
世界5カ国の警察音楽隊が交流 ビル街に楽器音響き渡る
世界各国の警察音楽隊が音楽を通じて交流する「世界のお巡りさんコンサート・イン・インドネシア」のパレードが9月1日、中央ジャカルタで開かれた。日本、インドネシア、韓国、ベトナム、米国の5カ国の警察音楽隊が、独立記念塔(モナス)があるムルデカ広場からホテル・インドネシア(HI)前ロータリーまでの約1.5㌔をパレード。休日の娯楽の場となるモナスに集まった市民約15万人(国家警察発表)が沿道に詰めかけ、カーフリーデイとなったタムリン通りのビル街にドラムや金管楽器の音が響き渡った。
先陣を切ったのは日本の警視庁音楽隊。女性警察官によるカラーガード隊がピンクと白の華やかな衣装と笑顔で慣習を魅了した。以下、ベトナム、韓国(ソウル特別市)、米国(ニューヨーク市)のそれぞれ警察音楽隊が続いた。トリを務めたのは中部ジャワ州スマランにある国家警察士官学校のチェンドラワシ音楽隊。先頭を歩く隊員が指揮棒を空高く投げたり、ホルンを口で支えたりすると、大きな歓声が上がった。外国から参加した各隊が50人前後だったのに対し、約380人が参加、迫力ある演奏で堂々とホスト役を果たした。
この世界5カ国の警察音楽隊のパレードは、9月1日開幕した第5回ジャカルタ日本祭り(JJM)の目玉の一つとなった。
「いつも一緒に…」第5回ジャカルタ日本祭り開幕
第5回ジャカルタ日本祭り(JJM)が9月1日、開幕した。国交樹立55周年、日本・ASEAN友好協力40周年の今年は「日本・インドネシア いつも一緒に…」をテーマに設定。今後1週間各所で文化交流行事があり、8日(日)に独立記念塔(モナス)広場のクロージング・イベントでフィナーレを飾る。
じゃかるた新聞によると、オープニングイベントは今年オープンした南ジャカルタ・クニンガンのJSルワンサ・ホテルのボールルームで開かれ、色鮮やかな衣装を身に着け、躍動的に手足を動かすジャカルタ土着のブタウィの伝統舞踊で幕を開けた。小林一則JJM実行委員長が「インドネシアと日本はいつも一緒です。フェスティバルを一緒に楽しみ、成功させましょう」と呼び掛け開幕を宣言した。鹿取克章・駐インドネシア日本大使は「ジャカルタ日本祭りは早くも5回目を迎え、日イの重要な懸け橋になっている。様々な分野で関係が深まっており、市民レベルの交流は国と国との重要な礎」と強調した。
ジャカルタ特別州のアリーブディマン観光局長は「在留邦人だけでなく、ジャカルタ市民も楽しみにしているイベント。芸術文化、スポーツ、食など様々な分野を通じて友好関係を深めてほしい」とあいさつした。モナスで開かれるクロージングイベントにはジョコウィ知事が出席する予定という。
「独自技術を集積」佐藤繊維4代目社長招きセミナー
日本貿易振興機構(ジェトロ)、インドネシア日本友好協会(PPIJ)などは8月29日、佐藤繊維(山形県寒河江市)の4代目社長・佐藤正樹氏を講師に招き、中央ジャカルタのホテルで「モノづくりセミナー」を開催した。このセミナーは”日本のモノづくり精神”を通じ、企業理念などをインドネシアに伝えようと松下ゴーベル財団の後援を受け、開催されているもので、今回が4回目。会場にはインドネシアのファッション産業、繊維産業関係者など150人が参加した。
今回のセミナーで佐藤氏が強調したのは、顧客のニーズに合わせて製品をつくっているだけでは、生き残っていけない。生産者が主体となって製品を開発し、独自の技術を蓄積することで、流行を自らつくり出していく必要がある-との考え方だ。さらに、企業として、雇用を守り続けていくためには製品開発と広告宣伝に注力し、独自技術とブランドを確立することが重要だ-とし、生産だけでなく、つくった製品を売り込んでいく宣伝活動の重要性を説いた。
佐藤繊維は2005年、南アフリカに生息するアンゴラヤギの毛に着目し、1㌘の原料から52㍍の糸を紡ぎ出すことに成功。これにより、極細モヘア糸が可能になり、素材が持つ独自の柔らかさを実現した。その功績が認められ、09年には第3回モノづくり日本大賞の製品・技術開発部門で経済産業大臣賞を受賞している。