ANAとJAL カスハラ対策で連携 NG行為を9分類 現場対応

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は6月28日、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対処方針を共同でまとめたと発表した。カスハラの定義を具体的に9つに分類した。これにより該当する言葉・行動に対し、現場の裁量で判断できるようにし、従業員が迅速な対応が取りやすくした。国内航空シェアで7割超の2社が連携して対策に実効性を持たせ、カスハラ被害から従業員を守り、離職を防ぐ。

JAXA「H3」ロケット打ち上げ 7/1に延期 天候悪化で

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月28日、30日に予定していた国の大型基幹ロケット「H3」3号機の打ち上げを、7月1日に延期すると発表した。延期の理由は打ち上げ予定日の前日および当日の、29、30日の天候悪化が懸念されるため。7月1日も打ち上げられるかどうかは、6月29日以降の天候を踏まえて判断する。新たに設定された打ち上げ時間帯は7月1日午後0時6〜19分。予備期間は7月末まで設けている。
ロケットには災害状況の把握に使う国の地球観測衛星「だいち4号」を搭載し、種子島宇宙センター(所在地:鹿児島県南種子町)から打ち上げる。

新潟・佐渡市で特別天然記念物トキのひなの巣立ち確認

新潟県佐渡市で今年誕生した国の特別天然記念物のトキのひなが巣立ったのが今年も確認された。佐渡市では12年前から、野生のトキのつがいからひなが誕生している。今年も5月6日に新たに4羽のひなの誕生が確認され、6月21日には巣を離れて別の木の枝に移動しているのが観察されている。25日には3羽の巣立った幼鳥が木の枝に止まり、自分ではエサ取りができないことから、首を小刻みに上下させながら、親鳥のくちばしを突っついてエサをねだる様子がみられた。

23年のアジアからの新規移民労働者数690万人 過去最多

複数の国際関係機関のまとめによると、2023年にいわゆる”出稼ぎ”労働者として、第三国で働くことになったアジアの新規移民労働者数は約690万人となり、過去最多となったことが分かった。アジア開発銀行研究所(ADBI)、経済協力開発機構(OECD)、国際労働機関(ILO)が集計した。国別でみると、新型コロナウイルス禍で一時落ち込んでいたフィリピンからの移民労働者が急増し、けん引役となっている。

スリランカ 日印など債権国と債務再編9,300億円で最終合意

スリランカ大統領府は6月26日、日本やインドが議長国を務める「債権国会合」と58億ドル(約9,300億円)の債務再編で最終合意したと発表した。債務再編の条件の詳細を規定する覚書(MOU)に、債権国会合に参加する17カ国が最終合意した。
スリランカは前政権のもとにあった、2022年の経済危機でデフォルト(債務不履行)状態に陥った。今回の債務再編で区切りがつけられ、ようやく経済再建の緒につくことになる。

円相場1ドル=160円代後半に「行き過ぎには必要な措置」

6月26日のニューヨーク外国為替市場でドルに対して円安が加速し、円相場は一時、1ドル=160円代後半まで値下がりして、およそ37年半ぶりの円安ドル高水準を更新した。こうした動きに対して、財務省の神田財務官は最近の急速な円安の進行に関しては、深刻な懸念を持っているとしたうえで、「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」と市場をけん制している。また、ユーロに対しても円安が進み、一時、1ユーロ=171円台後半をつけて、ユーロが導入された1999年以降の最安値を更新した。
今回の動きは、6月25日に米国のFRB(連邦準備制度理事会)の高官が、早期の利下げに慎重な考えを示したことなどを受けたもの。

日銀 個人の金融資産3月末で7.1%増 過去最高の2,199兆円に

日銀が6月27日発表した1〜3月期の資金循環統計(速報)によると、3月末時点で個人(家計部門)が保有する金融資産の残高は、前年同月比7.1%増の2,199兆円だった。5四半期連続過去最高を更新した。個人金融資産の内訳は株式等が33,7%増の313兆円、投資信託が31.5%増の119兆円。1月に新しい少額投資非課税制度(新NISA)が始まったほか、株価上昇を受けていずれも過去最高となった。

ポルトガル 万博パビリオン8月着工, 内装含め開幕前に完成

2025年大阪・関西万博にパビリオン参加するポルトガルは6月25日、外観デザインの変更を含めた建設計画を明らかにした。同国は自前でパビリオン建設する「タイプA」を選択している。資材価格の高騰などのため外観のデザインを変更した。今後の建設スケジュールについて、今年8月に着工し、10月中旬までに重機を使う工事を終了させる予定。その後は内装工事などを行い、2025年3月にはパビリオンとして完成する。担当者は「組み立てるように建設していくので、開幕前までに完成すると確信している」と語っている。

節目の第30回 神戸ルミナリエ 25年も1月開催 3会場で

阪神大震災の犠牲者の鎮魂と、復興への願いを込めて開催される光の祭典「神戸ルミナリエ」を主催する組織委員会は6月24日、初開催から節目を迎える第30回を2025年1月24日から2月2日までの10日間開催すると発表した。前回と同様、東遊園地、旧外国人居留地、海沿いのメリケンパークの3会場に分散し、混雑を緩和。メリケンパークの一部展示の鑑賞を有料とする。

ハンセン病患者に開発中の薬投与 戦中戦後 被験者472人

国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(所在地:熊本県合志市)の調査委員会は6月24日、同園で戦時中から戦後にかけて行われた、ハンセン病患者に開発中の薬を投与した臨床試験の実態調査の中間報告書を公表した。これは1942年12月から1947年6月まで続けられたハンセン病患者に「虹波」と呼ばれる開発中の薬を投与していたもので、被験者は判明しているだけで472人に上っている。
初期の頃には入所者の3分の1が参加。激しい副作用だあったが、当時の医師らは中止しなかったとしている。臨床試験中に9人が死亡し、うち2人がとくに副作用の影響が疑われるという。虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で戦時中に旧日本陸軍が寒冷地での兵士の凍傷対策など肉体強化に役立つと考え、研究開発していたとされる。