ジャカルタ沖に17の人工島を造成 低所得者住宅建設へ
ジャカルタ特別州のアホック知事は10月1日、ジャカルタ沖のジャワ海に17の人工島を造成する計画を明らかにした。島には低所得者向け住宅などを建設する予定だ。完成時期や関連経費などは明確にされていない。地盤沈下が進んだジャカルタ北部を高潮などから守るために防潮堤の整備が進められており、人工島はこの防潮堤の内側に造られる。沿岸の低所得者層を島内に建設する低価格住宅に移転させる。本土からの距離は300㍍程度になる見込み。防潮堤と本土の間の海水面の上昇に備え、島によってはポンプの排水設備を重点に置くという。
17島のうち9島をジャヤ・アンチュール開発公社などの公社・州営企業が担い、残りを民間に委ねる。民間ではチプトラ・グループやアグン・ポドモロなど複数の不動産開発会社が関心を示しているという。
ボゴールにダム4基建設で合意 ジャカルタ州と国営企業
ボゴールにダム4基建設で合意 ジャカルタ州と国営企業
地元メディアによると、ジャカルタ特別州と国営企業担当国務相事務所は10月2日、州内を流れる河川の水源のある西ジャワ州ボゴールにダム4基を建設することで合意した。毎年のように繰り返される、深刻な洪水問題の突破口となるのか注目される。
ダフラン・イスカン国務相らによると、湛水面積10㌶規模のダムを4基建設することで、ジャカルタの洪水を20~30%低減させられるという。2014年1~3月から建設を開始し、2年後の16年に完成する予定だ。総予算は1.2兆ルピアで、国営企業が51%、ジャカルタ特別州が49%を負担する。
投資調整庁の新長官にマヘンドラ氏が正式就任
投資調整庁の新長官にマヘンドラ氏が正式就任
中央ジャカルタの大統領宮殿でこのほど、マヘンドラ・シレガル氏(43)に対する投資調整庁長官への任命式があり、正式に就任した。マヘンドラ氏はインドネシア大学経済学部を卒業後、外務省入省。英国、米国大使館勤務後、2001年から経済担当調整相補佐官、商業副大臣などを歴任。11年10月から財務副大臣を務めていた。なお、これに伴い新財務副大臣には財務省財政政策センター(BKF)のバンバン・ブロジョネゴロ所長が就任する。
商工会議所が内部分裂 反対勢力が「暫定会頭」を選出
商工会議所が内部分裂 反対勢力が「暫定会頭」を選出
インドネシア商工会議所(カディン)で内部紛争が噴出した。運営にあたりスルヨ・バンバン・スリスト会頭が、地方を軽視しているとして、反対勢力は9月28日、バリで会合を開き、リザル・ラムリ元経済担当調整相を「暫定会頭」に選出。来年に迫った大統領選に向けた政治的な思惑も絡み、現執行部に揺さぶりをかけるのが狙いだ。
地元メディアによると、今回の紛争の仕掛け人となっているのは元国民協議会(MPR)副議長のウスマン・サプタ・オダン氏。カディンの諮問委員会委員長を務めていたが、地方の役割拡大を求め非公式な「全国代表者会議」を開き、現執行部の無効を宣言するなどして、9人の地方商工会議所会頭とともに、今年4月に除名されていた。
電子住民登録証の二重登録・発行が発覚 システム未整備
電子住民登録証の二重登録・発行が発覚 システム未整備
情報技術学者フォーラム(FAIT)のホットランド・シトルス代表はこのほど、政府が登録・発給を進めている電子住民登録証(E-KTP)で、転居などにより住所が異なる同一人物への二重登録・発行の事実を確認したと明らかにした。同代表は二重登録されてしまうのはシステムが全土で統合されていない証拠だと批判。各自治体が重複登録の可能性を、中央政府から周知されずに発行し続けているのが原因と推測されるとしている。
E-KTPを巡っては来年の総選挙の有権者登録に使用するために内務省が登録を進めてきたが、配布が遅れ問題視されているうえ、最近ではガマワン・ファウジ内務相に発行事業に関わる汚職疑惑が持ち上がっており、普及は難航している。
労組連盟が200万ルピアへの引き上げ求めスマランでデモ
労組連盟が200万ルピアへの引き上げ求めスマランでデモ
インドネシア労働組合連盟(KSPI)は9月25日、中部ジャワ州スマランの州庁舎前で2014年の県、市別最低賃金(UMK)をスマラン市の現行賃金120万9100ルピアの65.4%高にあたる200万ルピア(約1万7000円)以上とするよう求め、デモを敢行した。KSPIによる先月末のデモでは300万ルピアを要求していたが、地域の実状に合わせ非現実的な水準と判断、下方修正した。デモ隊は賃上げのほか、健康保険制度の拡充、派遣労働の規制強化も訴えた。中部ジャワ州では、州で一括した最低賃金を設定せず、県や市ごとに定めている。
インドネシアで牛の飼育頭数減少、食肉自給化政策窮地
インドネシアで牛の飼育頭数減少、食肉自給化政策窮地
地元紙によると、2014年までに政府が食肉の自給率90%を目指しているインドネシアで、牛の飼育頭数が減少をたどり、政策は窮地に陥っている。これは食肉需要が増加して市場価格が上昇し、飼育農家が処理を早めているのが要因だ。同国の中央統計局によると、同国の牛の飼育頭数は今年5月に1420万頭となり、11年6月の1670万頭から約15%減少した。中でも全国最多の380万頭を飼育している西ジャワ州では約24%もの減となっている。飼育農家団体の代表者は同州の状況について、品薄に伴う市場価格の上昇により、農家が母牛となる雌の処理を早めているためで、憂慮すべき状況-と警鐘を鳴らす。
政府は品薄状態を改善するため、今年の牛肉の輸入割当量8万㌧を拡大し、3000㌧を豪州から緊急輸入すると決定した。しかし、昨年も輸入割当量8万5000㌧に対して7000㌧を追加輸入しており、専門家からは政府の自給政策はすでに破綻、失敗している-との厳しい指摘もある。
国鉄の乗車制限に抗議し市民500人超が列車の運行を妨害
国鉄の乗車制限に抗議し市民500人超が列車の運行を妨害
地元メディアによると、バンテン州タンゲランの国鉄(KAI)ティガラクサ駅で9月24日、国鉄の乗車制限で乗車できなかった市民500人以上が制限に抗議し、線路上にベンチなどを並べて列車の運行を妨害する騒ぎがあった。この影響で一部区間が7時間以上にわたり不通となった。一時不通になったのはティガラクサ駅を通るパルン・パンジャンとランカス・ビトゥンからそれぞれジャカルタ方面へ向かう2路線。抗議による運行の遅れで都心に向かう数千人の通勤に影響があったほか、貨物列車にも遅れがでたという。抗議の発端となったのは、国鉄が実施した乗車制限で、安全上の理由から乗車券の上限を150%とし、これを超える乗車券の発券を制限するというもの。
バリ海上高速道路が開通 APECに間に合わせ面目
バリ海上高速道路が開通 APECに間に合わせ面目
バリ島のングラライ空港とヌサドゥア、ベノアを結ぶ海上高速道路の開通式典が9月23日、ユドヨノ大統領出席の下、開かれた。国際イベントが多く開かれる今年、渋滞解消策として建設が進められていた。その結果、当初計画より3カ月ほど遅れたものの、各国首脳が出席する、10月1~8日のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)には間に合わせ、辛うじて面目を保った形。地元メディアによると、総費用は2兆4800億ルピア(約221億円)で、全長12.7㌔。昨年着工し、当初は「ミス・ワールド」コンテスト前の6月ごろ開通予定だった。
24日からは一般車も通行、30日までは無料で、それ以降は二輪は4000ルピア、四輪は大きさに応じて1万~3万ルピアの通行料が必要。バリの空港と主要な観光地を結ぶこの海上高速道の完成は、年々深刻化する渋滞解消につながると期待されている。
違法駐車に”パンク”の強硬措置 ジャカルタ州が渋滞対策
違法駐車に”パンク”の強硬措置 ジャカルタ州が渋滞対策
ジャカルタ特別州は、優遇税制「LCGCプログラム」の導入で懸念される交通渋滞の悪化に対応して、様々な対策を打ち出している。是が非でもとの”本気度”を感じさせるのが、州運輸局による違法駐車している車両のタイヤの空気を抜いてパンクさせるという強硬措置だ。
アホック副知事は9月24日、州内で低価格車の利用者急増を見込み、交通違反者を厳しく処分する必要があると発言。州は交通規制強化で渋滞に対処する方針を強調した。これに先立ち州運輸局は先週から西ジャカルタ・ロキシや中央ジャカルタ・ガンビルなど各地で違法駐車のオートバイや自動車のタイヤのバルブを没収する措置に着手している。これまでにオートバイを中心に州内で1000台を超える二輪・四輪車が対象となった。同様に交通渋滞の問題を抱える西ジャワ州バンドン市でも同様の措置が導入される予定。運輸局長は市民への周知後、来週から違法駐車車両のタイヤから空気を抜く措置を始めるとしている。