インドネシア産”次世代うなぎ”輸入が活発化

インドネシア産”次世代うなぎ”輸入が活発化
 シラスウナギのここ数年来の深刻な不漁で価格が高騰、手軽に味を楽しむのが難しくなりつつあるウナギ。老舗の鰻屋が閉店を余儀なくされ、2月には環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に指定し保護に乗り出している。
 こうした中、いま話題になりつつあるのが”次世代うなぎ”だ。ニホンウナギとは品種が異なるインドネシアやフィリピン産のウナギで、ニホンウナギのいわば代用品として、サンプル輸入が活発化しているものだ。試食では「味はいい」と好評価を得て、輸入品にまずは及第点を与える声がある一方で、これが”ニホンウナギ”と称して販売される可能性があると危惧する意見もある。ニホンウナギとはサイズや形が微妙に違うが、調理法や焼き方などで工夫すればするほど、また別の悩みも出てきそうだが、果たしてインドネシア産ウナギの輸入は定着、本格化するのか。

ジョコウィ知事 MRT社長を事実上解任へ

ジョコウィ知事 MRT社長を事実上解任へ
 ジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事は3月18日、先月19日で任期を終えた州営ジャカルタMRT社のトリブディ・ラハルジョ社長の任期を延長せず、近く後任を決めると明らかにした。同社の株主総会が後任候補を選定し、知事に推薦する予定。
 MRT社長を事実上解任としたことについて、同知事は「大事業であるMRT(大量高速交通システム)は目に見える形で進展しなかった」と説明。MRTは何年も頓挫したままで、事業の遅延による損害も生じると述べ、幹部を刷新し事業計画を進展させる方針を示した。MRTは、日本の円借款が8割強を占める首都圏のインフラ整備の主要事業の一つ。

全土に参加呼びかけ国際NGOオイスカがワークショップ

全土に参加呼びかけ国際NGOオイスカがワークショップ
 35年ぶりにインドネシア全土に参加を呼び掛けて3月15~17日の3日間、農村開発や環境保全活動を展開する国際NGO(非政府組織)オイスカ・インターナショナル・インドネシアによる、ワークショップが開催された。これは若者を中心に農業を通じた人材育成や、ビジネス、農村の魅力を伝えようというもの。
 首都圏に限らず、インドネシア各地で都市化が進み、仕事を求める若者の都市部への流出に歯止めがかからないという。その結果、インドネシアで農業に従事する人のほとんどは50~60歳代、もしくはそれ以上の高齢者が増えてきている。そのため、改めて農村の価値を考え、農業をしながら暮らしていくことの喜びや、その良さを周知する取り組みが続けられている。

食材の価格高騰が食卓を直撃 販売業者も悲鳴

食材の価格高騰が食卓を直撃  販売業者も悲鳴
 悪天候などでいまジャカルタで、ニンニク、バワン・メラ(小さい赤タマネギ)、トウガラシなどインドネシア料理に欠かせない食材の価格高騰が続き、2倍以上に跳ね上がった仕入れ値に販売業者は悲鳴をあげ、主婦も購入量をを減らすなど、家計のやりくりに苦慮している。
 西ジャカルタの伝統市場、パサール・パルメラではパワン・メラやニンニクが2倍以上に跳ね上がっているほか、西ジャワ州ブカシのチキトゥン青果市場でもニンニク、パワン・メラ、トウガラシの仕入れ値が2倍に値上がりしているという。これに伴い、販売業者は売値を上げるため、客数は減少している。安価な輸入品もあるが、所得水準の向上に伴い、少し高くても品質の良い国産品を買い求める客は多く、今は早く元の水準に戻ってほしい-が主婦層の本音。
 政府も食料価格の抑制に頭をいためている。西ジャワ州デポックの市長は、自宅での栽培を呼びかけたが、反応は鈍いという。

エアコン設備ない列車は廃止へ 長距離は料金大幅値上げも

エアコン設備ない列車は廃止へ 長距離は料金大幅値上げも
 国鉄は3月13日、①6月までにエアコン設備がない列車を廃止する②長距離列車の乗車料金の大幅値上げを実施する-などを内容とする方針を明らかにした。各駅停車の列車は現在、エアコン設備がない列車が2000ルピア、エアコン付きの列車が9000ルピアで運行しているが、これを8000ルピアに統一したいとしている。
 また、長距離列車の乗車料金を一律数倍に引き上げる考え。例えば、中部ジャワ州プルウォクルト-東ジャワ州ジュンブル間では、現行の4万500ルピアを15万ルピアの3倍強に値上げする予定という。
 国鉄の統計によると、2009年にエアコン設備なしの列車の乗客数は8660万人だったのが、10年には6930万人、12年には4650万人と年々減少。これに対し、エアコン付き列車の乗客数は09年に4390万人だったのが、12年には8750万人に倍増。所得水準の向上により、より高い乗車料金でも快適な車両を選ぶ利用者が増えていることが分かる。

「国民食を守れ」タフ・テンペ生産者が輸入業者の規制要求

「国民食を守れ」タフ・テンペ生産者が輸入業者の規制要求
 タフ(豆腐)・テンペの生産者で構成されるインドネシア・テンペ・タフ生産者組合代表は3月13日、ユドヨノ大統領に対し、最近の大豆価格の乱高下は少数の輸入業者の価格操作によるものとして、輸入業者の規制を求めるデモを起こす考えを示した。タフ・テンペはインドネシアの国民食として親しまれている。生産者は米国製の輸入大豆に依存しており、ごく一握りの輸入業者の価格操作による価格の高騰で、生産活動に支障が出ているという。
 同組合によると、国内に11万5000の生産者がおり、150万人が生産に従事している。昨年末から3月初旬にかけてタフの価格が約3割上昇している。    

 

BPJS設置に向け公的医療サービスの給付と負担の議論進む

BPJS設置に向け公的医療サービスの給付と負担の議論進む
 インドネシアでいま、国民皆保険などを含めた公的社会保険の運営機関、社会保障機関(BPJS)の2014年設置に向け、政府や関連機関で医療サービスの給付と負担の議論が進められている。
 貧困層に対する配慮から政府は、当初2万2200ルピアと提案していた国民1人当たりの1カ月分の健康保険料を、1万5500ルピアに下げる案の検討に入った。アグス・マルトワルドヨ蔵相によると、約8600万人が貧困層に該当し、新保険制度の下で、これらの人たちが医療サービスを受けられるようになる予定。

マレーシア・サバ州の戦闘避け、出稼ぎ労働者が続々帰国

マレーシア・サバ州の戦闘避け、出稼ぎ労働者が続々帰国
 多数の死者が出た、カリマンタン島北東部のマレーシア・サバ州ラハッド・ダトゥにおけるフィリピンから不法上陸した武装集団とマレーシアの治安部隊の交戦を避け、インドネシアからの出稼ぎ労働者が続々帰国している。これは、東京ドーム約2100個分に相当する広さの9万9000㌶にわたるマレーシア国営アブラヤシ農園「フェルダ・サハバット」内に居住する人々の過半数(8253人)を占めるインドネシア人だ。この農園の地域周辺に武装集団が立て籠もっているという。
 インドネシアからの出稼ぎ労働者は、帰国手続きのためマレーシア・サバ州南部のタワウのインドネシア領事館に殺到している。対岸の東カリマンタン州ヌヌカン島にはボートに乗って帰国する人が相次いだ。
 インドネシア外務省は3月6日、交戦地域から20㌔圏内のインドネシア人はすべて非難したと発表。マレーシア政府は5日、武装集団が立て籠もる地域周辺の国営農園の労働者1万5000人の安全を確認したとしている。

女性の社会進出度はアジア太平洋14カ国・地域中10位

女性の社会進出度はアジア太平洋14カ国・地域中10位
 米マスターカードが行った調査結果によると、アジア太平洋地域の女性の社会進出度指数で、インドネシアは14カ国・地域中10位だった。指数は男性100人当たりの女性の比率を「雇用(労働参加、正規雇用機会)」「教育(中等教育、高等教育)」「リーダーシップ(事業所有、民間企業管理職、政府機関管理職)」の3分野7項目を調べて割り出した。100を上回れば女性優位、下回れば男性優位となる。
 インドネシアの総合指数は56.5。最も低かったのはリーダーシップの26.4(10位)で、事業所有が29.8(8位)、企業管理職が27.2(9位)、政府機関管理職が22.8(8位)だった。雇用は74.4(13位)。労働参加が61.1(12位)、正規雇用機会が90.6(11位)となった。最も高い教育も91.7(12位)にとどまり、中等教育が97,7(12位)、高等教育が86.1(12位)といずれも男性を下回った。
 日本は、雇用が8位の83.1、教育が11位の94.5、指導的地位が最下位の14.2となった。

生息地の開発で追い詰められるスマトラオランウータン

生息地の開発で追い詰められるスマトラオランウータン
 インドネシアのスマトラオランウータンの生息地が、パーム油プランテーション開発による違法な火入れ、排水、伐採などの進行によりどんどん奪われつつある。原生林や泥炭地の新規プランテーションへの転換は一時的に禁止されているにも関わらず、企業の保全地域の開発許可が取り消されていないからだ。こうした企業は現在提訴されているが、判決までに時間がかかるため、いまなお森林の排水や火入れが進んでいるという。
 自然保護団体によると、絶滅危惧種のスマトラオランウータンはインドネシアに6600頭ほど生息している。スマトラ島北西部アチェ州の森林・泥炭地「ラワ・トリパ」には、オスの「アバター(Avatar)」をはじめ200頭以上が暮らす。トリパは世界でも有数のオランウータンの生息地で、同国政府が豊かな生物多様性を維持する目的で自然保全地域として指定した「ルスル自然地域」内にある。スマトラ島では、スマトラオランウータンを保護するプログラムが進み、獣医師らによりアバターを保護区へ移送する作業が進められつつあるという。