竹中工務店 耐火集成木材「燃エンウッド」開発

竹中工務店(本社:大阪市中央区)は11月17日、耐火集成木材「燃エンウッド」の柱および梁の開発により「国土交通大臣認定 耐火構造部材(3時間)」を取得したと発表した。
建物の建築にあたっては、建築基準法で階数ごとの耐火性能が定められている。しかし今回同社が開発した3時間耐火の「燃エンウッド」により、階数に制限なく、建物に木構造を採用することが可能となり、15階以上の建物の木造化を実現する。同社はこれまでに中高層ハイブリッド建築20件に同部材を適用してきているという。

日立 フィリピン南北通勤鉄道新区間のシステム受注

日立製作所は11月17日、グループ会社の日立レールがフィリピン政府運輸省から、ソリスーマロロス間の新しい通勤鉄道向けに、デジタル信号を含む鉄道システムの提供および軌道工事に関する契約パッケージを受注したと発表した。契約金額は約1,140億円。
これは国際協力機構(JICA)の円借款の資金が充てられるプロジェクトで、マニラ首都圏と近接する地域を南北通勤鉄道(カランバークラーク間)147kmのうち、約35.4km・9駅の区間を新設する。
日立レールは、英国、イタリア、スペイン、スウェーデン、フランスなどの欧州を主要市場としてデジタル信号を手掛けており、フィリピンに導入するのは初めて。

アルムと帝人 次世代医療サプライチェーンで実証

ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、以下、DeNA)の子会社、アルム(本社:東京都渋谷区)と帝人(本社:大阪市北区)は11月17日、脳血管内治療計画プログラムと電子タグシステム(RFID)を活用した次世代医療サプライチェーンの実証試験を共同で開始すると発表した。
今回の実証試験は脳血管内治療計画に携わる医療現場における治療の質向上と医療資源のロス削減を実現するための取り組み。アルムはAIを用いたICT技術により、各人にとって最適な治療計画と治療デバイスを提案するプログラムを構築し、帝人は独自のRFID技術を用いて治療デバイスの過剰や欠品を防止する在庫管理体制を整備し、このシステムの実効性を確認する。2024年12月までに実証試験を完了し、2025年ごろまでに社会実装することを目指していく。

豊田通商 福島で国内初の水酸化リチウム工場竣工

豊田通商は11月16日、グループ会社の豊通リチウムが福島県楢葉町で建設を進めていた国内初の水酸化リチウムの製造工場が同日、竣工したと発表した。
水酸化リチウムは、車載向けリチウムイオンバッテリーの正極材の原料で、自動車の電動化が加速する中、バッテリー性能の工場に伴い、これまで以上に需要が見込まれ、安定供給が求められている。
同工場では炭酸リチウムを水酸化リチウムに加工する。生産能力は年間1万トンで、グループ会社の豊通マテリアルを通じ電池用途、工業用途を含め国内外のメーカーに販売する。

「大阪パビリオン」建設費 上振れ幅抑え99億円に

大阪府の吉村洋文知事は11月18日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で府と大阪市などが出展する「大阪パビリオン」の建設費が約99億円になる見通しと明らかにした。諸資材の値上がりなどにより、大阪パビリオンの建設費は当初の約73億円から膨らみ115億円へ上振れすると見込まれていた。だが、ガラス製の屋根をはじめ、建物のデザインや素材の見直しにより、上振れ幅を圧縮した。府・市などは11月下旬に工事事業者の竹中工務店と契約を結ぶ見通し。

10月消費者物価3.6%上昇 40年ぶり伸び率 円安,資源高

総務省が11月18日発表した10月の消費者物価指数(2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.4となり、前年同月比で3.6%上昇した。伸び率は消費増税時も上回り、1982年2月(3.6%)以来、実に40年8カ月ぶりの幅となった。円安や資源高の影響で食料品やエネルギーなど暮らしに関わる品目の値上がりが続いている。
品目別に上昇率をみると、生鮮食品を除く食料は5.9%、食料全体で6.2%。うち食用油35.6%、スパゲティ19.5%、チョコレ−ト10.0%、酒類5.0%。エネルギー関連では15.2%、うち都市ガス代26.8%、電気代20.9%、ガソリン代2.9%。

「離れて暮らす親に不安」8割 セコムが意識調査

セコム(本社:東京都渋谷区)が行った「離れて暮らす親に関する意識調査」の結果、30代以上の子ども世代とその親の、現在の家族の距離感の一端が分かった。
明らかになったのは①約5割が週に1日以上、別居する親と連絡を取っている②8割以上の人が「別居している親について不安に感じることがある」と心配③心配だが、「別居している親が今日何をしているか」「親の日程やスケジュールを知らない」人が6割を超える−など。
セコムが11月20の「家族の日」を前に、全国の30歳以上の男女400人を対象に調査を実施した。

ANA NEO 北海道と連携しメタバースで観光振興推進

ANA NEO(本社:東京都中央区)は11月16日、北海道とANAグループの包括連携協定に基づき、メタバースで北海道の観光振興事業を推進すると発表した。ANA NEOが提供予定の新しい旅のメタバース「ANA GranWhale」で北海道を構築し、北海道の多面的な魅力を国内外に発信していく。
同事業を通じてリアルとバーチャルの融合を図りながら北海道全域への現実の旅行者の誘客に貢献する。これにより、道内各地域の活性化および景観・文化の保全に寄与していく。展開にあたっては、北海道放送、星野リゾート リゾナーレ トマムなども開発に協力する。

ヤマハ発,日本製紙 CNF樹脂で水上バイク部品共同開発

ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市)は11月16日、植物由来の次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」強化樹脂をマリン市場製品へ採用、同素材の開発に関し、日本製紙(本社:東京都千代田区)と協業することで合意したと発表した。同素材の輸送機器部品への実用化は世界初の事例となる。
開発するのは水上オートバイおよびスポーツボートのエンジン部品で2024年モデルの一部で採用する計画。将来的にはマリン製品のみならず、二輪車などを含めたヤマハ発動機の幅広い製品群への展開を検討している。

三井化学,マイクロ波化学 環境負荷の低い炭素繊維製法

三井化学(本社:東京都港区)と大阪大学発スタートアップのマイクロ波化学(本社:大阪府吹田市)は11月16日、消費エネルギーを半分に抑え、温暖化ガス排出量削減できる、環境負荷の低い革新的な炭素繊維製法を開発したと発表した。三井化学の名古屋工場に実証設備を建設。2023年12月に完成予定で、2024年度中の稼働を目指す。投資額は約20億円。
炭素繊維の焼成工程でマイクロ波を、電界を制御し、原料となる繊維に絞り込んで加熱することで、消費エネルギーの削減や時間の短縮に繋がるという。