スラバヤの動物園でオランウータンが相次いで死ぬ

スラバヤの動物園でオランウータンが相次いで死ぬ
 東ジャワ州スラバヤのインドネシア最大の動物園でオランウータンが9月、10月に相次いで死亡、また同動物園の飼育環境の劣悪さが俎上に上っている。地元メディアによると、この動物園で10月中旬、メスで15歳のベティが肺の病気で、1週間にわたる集中治療も及ばず死んだ。同動物園では気温が非常に高かったことが原因としている。だが、実は同動物園では9月下旬にもメスで12歳のナニックが腸の腫瘍で死んでいる。
 オランウータンは、飼育下では50~60歳、野生では35~40歳くらいまで生きるとされている。それだけに、これらの死はいかにも早すぎると言わざるを得ない。昨年、同動物園で亡くなった動物は130匹もいて、大半が病気だった。

 

「外資規制緩和策で外資支配がさらに強まる」批判の声

「外資規制緩和策で外資支配がさらに強まる」批判の声
 現地メディアによると、インドネシア政府が外資規制の緩和策を推進することで、外資による支配がますます強くなるのではないかと懐疑的で、批判的な声も上がっている。こうした見方の象徴的な例が銀行業界で、1998年の外資規制の緩和以降、国内の12銀行をマレーシア、シンガポール、インドなどの外資が保有。経済改革センターのヘンドリ・サパリニ所長は、規制緩和の結果「銀行を国益に沿うように導くのが難しくなった」と指摘している。
 また、メディアの試算では2011年時点で石油ガス企業で70%、金銅採掘企業で85%を外資が占めている。こうした状況も踏まえ、インドネシア大学経済学部のスリ・エディ・スワストノ教授も「インドネシアの主権は”売り物”ではない」と門戸開放政策を批判している。

インドネシア北スマトラ州のシナブン山がまた噴火

インドネシア北スマトラ州のシナブン山がまた噴火
 複数の現地メディアによると、インドネシア・スマトラ島の北スマトラ州のシナブン山が11月3日、2度にわたり大きな噴火を起こし大量の火山灰を上空約7㌔の高さまで噴き上げた。噴火は5日になっても収まらず、火口からの溶岩の流出も続いているため、近隣住民1000人余りが避難生活を送っている。シナブン山は今年9月に約3年ぶりに噴火。その後、たびたび噴火を繰り返している。

インドネシアのハッカーが豪のサイトに”報復”か

インドネシアのハッカーが豪のサイトに”報復”か
 「インドネシア電子軍」「ジャワ電子軍」と名乗るハッカー集団が豪州の病院や企業、慈善団体など100以上の団体のウェブサイトを攻撃(ハッキング)したことがこのほど分かった。攻撃を受けたウェブサイトには「インドネシアをスパイするな」「(豪州)政府にインドネシアへのすべての盗聴行為を停止するよう伝えろ」などのメッセージが表示された。ハッカーは国際的なハッカー集団「アノニマス」の一部だと主張している。「ジャワ電子軍」は「豪州政府が盗聴疑惑について説明するまで攻撃を止めない」としている。これに対し豪州連邦警察は、政府系機関がサイバー攻撃を受ければ捜査を始めるとしている。

「ジャカルタの渋滞問題はジョコウィ知事に…」大統領

「ジャカルタの渋滞問題はジョコウィ知事に…」大統領
 「ジャカルタの渋滞問題はジョコウィ知事に…」、11月4日、インドネシアのユドヨノ大統領は、不満を露わに不愉快な表情でこう語った。これは10月ブルネイで開催された東アジアサミットで東南アジア諸国の首脳に、ますます悪化する首都・ジャカルタの交通渋滞を解決するように求められた際のことを話したときのことだ。地元メディアによると、サミットに参加した首脳は、ジャカルタでスカルノハッタ国際空港から中央ジャカルタのイスタナ宮殿に到着するまでに、2時間も掛かった経験をもとに、同大統領に早急に改善、解決するよう苦言を呈したという。
 そこでユドヨノ大統領、冒頭に記した思いが胸に突き上げたのだ。インドネシアは地方分権を進めており、各自治体の問題は首長が解決すべきだ。首都といえども、悪化する渋滞問題はジャカルタ特別州の問題。本来、ジョコウィ知事が解決すべき問題だ。自分が責められるいわれはない-と。各国にはそれぞれの統治システムがあり、一様ではない。だが、本当に必要と考えるなら、一国のトップ・大統領が自国の品格もしくは、国際的視点から体面を保つための最優先事項として、半ば強引に取り組むこともできるのではないか-といった見方もある。

 

豪の盗聴疑惑でイ・豪二国間に亀裂 協力見直しを示唆

豪の盗聴疑惑でイ・豪二国間に亀裂 協力見直しを示唆
 米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏の暴露資料を発端に発覚した、豪州の情報機関による在インドネシア豪州大使館などを通じた盗聴疑惑を巡り、インドネシア・豪州両国政府に亀裂が生じている。英豪メディアは10月末から11月初めにかけて、在インドネシア豪州大使館などを拠点に豪州が情報活動を展開していたことを報道している。ところが、豪州政府はこれまで盗聴疑惑の真偽についての説明を避けているため、インドネシア側はいらだちを強めている。
 両国は難民認定希望者らの密航対策やテロ分野での協力を進めていたが、今回の盗聴問題で関係は険悪化。インドネシアのマルティ・ナラレガワ外相は11月4日、「我々の協力関係とは何なのかを考えざるを得ない」と不快感を表明。豪州が通信傍受を完全に中止する確約が得られなかった場合、協力体制を見直すことを示唆した。
 難民の密航船の問題解決は豪州のアボット政権が掲げる公約の一つで、そのためにはインドネシアの協力が不可欠。同国との信頼関係構築につまずけば政権運営に影響する。国際会議参加のため7日からインドネシアを訪問する豪州のビショップ外相は、インドネシア側に広がる豪州不信に、真摯に向き合った対応、説明を迫られそうだ。

 

JR埼京線を走った205系30車両がインドネシアへ到着

JR埼京線を走った205系30車両がインドネシアへ到着
 JR東日本・埼京線を走っていた「205系」30車両が新潟港から出港し11月3日、インドネシア北ジャカルタのタンジュンプリオク港に到着した。2014年1月開始の増便に利用される。国鉄子会社で首都圏の路線を管理・運営するKAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)によると、年末までに計180車両が到着する予定だ。国鉄広報によると、購入額は1車両約10億ルピアという。JR東日本によると、技術者を派遣して現地で必要な車両の保守技術も伝える。
 KCJは東急田園都市線や都営三田線の中古車両を合わせて約660車両を保有しているが、約20%はそのままでは運行できない状態。KCJは座席の張り替えをなどを済ませ、運輸省鉄道総局の許可を得てから運行開始する。
 205系は1985年に日本に導入された通勤や通学者を対象とした近距離電車。座席を窓際に配置し、つり革が多数設置されているなど、大量輸送に最適化された車両だ。日本でもJR東日本の首都圏、JR西日本でも利用されている日本の主力車両。

労組が国際機関に調査要請 デモ隊と自警団の衝突事件で

労組が国際機関に調査要請 デモ隊と自警団の衝突事件で
 西ジャワ州ブカシ県の東ジャカルタ工業団地(EJIP)で10月31日、2014年の最低賃金引き上げを求める労組デモ隊と自警団が衝突した事件で、デモを主導した主要労組や人権団体は11月4日、地元有力者が自警団やチンピラを動員したと批判。暴力事件として国家警察に捜査を要求し、国際労働組合総連合(ITUC)にも調査を依頼したと明らかにした。
 事件は10月31日、EJIPで自警団のプムダ・パンチャシラが労組連合のデモ隊や警備員に襲い掛かり、刃物で切り付けるなどして28人が負傷、このうち日系企業従業員を含む4人が重体となった。警視庁は襲撃した10人の身柄を拘束した。これまでの人権団体と労組連合の独自調査では、地元住民ではない自警団やプレマン(チンピラ)が、デモ鎮圧のため動員されたと分析している。

12州で2014年の最低賃金を公表 大統領通達逸脱の州も

12州で2014年の最低賃金を公表 大統領通達逸脱の州も
 地元メディアによると、インドネシア国内34州のうち12の州政府が11月1日までに2014年の最低賃金を公表した。12州の2014年の最低賃金(月額)は次の通り。(単位は万ルピア)
・中央カリマンタン  172    ・ブンクル     135
・西カリマンタン   138   ・東南スラウェシ  140 
・南カリマンタン   162  ・パプア      190
・西スマトラ     149  ・西ヌサトゥンガラ121
・ジャンビ      150  ・バンテン    132
・バンカ・ブリトゥン164  ・ジャカルタ   244
 これらは、前年比の引き上げ幅を10%以内とし、11月1日までに2014年の最低賃金を決定するよう定めた大統領通達を受け決定、公表されたものだが、引き上げ幅はこれを逸脱した州もあり、ブンクル州は前年比45%高、西カリマンタン州は同30%高などとなっている。

 

ジャカルタ州の14年の最賃に労組反発 首都で大規模デモ

ジャカルタ州の14年の最賃に労組反発 首都で大規模デモ
 現地メディアによると、インドネシアの首都の労働組合11団体で構成するジャカルタ労働フォーラムは11月4日、6~8日の3日間、ジャカルタで大規模なデモを実施することを明らかにした。1日にジャカルタ特別州が決定した2014年の最低賃金244万1301ルピア(約2万1000円、前年比10.4%増)に強く反発しているためで、同フォーラムでは行政裁判所への提訴も辞さない構えだ。
 労組側は、ジャカルタ特別州の2014年の最低賃金は前年比68%増の370万ルピアを要求していた。だが、同州の決定はこれを大幅に下回るもので、全国の指標となる首都の来年の最低賃金の上げ幅が1割程度に抑えられたことで、首都郊外の西ジャワ州ブカシなどでほぼ固まっていた金額の決定に支障を来していると指摘。インドネシア労組会議(KSPI)のイクバル代表は、ジャカルタ特別州の決定は断固拒否すると表明した。
 労働者による調査では、適正生活基準を277万ルピア弱と算出しており、2014年の最低賃金は当初の要求額から妥協しても320万ルピアの水準にすべきと強調した。同フォーラムのムハマド・トーハ代表によると、6~8日のデモには数千人を動員し、ジャカルタ特別州庁舎に集結する予定。今回のデモ参加者は現時点ではジャカルタの労働者に限定するとしている。