能登半島地震8週間 いぜん1万人超が避難所生活

最大震度7の揺れを観測した能登半島地震から2月26日で8週間。被災地ではボランティアなどの支援も加わってがれきの撤去や、断水の解消に向けた動き、仮設住宅の建設も進み始めているが、今も1万人を超える人たちが厳しい寒さの中、避難所生活を強いられている。
石川県内では能登地方を中心に2月22日時点で7万5,661棟の住宅で被害が確認され、2万1,880戸で断水が続いている。
こうした中、①輪島市は職員の態勢の縮小が見込まれているため、3月1日から支援物資の届け先を「指定避難所」に集約することとし、「自主避難所」の住民には物資を取りに来るよう呼び掛けている②輪島市の避難所では炊き出しを支えている団体や飲食店からの支援の申し出が減り、3月以降は予定のない日が目立つようになっているーなど支援の手が後退している。
仮設住宅の整備や断水の解消には時間がかかり、避難生活の長期化が予想される中、避難者の日常を取り戻すのに必要な支援を、今後どう継続していくかが課題となっている。

月探査機「SLIM」再起動しデータ受信再開へ JAXA

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2月26日、月面探査機「SLIM(スリム)」から再びデータを受信したと明らかにした。25日午後7時すぎ、スリムからデータを受信したという。
月は約2週間毎に昼と夜が入れ替わる。昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にもなる。着陸地点は1月末から夜だったが、昼を迎えて太陽電池が発電を再開した。極めて低い温度になる夜を乗り越える設計にはしていなかったが、性能が想定を上回った。ただ、高温状態での運用を避けるため今回は通信を終え、機体の温度が十分に下がった段階で観測を再開する計画。
スリムは1月20日、目標地点から半径100m以内の”ピンポイント着地”に成功。だが、機体が太陽電池が西側を向く格好で着地したことから、太陽が沈んだ1月31日にいったん”休眠状態”にし、再起動を目指していた。

ウクライナ兵死者3.1万人 ゼレンスキー大統領が初公表

ウクライナのゼレンスキー大統領は2月25日、ロシアの軍事侵攻によりウクライナ軍兵士の死者が約3万1,000人に上ったと明らかにした。同大統領が自軍兵士の死者数を公表したのは初めて。また同氏はロシア軍の死傷者は約50万人で、うち死者はウクライナ軍の6倍の約18万人に上ると説明した。ただ、これは戦争当事者の見解で、確認はされていない。

京都・北野天満宮で道真しのび「梅花祭」 野だて茶会も

菅原道真を祀る北野天満宮(所在地:京都市上京区)で2月25日、命日の道真をしのぶ恒例の「梅花祭」があった。あいにくの冷たい雨の中だったが、屋外で茶を楽しむ野だて茶会も開かれた。参拝客らはテントの下で梅を愛でながら芸・舞妓の振る舞うお茶を味わっていた。
同天満宮境内には約50種、約1,500本の梅があり、今年は例年に比べ開花が早く、見ごろは3月初旬ごろまでの見込み。梅花祭は900年以上の歴史があり、野だては天下人、豊臣秀吉が境内で大茶会を開いたとの故事にならったもの。

致死率3割「劇症型溶連菌」患者23年に過去最多の941人

国立感染症研究所のまとめによると、致死率が3割に上るとされる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」の患者が2023年に過去最多の941人(速報値)となった。患者は高齢者が大半を占めている。同患者は、新型コロナウイルス禍で一時減少したが、今年も2月11日時点で290人確認されており、前年同時期よりすでに186人多い。
STSSは急速に症状が悪化し、手足などの壊死を引き起こすことがあり、”人食いバクテリア”とも称される。原因となるのは溶連菌。通常は感染しても、一般的な風邪症状にとどまるが、稀に重症化してSTSSを発症する。今回の流行について、専門家は「海外から持ち込まれた毒性の強い株の流行が要因ではないか」とみている。

2,500年前にも能登半島に大津波 津波浸水域が酷似

新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授らの津波堆積物の調査、分析によると、震度7を記録した能登半島地震で甚大な津波災害を受けた石川県珠洲市と富山県沿岸部が、約2,500年前にも大津波に襲われていたことが分かった。今回の能登半島地震の津波浸水域とよく似ており、約2,500年前にも同様の大津波が起きていた可能性がある。堆積物は2015年に確認されたが、当時は震源域を特定できていなかった。
同教授は2014〜2015年、文部科学省の日本海地震・津波調査プロジェクトの一環として、石川県と富山県でボーリング調査を行った。その結果、珠洲市で①約2,500年前〜2,000年前②約2,000年前〜1,800年前③9〜10世紀ーの少なくとも3回、富山県沿岸では①約7,900年前〜7,800年前②約4,700年前〜4,500年前③約2,700年前〜2,500年前④13世紀ーの少なくとも4回津波があったことを示す砂層などを見つけた。堆積物の状況から、両県とも約2,500年前の津波が最も大きかったとミられるという。

日本馬ウシュバテソーロ2着 世界最高賞金サウジカップ

競馬の1着賞金1,000万ドル(約15億円)という世界最高賞金レースのサウジカップ(1800mダート、G1)が2月24日、サウジアラビア・リヤドのキングアブドルアジズ競馬場で行われた。日本から5頭が参戦し、ウシュバテソーロ(川田将雅騎乗)が2着となった。
昨年はパンサラッサが制覇し、サプライズを演出したが、期待された日本馬の連覇は成らなかった。米国のセニョールパスカドールが優勝した。ちなみに同レースの2着賞金も5億円だった。
同レースには日本馬4頭が出走、デルマソトカゲ(クリストフ・ルメール騎乗)は5着、クラウンプライド(ジョアン・モレイラ騎乗)は9着、レモンポップ(坂井瑠星騎乗)は12着だった。メイショウハリオは出走を取り消した。

日本女子2−3で逆転負け 53年ぶりV奪取ならず 世界卓球

世界卓球・女子団体戦は2月24日、韓国・釜山で行われ、日本は5連覇中の中国と対戦し、53年ぶりV奪回を目指した。世界ランキング1〜3位の選手を揃えた中国に対し健闘し、2勝1敗とし、世界一まであと1勝に迫りながら逆転され、2−3で敗れた。この結果、5大会連続で銀メダルとなった。金メダルは中国、銅メダルはフランスと香港が獲得した。

TSMC熊本第2工場に最大7,320億円補助 経産相表明

斎藤健経済産業相は2月24日、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第2工場(所在地:熊本県菊陽町)の整備費用に、経産省が最大で7,320億円補助すると発表した。同日行われた第1工場の開所式後、明らかにした。TSMCは熊本の第1・第2の両工場に合わせて200億ドル(約3兆円)超を投じる。このうち、経産省は第1工場の4,760億円と合わせ最大1兆2,080億円を支援することになる。
この要件として①量産開始から10年以上の生産継続する②半導体の材料となるウエハーの大半を日本企業から、それ以外の部素材の5割以上を日本に拠点のある企業から調達するーなどの新たな条件を設けたとしている。
第1工場は2024年末をめどに回路線幅が12〜28ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の生産開始を予定。第2工場は6ナノの先端品を製造する計画。