参加企業が資金確保 ジャカルタ・モノレール計画再開へ
出資金集めが難航したことから2004年に中断したインドネシア初のモノレール計画が近いうちに再開されそうな情勢となってきた。現地紙によるとジャカルタ特別州は、総工費7兆ルピア(約672億円)とされる同モノレール計画に参画する民間企業のジャカルタ・モノレール(JM)に対して、債務返済能力を証明する書類の作成と適切な資金調達先の確保を求めていたが、JMは必要書類をすべて提出したことを明らかにした。
JMはシンガポール投資会社のオルタス・ホールディングスと提携して2兆3000億ルピアを確保したと発表。両者は共同で債務返済にあたることに合意しているという。
また、オルタス・ホールディングスはジャカルタ南部のスマンギからクニンガンを経由する環状線に沿ったモノレール建設に資金提供することにも同意していると伝えられる。建設工事は4月に開始し、完成までに2年かかる見通し。
ディエン高原で有毒ガスの噴出続く 1万5000人が避難
ディエン高原で有毒ガスの噴出続く 1万5000人が避難
中部ジャワ州バンジャルヌガラ県ディエン高原のティンバン火口付近で有毒ガス噴出が続き、健康被害を訴える周辺住民が続出している。地元メディアによると、3月27日、警戒レベルが4段階中の上から3番目「ワスパダ(注意)」へ引き上げられて以来、ティンバン火口周辺の6村の住民約1万5000人が避難したという。
同地区は7世紀に建設されたジャワ最古のヒンドゥー寺院などがあり、観光地として知られる。県当局は火口から半径1㌔㍍区域への立ち入りを禁止し、観光客にも注意を呼びかけている。
インドネシアの若年層の転職回数が8カ国で首位
インドネシアの若年層の転職回数が8カ国で首位
大学を卒業した20~39歳の若年層を対象に昨年9月、アジア8カ国でインターネットで実施された調査によると、インドネシアの若年層の転職回数が、1.64回で最も高いことが明らかになった。20代のうちは転職経験者が48%で4番目に多かったが、30代になると72%と大幅に上昇して首位となった。賃金に対する不満が最大の要因。調査対象国はインドネシア、マレーシア、タイ、インド、ベトナム、中国、韓国、日本。
転職前後の年収変化では、「増えた」との回答が78%で、インドネシアは中国の84%に次ぐ高い水準だった。「減った」との回答は4%にとどまり、日本の34%や韓国の13%に比べると大幅に低かった。
最初の仕事を退職した理由は、自己都合で「賃金への不満」が32%で最も多く、これに「労働条件や勤務地への不満」(20%)、「会社の将来性や雇用安定性への不安」(13%)が続いた。会社都合では「契約期間の満了」が11%で1位だった。
独立旗問題で内相が4/4アチェ訪問 15日以内に見直し求める
独立旗問題で内相が4/4アチェ訪問 15日以内に見直し求める
アチェ州議会が、かつての分離独立派武装組織(GAM)と同じデザインを州旗や紋章に定めた問題で、ガマン・ファウジ内相は4月4日、アチェ州を訪問し、州知事らと協議。州政府・議会に対し、15日以内に宗教条例の内容の見直しを求めた。アチェ州のザイニ知事は、旗や紋章を変更するかどうかは明言していないが、早急に検討に応じるとしている。
州議会は3月22日、GAMが使っていたものと同じ、赤地に白色の三日月と星が入る旗を州旗とする宗教条例を議決、同25日に施行されたが、州中央部と南東部ではGAMに対する反感があるといわれ、州内でも賛否は分かれている。
日本主導のMRT事業に第三国のアドバイザーを招聘
日本主導のMRT事業に第三国のアドバイザーを招聘
ジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事は4月2日、首都の都市高速鉄道(MRT)建設事業を推進するにあたり、第三国のアドバイザーを招聘し事業監視体制を構築する意向を明らかにした。同事業は、資金調達の大部分は日本の円借款、建設の大部分は日本企業が担う見込みだ。したがって、日本主導で進む同事業に”待った”をかけた形。
同知事は3月30日にシンガポールを訪問。地元紙などによると、現地でシンガポールや中国のMRT事業関係者らと会談し、MRT関係者3、4人にアドバイザー就任を要請したとしている。そして、MRTの経験がないインドネシアには計画、実行で日本の支援が必要だが、監視できる人が誰もいない。すべてを同じところで進めることになれば、設計や品質が正しいかを確認することができない-と語り、日本以外の国が参画する必要性を強調している。
アチェ州と内務省が独立旗復活めぐり対立 熱帯びる
アチェ州と内務省が独立旗復活めぐり対立 熱帯びる
アチェ州議会が3月22日、分離独立派武装組織・自由アチェ運動(GAM)と同じデザインの旗を州旗に制定すると議決したことを受け、自治体の条例制定を監督する内務省が、地域の不安定化を招く可能性があるとアチェ州に見直しを勧告したことで、すでに解散した独立派のシンボル復活をめぐり、対立が熱を帯びている。
アチェ州側はGAM旗採用について、和平合意では制服や軍事的な記章、シンボルを禁止しているが、旗や紋章、歌などを含む地方のシンボルを定め、使用を認める内容が盛り込まれていると主張。デザイン的に同じでも、分離独立運動を復活させる意図はないと強調している。一方、内務省は地方のシンボルに関する政令(2007年)で、分離独立運動のシンボルの使用を禁じているとの見解を示し、見直しを勧告した。
こうした経緯を受けて、国家の統一性を乱しかねないと捉えたユドヨノ大統領も動き出したことで一気にヒートアップした感がある。同大統領は4月1日、ガマワン・ファウジ内相をアチェに派遣し、交渉にあたらせると発表。ガマワン内相は、州議会は中央政府に相談すべきだった。そして17世紀に栄えたアチェ王国時代の旗を引き合いに、なぜイスカンダル・ムダ国王(1636年没)時代からのシンボルマークを使わないのか-と代替案を提示したという。アチェ州では、1日には州旗制定を支持する住民約1000人が、州都バンダアチェのバイトゥラフマン・モスクから州議会前まで行進。横16㍍、縦6㍍の旗をハスビ・アブドゥラ議長に手渡し、支持を表明した。
絶滅説のスマトラサイが生息か カリマンタンで痕跡
絶滅説のスマトラサイが生息か カリマンタンで痕跡
世界自然保護基金(WWF)インドネシアは3月28日、東カリマンタン州西クタイ県の森林での調査で、スマトラサイが生息している痕跡を発見したと発表した。カリマンタン島内のスマトラサイは1990年代に絶滅したとみられていた。
WWFインドネシアは2月、県農林管理当局、地元大学などと共同で調査を実施。足跡や泥浴び、角研ぎの跡を見つけた。そこで、複数の専門家に判断を仰いだ結果、痕跡はスマトラサイのものである可能性が高いとされた。今後、生息地や頭数について詳しい調査を続ける。
スマトラサイは国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リストに登録されており、スマトラ島やマレー半島を含め、生息数は世界で数百頭とされている。
ユドヨノ大統領、インドネシア最大与党の党首に
ユドヨノ大統領、インドネシア最大与党の党首に
インドネシア最大与党の民主党は3月30日、バリ島で地方支部代表らによる臨時党大会を開き、現在、党最高顧問のユドヨノ大統領を党首に選出した。同党は、アナス・ウルバニングルム前党首が汚職事件の捜査対象となったことを受けて、2月下旬に辞任し、党首が不在となっていた。同国では2014年に総選挙と大統領選が控えている。
首都圏洪水対策進捗するも、移転問題で揺れる住民
首都圏洪水対策進捗するも、移転問題で揺れる住民
インドネシアで首都圏洪水対策の要のチリウン川治水事業が急ピッチで進めらるとともに、ジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事が提示している州営住宅を建設・提供する案をめぐって、洪水地帯に住んでいて移転要請を受けている地域の住民たちが揺れている。
住民たちは、前任の知事時代の移転計画には頑強に反対してきた。しかし、現知事は州営の住宅を建設し提供する案まで提示し解決に乗り出してきた。当該住民の多くは繰り返されてきた洪水に、川沿いの地区に住む怖さを熟知し、できるなら素直に移転計画に従いたいところだ。
ところが、現在伝えられるところでは移転後の生活プランが描けないのだ。問題の本質は家賃だ。現行の家賃、月40万ルピア程度に対し、移転に応じれば70万~80万ルピアは覚悟しなければならないという。倍近くになるわけだ。もちろん地区により、家賃には上下幅はあるのだろうが、いずれもこれまでの家賃より、かなり負担が増えることに頭を痛めているというわけだ。
ジョコウィ知事は、就任直後の昨年11月からチリウン川治水に伴う移転を提案し、州と住民はこれまで4回会合を開き、知事も2回同席している。本腰を入れた州の姿勢に住民は期待と困惑の入り交じった表情で事態をみつめている。
政府が国鉄にエコノミー列車の廃止延期を要請
政府が国鉄にエコノミー列車の廃止延期を要請
地元紙によると、運輸省鉄道総局長は3月26日、国鉄が6月までに一律2000ルピアのエコノミー列車を廃止し、一律8000ルピアのエアコン付き車両を運行すると発表したことに対し、「廃止決定に異存はない」と前置きしたうえで、実施延期を求めたと明らかにした。国鉄は電子チケット導入を今年6~7月をめどに予定しており、導入まではエアコンなしのエコノミー列車を運行し、その間、経済的に恵まれない市民が利用可能な補助金制度の周知を徹底すべきだとの意向を示している。
国鉄のエコノミー列車廃止の発表に対し、鉄道通勤者らが25日、西ジャワ州ブカシで線路を占拠し、廃止計画に抗議する動きが出ている。ただ、国鉄は政府が廃止延期の方針を決定した場合、それに従うとの意向を示し、その際は文書での正式要請を求めるとしている。