豪雨禍!洪水の死者11人に 首都の避難者6万8000人
インドネシア・ジャカルタで1月17日から降り続いた豪雨により、広域で発生した今季初の大規模な洪水で被害が広がっている。国家災害対策庁(BNPB)によると、20日正午までに洪水による死者は11人になり、ジャカルタ特別州内の避難民は約6万8000人、避難区域は293に増えている。また、国営電力PLNによると、ジャカルタ特別州内433カ所の変電所が水に浸かったため、操業を停止している地域があり、PLNでは施設が乾燥するまで操業を開始しないとしている。
ジョコウィ氏の支持率低下 大統領選の世論調査
ジョコウィ氏の支持率低下 大統領選の世論調査
民間調査機関プルサトゥ・データセンター(PDB)が1月4~8日にかけて全国主要11都市で実施した、7月の大統領選への出馬の可能性のある人物についての世論調査によると、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事が支持率28%でトップを維持した。ただ、13年9月の前回調査の36%から、支持率はかなり低下した。この点について、PDBは「政策手腕に対する社会の不安が増えた」と分析している。
2位以下はグリンドラ党のブラボウォ最高顧問10.7%、ユスフ・カラ前副大統領4.2%、ダフラン・イスカン国営企業相3.7%などが続いた。
豪州の海軍艦船がインドネシア領海を複数回侵犯
豪州の海軍艦船がインドネシア領海を複数回侵犯
豪州のモリソン移民相は1月17日記者会見し、密航船で豪州を目指す不法移民の監視にあたっていた豪州海軍の艦船がインドネシア領海を複数回侵犯していたと認めた。複数のメディアが報じた。
侵犯は「故意でなかった」と釈明したが、昨年ユドヨノ大統領夫妻はじめ政府高官らに対する豪州情報機関の盗聴疑惑で損なわれた両国関係がまだまだ修復途上だけに、今後の対応次第で一段と悪化する恐れがある。ビショップ豪外相が16日夜、インドネシアのマルティ外相に謝罪したという。モリソン移民相は「艦船の乗員はインドネシア領海の外にいると認識していた」と述べ、侵犯の経緯を調査すると説明した。
北スラウェシ州で大規模な洪水、地滑りで13人が死亡
北スラウェシ州で大規模な洪水、地滑りで13人が死亡
インドネシア北スラウェシ州の州都マナドでは数日にわたって豪雨に見舞われ、大規模な洪水、地滑りが発生。AP通信などによると、16日までに少なくとも13人が死亡、2人が行方不明となっている。堤防が決壊、家屋や橋が流され孤立している集落もある。マナド市や北ミナハサ、トモホンなど6つの地域で洪水が起き、ミナハサの3つの村で地滑りが発生、約1000人の住民が孤立しているという。避難している人は約4万人に上っており、警察や軍が救助活動にあたっている。
首都で無料の2階建て観光バス1/16から試運転開始
首都で無料の2階建て観光バス1/16から試運転開始
ジャカルタ特別州は1月16日から無料の2階建て観光バス5台の試運転を開始する。同州のジョコウィ知事が掲げる外国人観光客の年間500万人誘致目標プログラムの一環。2月上旬からの本格運行を目指し、ホテルインドネシア前ロータリーなど、首都の主要な観光名所、ショッピングスポットを巡回する。じゃかるた新聞が報じた。
バスはエアコン付きで60人乗り。車内にテレビを備え、観光案内ビデオを上映する。中国製で州政府は5台を170億ルピア(約1億5000万円)で発注。今後20台まで増やす予定。
スカルノハッタ~ハリム空港鉄道の建設業者入札は4月
スカルノハッタ~ハリム空港鉄道の建設業者入札は4月
インドネシアの運輸省鉄道交通総局長は1月13日、スカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン)とハリム空港(東ジャカルタ)を結ぶ全長33㌔の空港鉄道の建設業者入札を4月ごろ始める意向を示した。ハリム空港の商業運航に伴い、同空港から北へ約1㌔の東ジャカルタ・チカンペック高速道路付近に始発駅を設置することが決まっている。ルートはハリム空港付近を始点に東ジャカルタ・チャワン、北ジャカルタ・プルイットなどを通り、スカルノハッタ空港の第2、第3ターミナルを結ぶ。一部は地下鉄にする。開通すれば、自動車で1~3時間かかる両空港間が約30分で移動できるようになるという。
首都圏の進まぬ洪水対策で州と中央政府対立が浮き彫り
首都圏の進まぬ洪水対策で州と中央政府対立が浮き彫り
1月12、13日の豪雨による洪水でインドネシア首都圏広域が冠水し、一時5000人以上もの避難民が出る事態となったことで、昨年の首都大洪水後も対策が進んでいないことが露呈。4月の総選挙を控え、このことでジャカルタ特別州と中央政府の対立が浮き彫りになりつつある。
ジョコウィ知事は、「治水は地方政府だけではできない」と中央政府の指導力不足と、中央の各省庁に小分けされた縦割りの弊害を批判。これは改修が必要な州内13河川は公共事業省が管理し、州の管理は小川のみに限られている現実があるからだ。喫緊の課題として求められているのは、首都ジャカルタ特別州の洪水対策だが、州独自でやれることには大きな制約があり、権限の強い中央政府の協力なしには遂行できないというわけだ。
さしあたり洪水対策で即効性があると思われるのはチリウン川の改修。西ジャワ州ボゴールからの水を集めるチリウン川を治めるのが最も効率的だ。だが、これが遅々として進まない大きな理由は中央政府がイニシャティブを発揮しないためだ。この治水は公共事業省が進める。州政府は土地収用、住民の立ち退きなどで協力する。ただ、州内で立ち退き先の公営住宅(団地)の建設地を見つけづらく、州政府の脆弱な財政では多くの団地建設は難しい。中央政府事業による団地でも、いくつもの省庁をまたがらなくてはならない場合もあり、行政処理に時間がかかる。それだけに、ここで省庁の垣根を越えた決断ができる指導力が、いまこそ求められている。
ジャカルタ特別州 苦情対応を徹底 副知事が言明
ジャカルタ特別州 苦情対応を徹底 副知事が言明
ジャカルタ特別州のアホック副知事は1月10日、同州政府に寄せられた苦情や意見への対応が滞っていることを明らかにした。苦情対応状況を監視する職員を各局に配置し、改善・徹底に努める考えだ。同州広報局によると、2013年1~9月に州政府に寄せられた苦情や意見は9000件を超えた。うち電話は4000件、書面2700件、メール1431件。
同副知事は「職員は苦情を受けるたびに、改善に努めると約束するが、守られているか確認するしくみがなかった」と指摘。同州は現在、州内各区・郡の首長や州各局・機関の業務評価を実施している。この結果に基づき、監視担当者を各局管理部位外の職員から任命し、透明性の確保に努める。
首都圏の豪雨で7000世帯に被害、5000人以上が避難
首都圏の豪雨で7000世帯に被害、5000人以上が避難
インドネシア首都圏は1月12日朝から13日夕方にかけ、断続的な豪雨に見舞われ、各所で洪水が発生。ジャカルタ特別州災害対策局(BPBD)によると、同州の約7000世帯・2万4269人が浸水・冠水に遭い、5000人以上が一時避難した。地元メディアが報じた。
被害が最も大きかったのはチリウン川流域。13日、東ジャカルタ区のカンプンムラユやチャワンでは一時、水位が4㍍まで上昇。3000人以上が自宅から退避した。また、同区では主要道路が冠水した。
気象地理物理庁(BMKG)は、1月下旬から2月上旬にかけ降雨量がピークに達するとみており、首都圏の洪水による被害はさらに拡大する可能性がある。
運航開始のハリム空港付近で早くも交通渋滞が問題に
運航開始のハリム空港付近で早くも交通渋滞が問題に
1月10日に商業運航を開始したばかりの東ジャカルタのハリム空港で、付近の交通量が急増し、早くも交通渋滞が問題となっている。地元メディアが報じた。空港へのアクセスがハリム・プルダナクスマ通りのみのため、空港に出入りする乗用車が渋滞を引き起こしているもの。現在はシティリンク1社のみの乗り入れだが、2月から段階的に3者が乗り入れる予定で、利用者の一層の増加が見込まれ、これに伴いさらなる渋滞の悪化が予想される。
警視庁は11日、運営会社の国営第2アンカサプラに対し、空港へつながる道路の拡張工事を提案。第2アンカサプラの担当者は専門家の調査結果を踏まえたうえで対策を決めるとしている。ジャカルタ特別州公共事業局は、同空港では1時間1200台の車が乗り入れると予測し、同通りの拡張工事への予算配分を検討している。